中村俊輔の 「察知力」を読んでのメモ
中村俊輔の 「察知力」を読みました。この本、サッカー選手の本というより、優れた自己啓発書という感じの本でした。それも、通常の自己啓発本のように、「俺は凄い」みたいな感じがなく、彼の性格が出た、控えめな主張がされている自己啓発本。
ちょっと、まとめる時間がなかったので、この本を読んで、私がメモした事をご紹介。
明日、じっくりとまとめ記事は書こうと思います。
- 作者: 中村俊輔
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 新書
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<察知力を読んでのメモ>
未来を察知し、準備を怠らない
足りないものがあれば、それを埋めるだけでいい
敗戦から得るものはある。歯が立たないと思ったら、それで「課題」が見つかった事になるから、ラッキーだ。
課題を克服すれば、「引き出し」が増える。
満足すると痛い目に遭う。「置いて行かれちゃう」という危機感を常に持っている
いつも先を見て、周囲を見て、空気を読んで、自分に足りないもの(壁)は何かを察知して、準備する
壁があると落ち着く。未来を察知し、必要な壁を探す
物事が起こるには原因がある。思い通りに進まないのなら、原因を察知し、解決の糸口を、見つけだせばいい
試合からハズされれば、その原因をしっかり考え、次に向けて準備をする。腐っていては、時間がもったいない。(中3時のトラウマ)
トラウマを活かす。
「今週はこんな事ができるようになろう」とテーマ設定をし、練習をする。テーマをクリアして達成感を味わい、次のテーマにまたチャレンジしていく。そうする事が、単調な練習を楽しくしていく
現実から逃げちゃ行けない。現実を察知して、それじゃどうすればよいかを考える。(高校時代のボール拾い時につかんだ事)
高いレベルに行けば行くほど、高い壁が現れる。壁が出てくるのを察知し、準備を行っておく。そうすれば気がついた時には、壁をすっと乗り越えることができていたりする
ただがむしゃらに練習をしていても意味がない。察知力を使い、壁を見つけ、それをクリアしていく為の準備に練習していく事が大事。
壁がないとイヤ。常に追われるくらいがちょうどいい。
「ボールは汗をかかない」のと同じように、「頭も汗はかかない」。試合中には、「ボールを当てる角度、視線の置き方」など、細かな部分まで考え続けながら仕事をしていく事が大事。
経験を積むと「引き出し」が増え、自然に体が動くようになる。しかし、それまでは考え続けなければいけない。
細かい事を感じるか、考えるかで、人の成長は違ってくる。何も考えないでサッカーをやっていても巧くはならない。
同じ映像(サッカー中継)を見ても、何を察知し、何を感じ、何を自分のものにしていくかが大事になる
誰にも負けない武器を持つことも大事だけど、レーダーチャートで言えば、全てを平均点にする事も一つの方法。レーダーチャートの全てを大きくするという方法もある。
察知力は、人が成長をする為に欠かすことができない能力であり、目標や夢を叶えたいと思うのなら、磨くべき力
日記を書くことで、察知力を磨く
明日からやらなければならない事、補わなければならないこと、補っていくには、はどんな練習をしていけばよいか。心に残った言葉。自分の実績(記事)。忘れたいこと、、忘れちゃいけないこと。
日記の節目には、長期目標(代表に入る)、中期目標(10番をつける)、短期目標(Jに慣れる)を書く。そして、その為の日常で越えるべき「課題(テーマ)」を決めて、それにチャレンジしていく。乗り越えたら、また次の課題にチャレンジ。
何かを成し遂げて行くには、プロセスがある。小さな事でもその順序があり、そのプロセスを達成しながらの目標クリアが大事。ラッキーパンチの目標達成では泥船にしかすぎない。
壁に当たったときノートを開く。モチベーションが下がり、イライラしている時にノートを開く。そうすると、「あぁ、そうだよな」という感覚が戻ってくる。当時の事が甦ってきて、勇気が沸いてくる
落ち込まない人間はいない。しかし、永遠に落ち込む人間もいない。
初心忘れべからず。サッカーを始めたときのワクワク感などを読むと、気持ちをリフレッシュできる。
