残業を減らすには、「最終完成物の摺り合わせ」のルーチン化から
ある飲食店チェーンの会議での話。
そのクライアントは、現在、システム導入に向けての最終段階に入っています。
会議では、ベンダーさんがマニュアルを作ってきており、その確認作業をしていました。
マニュアルは完成型で納入されてはいたのですが、それを見て、クライアントの担当者の一人がベンダーさんに向けて、注文をつけ始めました。
- 貰ったマニュアルをベースに、チェーン店別、パート、社員、店長用という形で社内で再マニュアル化をする必要がある
- その為には、再マニュアル化がしやすい形でのマニュアルの納入してくれないか?(マニュアルのレイアウト、マニュアルの構成等)
- また、エクセルでマニュアルを作ってあるのだが、再マニュアル化をしていく為には、ワードでの納品が望ましい
という要望が出てきたのです。
「再マニュアル化」の話は、何度も行っていたのですが、
・マニュアルの完成イメージ(レイアウト、アウトライン構成、、フローイメージ等)について
・最終完成物をワードでの作成
等の最終完成型に関して、ベンダーさんは確認される事をせずに、どんどん作業を進めていかれた結果、このような事態が起きてしまいました。(マニュアル作成の初期段階で、確認をとっていれば、全て完成して書き直しみたいな話にならなかったと思うのですが・・)
ベンダーさんは、再度、マニュアルの書き直しが必要になってきました。
たぶん、これから数日間は、彼は残業が続くのではないかと思います。
最終完成物の確認を、相手側としっかりつめて仕事を開始しておけば、このような残業は生まれてこなかったと思います。
最短距離での仕事は、相手との最終完成物のイメージ摺り合わせから始まります。使うのは、たった5分〜10分程度。この時間を惜しむと、多大な時間のロスが発生してくるのです。
最終完成物のイメージとは、一般的には、これら10個の確認だと思います(業種、職種によって多少は違ってくるかと思いますが)
- ・最終完成物の目的は?
- ・最終完成物の利用者は?
- ・最終完成物の納期?
- ・最終完成物の利用場所は?
- ・納品形式は?使用ソフトは?
- ・納品物のアウトラインは?
- 分量が多いモノ。プロジェクトが大きいモノは、特にこのアウトラインの確認せずに、仕事に取りかかれば、「大きなムダ」が発生するリスクが高まります
- ・納品物の基本パターンのデザインは?
- ・納品物の分量は?
- ・納品物に使ってよいコストは?
- ・最終完成物までのスケジュール (途中でのレビュー等)
先ほどのベンダーさんの事例にしても、クライアントの担当者の方と、最終完成物に関して、この10個についてしっかり打合せをしておけば、残業なしで済んだと思うのです。
仕事の発生のたびに、依頼者と確認をしていくチェックリストを作っていく。最終完成物を確認していくという事をルーチン化していく。
このルーチンが習慣化できれば
- 過剰品質のものを作って発生する時間のムダ
- 最終完成物がイメージされていない為に発生する、試行錯誤、回り道による時間のムダ
- 「手直し」「修正」にとられる時間のムダ
がなくなり、もっと効率的な時間の使い方ができると思います。
あなたも、自分なりの「最終完成物チェックリスト」を作ってみて、仕事の度に依頼主と確認する事をルーチン化していきませんか?