目標とか夢は絶対に必要なんでしょうか？ 自分探し症候群の人達。
私の娘は、あまり欲がツヨイ方ではありません。「何か欲しいモノがある？」と聞いても、「別にいらない」と言うだけ。そういう意味では、お金のかからない親孝行の子供なんです。だけど、問題もある。それは、「欲が強くないので、自分から目標を作ろうとしない」のです。うちの娘と同じように、最近の若い人にはそんな人達が増えていると思います。
先日もこんな事がありました。受験をテーマにしているテレビを家族で見ていた。その際、「主人公がライバルに負けないぞ！」と頑張っているシーンがあった。それを見た家内がダンスを習っている娘に、「あなたもダンスは、○○ちゃんに負けないぞと思って頑張っているの？」と聞いた。娘は、「うーん。特に○○ちゃんより上手になろうって考えた事もない。」と答えた。それを聞いた妻は、急にプちっと切れて、「そんな事じゃ、上手くならないよ。目標をちゃんと持たないといけないのよ」と娘に説教を始めた。娘にとっては、とんだトバッチリだ。（全然関係のないドラマから自分の目標のなさに話が展開されてきたのだから）娘は下を向きながらバツの悪そうな顔で、黙って説教を聞いていた。
これは我が家の光景だが、こんなケースはみなさんの会社の中でも見かける光景ではないでしょうか？「君は将来どういう仕事をしていきたいんだ。目標をしっかり持たないとダメなんだよ。それに向かって努力する事でしか、仕事は上手くなっていくんだ！」と目標のない人へ叱咤激励をする社長や管理職の人達。その言葉をシラケて聞く部下の社員達。（そんな説教しても、全くモチベーションアップにならないのに・・）
娘のようにホントに成りたい姿が、今のところない人も大勢います。モチベーションアップという際に、必ず出てくる「目標」という言葉。ホントにそんな人達に、無理矢理でも目標を作らせる必要があるのでしょうか？
最近「自分探し症候群」の人達が非常に多いですよね。この人達は、「ホントに自分がやりたいこと。なりたいもの」を、大人になっていつまでも探している人達です。その為に、まずはフリーターからスタートしたり、転職を繰り返したり、自己啓発セミナーに参加したり・・。ある意味、彼らはホントに真面目な人達だと思います。これらの人達は、「ホントに自分がやりたい事。なりたいものという目標を人は持っていなければならない」と洗脳された人達なのではないでしょうか？子供の頃から「夢や目標」を持たないと周りから（友人、先生、歌、本）言われ続けて、それを真剣に受け止めた真面目な人達なのでしょう。
- １ＳＴ 自分の夢をイキイキとビジュアル化する。
- ２ＮＤ そしてそれを目標化、計画化する。
- ３ＲＤ 毎日、それを見ながら自分をモチベーションアップしていく。」
それが成功の為の秘訣！イキイキとした人生を歩むための秘訣！こんなステレオタイプ型のモチベーションアップの方法が世の常識化している現代。（ＰＯＰＳの歌詞にもたくさん見られるくらいです）だから、１番目のステップでつまずいている、「夢や目標」がない人達は、「夢や目標がない自分」はオカシイと考えて、
- 焦って自分探しに走ってしまったり
- 逆に、周りからの「目標や欲を持て」というアドバイスに全く耳を貸さなくなったり
なっているような人も見かけます。モチベーションアップを行う為に、人類が発明した「目標」「夢」というツールがマイナス作用し始めている人達も大勢でてきています。どんな素晴らしいツールも副作用がありますからね。娘などを見ていると、考えてしまいます。
目標は、無理矢理にでも作らなければいけないものでしょうか？
特に達成したいと思わないものでも、目標になるのでしょうか？
ガンバル為だけに「目標」がいるのでしょうか？
目標については１回のブログで済む話ではないと思うので、今後も触れていきます。
ちなみに、家内から叱責された娘へ、お風呂の中で父とフォローしました。
「お父さんも、明確な夢や目標があるか？」と言われると、「ある。」と自信を持って言えるレベルにはないよ。いつも、夢や目標が変わったりする。ホントはいけないんだろうけどね。やりたいこと、達成したいことが、一生懸命にやっている最中に変わってくるんだよね。だから、無理に目標なんか作る必要はないよ。やっている最中に、「ああなりたい。」と思うことが見つかると思う。だけど、お父さんは、一つだけ目標はある。これだけはいつも意識している。「目の前の仕事を徹底的に楽しもう！全力で楽しもう！」という事。そうしているうちに、楽しそうな可能性や夢、気持ちがワクワクする目標が見つかってくるんだ。君も「誰よりもダンスを楽しむ。一生懸命に、全力でダンスを楽しむ。練習を楽しむ」ことを目標にしたらいいんじゃない。そうすりゃ、やっているうちに、焦らなくても目標なんかできてくると思うよ。