技術的な気づきも書いておく。一度、日記に書くという作業で言葉にまとめていれば、、他の選手とコミニケーションを取るときが取りやすい。
壁にぶち当たり、落ち込み、壁をどう乗り越えてきたかを記録しておく。次に壁に当たったとき、そのノートを見直す。自分の言葉が励ましてくれる。
書くことで、自分の考えを整理する。続けるうちに、自分を客観的に見れるようになる。過去の自分の歩みが見れるので、成長の軌跡を後で確認する事で、再発見できるものも多い
サッカーは趣味であり、特技。ラーメン好きな人がラーメンに関する情報を集めるのと同じように、サッカーについての情報収集に余念がない
何度も何度も繰り返しひたすら練習して、これだったら止められないと感じるまでフリーキックを追求する。それでも、実際は「これで大丈夫」ということはない。
漫然とトレーニングをするのではなく、状況をイメージし、相手のこと、自分のコンディションなどを想定しながらトレーニングしていく。
自分の引き出しの数が、未来の可能性
引き出しとは、積み重ねた経験により生まれた「対応力」。 (今、使う事ができる過去の経験と、今持っている技術)
たくさんの引き出しがあれば、自分を信じることができるので、プレッシャーを感じることが少ない
引き出しは、経験だけでは増えない。体験を未来にどう活かすか?足りない事をどう補い、できたことをどう磨いていくかという事を通して、引き出しは出来上がっていく
未来に起こる次のシーンをイメージする事で、引き出しは出来上がっていく
上のレベルの体験が引き出しを作る
悩むことが引き出しを作る。考え続ける事が引き出しを作る
リタイアさえも、引き出しを作る。 リタイアした時しか、仲間を観察する事はできない。仲間の観察により、「代表でプレーする為の基準作り」ができた。観察結果をノートにまとめる
上から、納得できない仕事をさせられたとしても、それは「新しい引出し」を作るチャンスだと考え、受け入れる
ヨーロッパの高いハードルが、引き出しを増やしていく事ができるキッカケになった。試練が、新しい引出しを作ってくれる
様々な経験の中で、自分がまだ開けていない引き出しがあった事に気づく。
開けていない引き出しがまだ開くのか?錆び付いていないかを確認したくなる。
30代を生き抜くには、もっと引き出しを増やす必要がある。持てる引き出しに限界はない。引き出しの種類には限界がない
難しい状況に置かれた時、いかに自分の力を証明するかが問われている。逃げ腰になったり、プレッシャーに押し潰されたらお終いだ。
難しい状況にぶち当たり、失敗しても気にする事はない。壁が見つかっただけだ。壁(課題)を見つける事ができることができれば、失敗は糧になる。
壁から逃げなければ、得るものは大きい
この壁を越えれば、また、引き出しが増える
イヤだと感じるものでも、逃げないで飛び込んでいけば、何か得るものがある
何でもプラスに持っていこうと努力すれば、結構うまくいく
がむしゃらに壁に向かって努力すれば、当たって砕けたとしても、その後が何か違ってくる
やることがなく、時間ばかりがある時は、悪いことばかりを考えてしまい、ふさぎ込んでしまう。
考えすぎる事を通り過ぎると、「もういいや」と開き直る事ができる。そして、「楽しくサッカーをやろう」という気持ちになった。
「楽しくサッカーをやろう」という気持ちになったとき、新鮮なパワーが溢れた。
不遇な状態になっても、誰かを悪者にして終わらせるのではなく、未来の糧にする為に、自分が足りないものを考える
上司から評価が低い時は、カラ元気でもいいから、毎日、元気に明るく振る舞うようにする。フレッシュなオーラを出すようにする。上司の目につくように。走るだけにしても精一杯にやる
干されている時は、誰でも気持ちが落ち込む。そういうときこそ、踏ん張らなくちゃいけない。落ち込んで、腐ってしまっては、オーラも消えてしまい、存在感も薄れてしまい、ますます試合にでれなくなってしまう。
困難な状況に立ったとき、人間の真価が問われるが、困難に出会った後も大事だ。壁が見えるときは、まだいい。壁を乗り越えるだけでいい。問題は壁が見えない時だ。そういう時、必ずそこにある壁を必死に探す為に、察知しようとする。
