モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

賃金、ボーナスを増額できない時代だからこそ、評価が大事になるのではないか?

賃金制度、給与制度、賞与制度。モチベーションを上げていく為には、この3つは欠かすことができない制度です。ここまで不景気になると、原資の問題もあり、給与、賞与制度はなかなか、モチベーションを高くする為の制度見直しは、難しいのが現状でしょう。そこで、大事になるのが「評価制度」の運用でしょう。





多くの組織で評価制度が導入されていると思うのですが、上手な運用がされている組織の方が稀ではないでしょうか?それは「評価」の目的が、評価者の方(管理者層)が理解できていないからだと思うのです。





先日、ある人はこんな話しをしていました。「人事評価は、とても面倒な話だ。こんなに忙しいのに。イチイチ評価表をつけて・・更に、面接までやんないといけない。だいたい、給料やボーナスを決めるのに、これだけ手間をかける必要があるんだろうか?」という話でした。





この人は、「人事評価とは、給料やボーナスを決めるための手続き」という認識。こんな意識で、評価をやったところで、社員のやる気など上がるワケがありません。



「誇り」7割、「報われる」3割=全警察官・職員に意識調査−福岡県警 | IBTimes
というにニュースがありました。
福岡県警が全警察官・職員を対象に実施したアンケートで、約7割が「誇りを持って仕事に取り組んでいる」と回答した一方、「地道に努力した職員が報われる職場」と思っているのは3割にとどまったことが分かった。

一般企業だけでなく、警察でも評価されていないと感じている職員が多いようです。更に、このニュースの怖い部分は、

中堅幹部の警部は6割以上が「部下の業務能力や業務量などを考慮した上で仕事を割り振っている」と認識。一方、部下に当たる警部補で「上司はバランス良く仕事を割り振っていると思う」とする回答が約3割で、上司と部下では見方が違う結果が出た

上司側は、「部下の能力をきちんと評価して、仕事を与えている」と感じているが、部下側は「自分のことを正しく評価して、仕事を与えて貰っていない」と感じているということです。上司側の「やっているつもり」という部分は、怖いですね。





恐らく、「評価が形式化」「評価が形骸化」している職場になっているのではないか?制度上、決まっているので、上司は決められた通り、部下を仕方なくでも評価しているのでしょう。だから上司は「やっている」という感覚を持っている。確かに、制度上決まったことは、やっている。しかし、形式的なところだけやっているのであり、本質的な部分はできていないという状況だと思うのです。





私は、評価制度の最大の目的(本質)は「給料や、ボーナスを決めるための制度」ではないと思っています。評価の最大の目的は、「部下の仕事を認めてあげるコト。」だと思っています。





ホントは、普段の仕事の中で、部下を細かく評価し、認めてあげるのが一番いいのでしょうが、そうもいかない場合があるので、制度化をして、最低シーズンに1度は、上司が部下を認めてあげる為に、評価制度があるのだと思うのです。





部下の日頃のガンバリを認めてあげる。上司として、自分は、あなたにいつも関心を持って見ているというコトを知らせる。もう一歩、頑張って欲しいところを伝える。部下の側の、ここを認めて欲しいという気持ちを聞く。そんな『部下の「やる気」を育てる場』が、「評価」という場だと思うのです。





それが、いつの間にか「業績主義」等の言葉により、歪められ、本来の「評価」がされない状況に、多くの企業がなっている。その典型が「福岡県警」の事例のような気がします。





いくら完璧な評価表を作り、それに基づき評価し、面接をしていっても、「単に給料・ボーナスを決めるための段取り」という目的意識で、評価を行っていては、効果的な評価制度にはならない。『部下の「やる気」を育てる!』でも述べているモチベーション理論で言えば、

制度を使い、

  1. 部下を認めて、承認してあげる
  2. 有能感を刺激する
  3. 上司部下の信頼関係を構築する

という3つのコトを実現する為のモチベーションアッの為のツールが、評価であるということ。評価面接でこの3つを実行した後、部下が、「よし!また、頑張ってやっていこう!」と感じさせるコトが、評価の最大の目的だと思うのです。





給料やボーナスを上げることができないのであれば、尚更、この目的意識を持って、リーダーが評価制度を利用して頂くコトが大事になってくるのではないでしょうか?賃金アップの原資が厳しい時代だからこそ、このような組織においては、リーダーへの「評価者としての教育」を再度、行っていくことが急務になっているのではないでしょうか?

マジマネ5 部下の「やる気」を育てる!

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