モチベーションは楽しさ創造から

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幸福になれるかを左右する「比較力」

久しぶり、ブログの更新です。


毎日ブログを更新している際は、なんともなく記事が書けていたのですが、久しぶり書くとなるとなかなか原稿が進まないもんですね。


今日のテーマは「楽しさ」とも連動するであろう「幸福感」について。


皆さんは「幸福か?」と聞かれたら、どう答えられるでしょう。
10億円の豪邸に住んで、フェラーリ等の外車を乗り回していても、「不幸だ」と感じる人もいるでしょう。逆に、狭い部屋に家族4人で済んでいる人でも「幸福だ」と感じる人もいる。
そう考えると、「今どんな環境に置かれているか?何を手に入れているか」という事実よりも、「置かれている環境を、どう感じるか?どう捉えるか?」という、事実に対する心の持ち方が大切なのでしょう。


これを裏付けるように、今日のMSN産経ニュース『幸福感、最も高いのは「90代女性」 阪大が「老年学」研究会、よりよい年の取り方解明へ』という記事がありました。

『研究会の健康長寿研究によると、過去1カ月間に「気分がいい」「とても幸せだ」など肯定的感情を感じたかという質問に5段階で答えてもらったところ、70代が7・4点▽80代8・2点▽90代8・8点−と90代が最も幸福感を示す値が高かった。性別で見ると女性の方がいずれの年代でも、0・2〜1点男性を上回っていた。
 一方、「悲しい」「くよくよする」など否定的感情を感じた割合は年齢が進むにつれ低下し、70代3・2点▽80代2・7点▽90代2・3点。男性の方がいらつきなどを覚えやすい傾向が出たという。

 これらの結果について、阪大臨床死生学・老年行動学研究分野の中川威助教は「男性はどの年代でも社会的規範に敏感で、目標を高く置きがち。身体的機能が衰えたときに悲観しやすいのかもしれない」と指摘。また今回の研究で、90代では、つらいことでも人生の一部と受け止め、「ありがたい」「おかげさま」といった感じ方が強まるとする結果も出ている。』

今現在の「幸せ」に目を向けることができるか?が大切なのでしょうが、実際にやろうとすればかなり難しかったりします。

それは、どうしても私達は無意識に、ヘタな「比較」を始めてしまうからではないでしょうか?


同僚、近所の人、昔の親友、兄弟、過去の成功。
私達は無意識のうち、今の自分の状態、持っているもの等とそれらを比較してしまいます。
うまくいっているもの、うまくいったこと等と比較した瞬間、自分の置かれている状態を「あいつと比べて、私はなんて不幸なんだ」と感じてしまいます。


これは行動経済学で言うところの、認知バイアスを生み出すアンカリングに似ています。
メニューが2つあるとします。

  • 1つが「1500円のスペシャルラーメンと500円のラーメン」が書いてあるメニュー。
  • 2つめは「350円の格安ラーメンと500円のラーメン」が書いてあるメニュー。

2つのメニューにある同じ500円ラーメンに対して、私達の感覚は違って捉えます。
1つめの500円ラーメンは、1500円のラーメンが比較対象のアンカになっているので、「このラーメンは安いな」と感じる。
2つめの500円ラーメンは、350円の格安ラーメンがアンカになっているので「高いな」と感じる。
同じ500円のラーメンでも、何がアンカになっているかで、高く感じたり、安く感じたりするのです。


私達は、比較することによって、正確な事実を認知することができなくなり、ホントの「事実」が歪曲されて見えてしまう傾向があります。


もちろん、比較は悪いことばかりではありません。
他人と比較することで、「もっと頑張らないといけない!」という進歩に向けたエネルギーが沸いてくるという部分もあります。
一方、幸福度という観点がらみると、比較することが「同じ事実を、不幸に感じさせる」原因であるようにも思えます。


そう考えると、幸せになる為のカギの一つは
上手に「比較」を自身で操れるか?
という事になるのではないでしょうか?

  • 普段の生活の中では、無駄な比較、無用な比較はせず、現状の幸福な事実に感謝する。(上を見すぎて、平凡な幸せを忘れることのないように)
  • ただ、自分の目指すものについては比較を行うことで、「もっと頑張ろう」という気持ちを沸き起こさせる。
  • また、辛い境遇の時は、もっと辛い境遇の人の事を思い出し、「今の現状でも、有り難いモノだ。まだ、やれる!」と自分を元気づける。


私達が無意識に行う「比較する」という習慣を、自分で意識的にコントロールしていく。
そんな、比較を上手に使い分ける「比較力」が、幸福に生きるには大切になるのでしょう。



私の大好きなMUSEのこのビデオクリップなどは、比較力と幸せの関係を再認識させてくれます。


新しい新刊がでます。
紹介はまた後日。

人の心を動かすリーダーの超チューニング力

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