モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

モチベーションって強要されて生まれるのか?

経営者や上級管理者はモチベーションという言葉が大好きだ。会社の問題の多くの原因は、「社員のモチベーション」「社員のやる気の問題」という言葉で片づけられる。

  • 売上が不足しているのは、営業のやる気が問題
  • 品質面でのミスが多発するのは、工場のモラルが低いから
  • 退職する社員が多い、職場が暗いのは管理者のモチベーション力が足りないからだ


グーグルで「モチベーション」という言葉で検索して欲しい。アドワーズ広告にたくさんの「モチベーション屋」さんがたくさん出てくる。これからも経営者やお金の主導権を握っている人達の関心の高さが分かる。
企業は人なり、だからそれらが大事なんだと多くの社長さんは語る。それをホントに突っ込んで考えていく必要がある。

「モチベーション・やる気・意欲」といった言葉を聞いて、社員のモチベーションはアップするのだろうか?私なんか、そんな言葉を聞いた瞬間に、「無理矢理に働かされそう!」という気持ちになってしまい、ゾッとしてしまいます。恐らく社長さんや、管理者の皆さんでも、自分の上司から「君はモチベーション不足だ。もっとやる気をもって意欲を高くやって欲しい。」「明日からモチベーション研修に行って来い」なんか言われた日にはブルーになると思います。20世紀であれば、これらの言葉でも解決できたかもしれません。働く側には会社を選ぶ選択の自由はなかったから・・

怒鳴る。鼓舞する。激励する。能力給を与える。今流行のコーチングする。ホントにこれで社員はやる気になるのでしょうか?これらの前提には、「人は他人から何かをされなければやる気にならない」という考え方があるのではないでしょうか?
「他律によりモチベーションは生まれる」という考え方。

よく、モチベーションが上手な人と言ってイメージに出てくるのは、野球のオリンピック監督になった星野監督。選手のケツを蹴り上げて、怒鳴って、時には人情に訴えてモチベーションしていく彼の姿がモチベーションするという言葉とピッタリくるのかもしれません。

  • 星野監督のようなモチベーション能力を持った人物がくれば、「社員が一瞬で変わる」というモチベーション幻想!
  • ペップトーク(よくアメリカスポーツ映画である、コーチがロッカーで選手を鼓舞するようなスピーチ)を行えば、「今までやる気がなかった社員が急に燃える社員に変わる」という幻想


もちろん、これらを全て否定するワケではありません。このようなモチベーションが必要なケースもあるでしょう。しかし、優秀な人であればあるほど、このような他律的なモチベーションを嫌うの傾向があるのではないでしょうか?そして今後は優秀な人間であればあるほど、会社を選ぶ選択権が社員の側に出てきます。そんな時に、「モチベーション・やる気・意欲」といった言葉を振りかざしていたのでは社員は逃げていくでしょう。実際に、モチベーションという言葉を頻繁に使う社長のいる会社は、しらけた社員が多かったりします。

ホントは、モチベーションという言葉に管理者や経営者はどんな意味を託しているのでしょうか?私はこう考えます。

誰から命令されるわけでもなく、社員一人一人が、イキイキと楽しく、懸命に、自分の頭で考えながら目標に向かって仕事をしている状況

これがモチベーションされている組織の理想の状況なのではないでしょうか?
「モチベーション」という言葉の代わりに、「楽しんで仕事ができる環境作り」という言葉に代えていった方が、モチベーションされた状況が作れるのではないでしょうか?
(甘いというご意見があるのも分かりますが、ここでいう楽しさは、「仕事を楽しむ」と「楽しい仕事をする」は違う! で述べた「仕事を楽しむ」という意味で使っています。)