モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

「夢を持て」と言われても・・描こうとして、夢って描けるのか?


夢とモチベーションって、かなり深い関係にあります。



「夢を描けば、実現できる!」

「夢を実現する事はカンタン。夢をビジュアル化すればよいだけ!」

などの本が今もかなり売れています。(具体的な本の名前は出しませんが・・)





これって、どうなんでしょう。

確かに「ホンキで夢を叶えたいと願うこと」のメリットはいくつかあります。

  • 夢があることで、身の回りで起こっている「夢」に関する情報がアンテナにかかってくるようになる
  • ビジュアル化された夢を見ると、現実のイヤな事を忘れる事ができ、落ち込んだ気持ちがモチベーションアップされる
  • 夢を持つ事で、今、何をすべきかという事が見えてくる
  • 大きな夢、ワクワクするような夢を話す事で、共に夢を追いかけていく仲間を作っていく事ができる。仲間をモチベーションアップできる

確かに、「ホンキで夢を叶えたいと願うこと」のメリットは分かるのですが、何か、「夢を描けば何でも叶う」的な本には違和感を感じていました。(そんな甘いものじゃないだろうって)





私の場合も、このような仕事をしている関係で、上司や周りの人から「大きな夢を描け!」「夢を作れ」と言われてきました。口では「分かりました」と返事はしました。



しかし、私は「自分がホンキで叶えたいと願うような夢」はナカナカ見つかりませんでした。夢は描いてみるのですが、「ホンキで叶えたいと願うような夢」は出来上がりませんでした。現実の中で生まれてきた「目標」をクリアし続けてきただけでした。(「楽しさ創造力」という事を日本中に広げたいという夢(らしき)ものができましたが、それも最近です。)




案外、一般的な成功者の話を聞いても、「夢」を追いかけてきた人って、そんなにいるワケでなく、目先の「目標」や「今」を懸命に生きてきた人の方が多いような気がするのです。(データをとったワケでもなく、感覚的な話なのですが)





そんな私ですから、今まで、「大きな夢を描け!」なんて言われる度に違和感を感じていました。そんな私が、ほぼ日刊イトイ新聞-ダーリンコラム<できないことは、ぜったいにできない> を読んで、目から鱗、何か腑に落ちるものを感じました。


こころから願うっていうことはさ、なんとなく本気みたいな気分で願うこととは、

ずいぶんちがうっていうことは、わかるだろ?



あのイチロー選手が、「ヒット1本が、どれだけうれしいか」って言うんだ。

それを知っててさ、「年間に500本ヒットを打ちたいです、神様」ってよ、

願ったら、そりゃ、本気じゃないと思うだろ。



フィギュアスケートでさ、観客はさ、みんな簡単に3回転しろーっとか言うじゃん。

でも、あんまり3回転って見たことないよな。

むつかしいからだよな、3回転は。

それを本気でスケートやってる人は、わかってるわけでさ。

「4回転で、世界をあっと言わせます」なんて言わないよ。

素人だったり、こどもだったりしたら、「8回転してオリンピックで金メダルをとります」って、言えちゃうだろうけどさ。

それは、夢でさえないよ。冗談ってものだ。

「ホンキで夢を叶えたいと願うこと」ってことのホントの意味が分かったような気がしました。

この「夢」って、単に「なれたらいいなぁ」とか「できたらいいなぁ」とか「欲しいなぁ」なんて事じゃないんですよね。




そんな白昼夢をいくら大事にしていても、夢なんて叶うわけはないのでしょう。

「達成する事の大変さ」「難しさ」「払わなければいけない犠牲」ををしっかり理解した上で、
それでも、どうしても「実現したいという事」が「ホンキで叶えたい夢」と言えるのでしょう。