理不尽で解決できない壁も現実には存在する。別の道を探すのも一つの手ではある。しかし、基本的に自分は、その壁に立ち向かう。その方が得るものが大きいから。
壁を越えるには、常に察知して考える事が大事だ。
「今日の練習で手を抜いたら明日から試合に出られないかもしれない」と危機感を感じるほどの激しい競争に身を置くことが、自分を育ててくれる。しかし、その刺激がなくなったとき、環境を変えるのは一つの手である。
ただ環境を変えるだけで現実逃避になり、うまくいかない。「未来の自分」「なりたい自分」を想定し、その為に必要な環境を選ぶ。
つまらに仕事をさせられた時、「こんな仕事やってられないよ」と思うより、横目で先輩や上司の仕事を見ながら、彼らの仕事のルールや流れを観察しながら、何をすべきなのか、何をしちゃいけないんだを考えるようにする。つまらないと思うような仕事をさせられたとしても、時間は有効活用できる。
新しい環境の中で結果を出すには、プロセスが必要。
自分がやりたいことをやれる状況を作るには、相手を知り良好な人間関係を維持しながらも、自分の事を理解して貰う工夫が大事になる。
次のステップ、次のステップと気持ちがはやまるあまり、今までやってきたことへの意識が薄くなってしまう事がある。そうなると、今まで築いてきたものが壊れる恐れが出てくる。「今までやってきたこと」と「今やれること」をしっかりとやった上で、それに肉付けをしていくというイメージで、新しい挑戦を行っていく事が大事。
いろんな上司(監督)の要求に応えることができる引き出しを作っておく
上司の戦略を理解した上で、自分の色を出していく
監督(上司)に認められるという事は、評価を受けるということ。評価を受けようとすれば、監督の言われたことだけを行っていても評価は得ることはできない。監督の言葉を越えることを行い、びっくりさせる必要がある。
ガムシャラにやるだけではダメ。「先を想定し、課題を見つけて、考える」
良い上司と感じた上司は「選手の気持ちがよく分かる」「あまり細かいことまで言わずに、選手を信頼してくれる」
他人を妬んでいるヒマなどない。そんなヒマがあるのなら、違う選手のタイプから、自分にないものを学ぶ。それが、新しい引出をつくることにつながる。
オフも漠然とすごさない。無駄な時間を過ごさないように、計画を立てて過ごす。オフをどう過ごしたかも記録にとる。後に残しておけば、参考になる。
予定を立てるのはサッカーも同じ。目標を掲げ、いかにそこに向かうのか?課題をどうクリアするのか?それを一つずつ積み上げていく。同じようなプロセスである。プラモデルを作るのと同じようなものだ。
どんな大きな失敗でも、長い目で見れば失敗ではない。瞬間的には失敗かもしれないが、次に活かすことができれば、それは失敗ではない。
失敗にならないように、次の未来に向けて、それを活かして必死に頑張れば、それは成功になる。
結果は出なく、陽も当たらなかったけど、セルティックにいる時よりも、イタリアにいたときの方が伸びる事ができた。
目標や夢は一つではない。現状を察知し、軌道修正をし何度も繰り返していけばいい。
結果が出たから成功ではない。夢が叶ったから成功ではない。どんな環境や立場で100%力を発揮できれば、成功に繋がる。厳しい現実の中で自分を知り、手を抜くことなく懸命に生きていくことが大事。甘えず、「これでいいだろう」と思わずに、「手を抜かすに全力を出しきった」と毎日過ごせることが、「成功」なのだ。
成功か失敗かは誰にも決められない。だから「成功しよう」と思い、100%の力を出し切って生きようと勤めている。
妥協しない姿勢とは、「今、死んでも悔いはない」と思えること。
「監督に怒られないようにプレーする」だけでは成長できない。基礎が出来上がったら、強引さが必要になる。
年をとっても生き残れる選手とは、生き抜く為の術を知っており、引き出しの数が多く、強い精神力、闘争心、統率力がある選手
考える力は、衰えない。経験を積んだ分、判断スピードや質は向上する。年をとればとるほど、考える力を使い、空気を読み、察知できる能力を磨いていく必要がある。
オシム監督は、「こうしなければならない」と断言するのではなく、「それも一つのやり方だけど、こんな方法もある」といろんなパターンやシチュェーションを提示しながら、「お前ならどうする」と選手に考えさせる。