「ホンキで叶えたいと願う夢」は、頭でイメージするだけ、紙に書き出すだけでは生まれてこない。

頭でイメージしただけのような「実現可能性もなにも考えていないような夢」は単なる軽口にしかすぎない。幻想。白昼夢にしかすぎないって事なんでしょう。


夢がさ、本気で願える夢になったら、それはほんとうに叶うことに近づいたってことだ。



おれが、よく「小さい夢」を評価するのはさ、「小さい夢」をちゃんと叶えてきたやつってのは、

「叶える」って経験を積み重ねてきたからなんだ。

夢をみるって、本気で願うって、むつかしいんだよ。

小さかろうが、しょうもなかろうが、

叶えてきたことのあるやつは、夢を叶えるっていうおもしろさを、身で知ってるんだよ。

「ホンキで夢を叶えたいと願うこと」は、もっと実は難しい事なんですよね。

「小さな願いを叶える事の積み重ね」ではじめて、ホントの夢が持てるようになる。

「叶える経験」の積み重ねによって、「夢や目標」を持つ楽しさ、追いかける楽しさが分かってくる。

「ホンキで願っている時って、自分の気持ちがどうなるのか?」って事がイメージできるようになる。

口先で夢を語っている自分と、ホンキで夢を語っている自分を区別する事ができるという事なのでしょう。





そうなるには、まず、「小さな目標、夢」を一つずつ叶えていくこと。人に自慢できるほど、大きな夢でなくていい。小さな夢を叶え続ける事で、ホンキで叶えたい大きな夢がでてくるのでしょう。





  • 小さな事を達成し続けること
  • できることを、ちゃんとやること。
  • できることをもっとやること

この繰り返しによって生まれた「ホンキで叶えたいと夢」が見つかってきてこそ、「夢」のパワーがでてくるのでしょうね。

そうなれば、「夢を実現できるのはカンタン」なのかもしれません。(まんざら、「夢を描けば、実現できる!」という事もウソでないかも)





ただ、「ホンキで叶えたいと願う夢」を見つける事は、そんなにカンタンではないという事。

ある意味、毎日、「できることをちゃんとやり続ける」こと、「小さな目標を達成し続ける」ことで、「ホンキで叶えたいと思う夢」を私達は探しているのかもしれませんね。





今、私の夢(楽しさ創造力という概念を日本中に広げるという事)は、「ホンキで叶えたい」という部分にまでの気持ちになっていないかもしれません。

しかし、あせらず、目の前の小さな「できる事をちゃんとやる」ことの繰り返しで、「ホンキで叶えたい夢にまで、気持ちが高める事ができればなぁ」と思っています。





まずは、「大きな夢」を描くなんて必要ない。「小さな夢」でいい。夢なんて大きな話でなくて、目標でもいい。

まずは、目の前の事から逃げないで、できる事をちゃんとやり続けて、小さな目標を叶える習慣をつけていく。その事が、「大きな夢」を描くよりも、もっと大事な事なのでしょうね。





ある意味、「夢は描くもの」という常識がおかしいのかもしれません。ホントは、夢って、「懸命に目の前の事を達成していく事で、固まっていくもの」なのかもしれませんね。





繰り返し、繰り返し、今を懸命に生きて、小さな夢(目標)をクリアしていく中で、「ホンキで叶えたいと願う、夢らしきもの」に、ぼんやりと出会う。夢らしきものがぼんやりと沸いてくる。

そして、また、繰り返し、繰り返し、今を懸命に生きていく事によって、「ホンキで叶えたいと願う、夢らしきもの」が「ホンキで叶えたいと願う夢」に徐々に固まってくる。そんな気がします。





そんな過程で固まってくる「ホンキで叶えたいと願う夢」であれば、それを持つだけで凄いパワーがでてくるのでしょう。(ここまでの夢はまだ、私は持てていないので、実感はありませんが)





「夢がない」「夢が見つからない」と悩むなんて必要ない。無理矢理、描いた夢など、しょせん、大したパワーは発揮されない。懸命に今を生きる事で「ホンキで叶えたいと願う夢」は固まっていくものなのでしょう。