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「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」のダイジェスト版

今日は新著「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」のダイジェスト版を掲載します。

人の心を動かすリーダーの超チューニング力

人の心を動かすリーダーの超チューニング力


はじめに


あなたは、日々関わっている全ての人とうまくいっていますか?
苦手な人はいませんか?
思うように動いてくれない人、気持ちが通じない人はいませんか?
「問題社員」「かなり個性的社員」「アウトロー社員」となっている部下はいませんか?


新著「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」は、そんな人達への指導に苦慮しているマネジメント職の方を対象に、行動心理学に基づいた観点で部下のタイプ別に指導の考え方・接し方・導き方をアドバイスする一冊です。
このPDFは、そののダイジェスト版になっています。


マネジメント職向けに書いてはいますが、子育てや夫婦関係で悩まれている方にも役立つ内容になっていると思います。





1.「誠意を尽くせば分かって貰える」が通じないのはナゼ?


懸命に努力しても、誠意を持ってコミニケーションをとろうとしても、思うように相手が動いてくれないのはナゼでしょうか?
答えはシンプルです。


それはあなたと、相手のプロトコル(言葉・ルール等)が違っているからです。


英語しか話せないアメリカ人に対して、日本語で懸命に語りかけている姿を想像してもらえば分かりやすいと思います。
アメリカ人に日本語を話しても通じないのは分かるが「同じ日本人に日本語を話して、通じないなんてないだろう」と思われるかもしれません。
しかし性格が異なると、同じ言葉でも、あなたが考えている意味と、相手が捉えている意味が全く異なっている場合が多いのです。


例えば、「目標」という言葉を私達はビジネス用語でよく使います。全ての人が「目標」という言葉に対する捉え方は同じかと言えば違います。
例えば、「大言壮語とも思えるような大きな事にチャレンジする事に快感を感じる」という性格の上司の山田部長と、「地味なことでも、やると決めたことを一つずつ完璧に着実に実現していきたい!」という部下の前川さんの2人のケースで考えてみましょう。
山田部長は、目標という言葉を「目標とはチャレンジングなものでなければいけない。誰も越えたことがないような高いレベルのものでなければ目標とはいえない。」と捉えるでしょう。一方、前川さんは「目標を掲げたからには完璧に達成する責任がある。できもしないような目標をいい加減に立ててはいけない。」と捉えているでしょう。
同じ目標という言葉でも、相手の性格によって意味の捉え方が全く違うのです。


相手の性格を知り、どんなプロトコル使っているのか?をしっかりと知った上でなければ、同じ日本人でも日本語が通じなかったりする。これがトラブルを生み出す原因にもなってくるのです。


先の2人のケースのように、性格が異なる相手は使用しているプロトコルも違います。
しかしそのプロトコルの違いを、私達はつい無視してコミュニケートしようとしてしまう。結果、相手の真意をあなたは誤解し、相手はあなたの真意を誤解して受け取り、互いに期待とは異なる行動をとるという悪循環に陥ることになります。






2. 田中角栄に学ぶ、チューニング力の凄さ


世の中には、これらの悩みと無縁の「人の心を動かす達人」という方が存在します。彼らはこのプロトコルの違いを上手に乗り越えることができています。


例えば、田中角栄元総理などの話はその代表などではないでしょうか?大平元総理などは「田中とは一対一で会わずに複数で会うこと。一対一で会えば、必ず言うことを聞かされてしまう」と言うほど、人の心を動かす力が高かったようです。


気むずかしい政治家や官僚には、彼らのプロトコルに合わせて、難しい経済政策等をコンピュータ付きブルドーザーと言われるほどの能力を駆使し、数字を使って論理的に語り合う。そして自分を批判する敵まで関心させ、仲間にしていく。


一方、選挙区の田舎のおばぁちゃんに接する際は、彼女たちのプロトコルに合わせて、田んぼの泥水の中に革靴のまま入っていっていき、難しい話など一切せず、隣のおっちゃんのように気さくにおばぁちゃん達と冗談を言い合いながら、彼女たちの愚痴に耳を傾ける。相手の個性に合わせて様々に対応法を全く変えながら、異なるタイプの様々な人達を味方につけ、総理大臣にまでに登りつめたのです。


彼は自分のプロトコルに執着することなく、相手のプロトコルをしっかりと見抜き、相手のプロトコルに合わせて接し方を変えることで、様々な人の心を動かしてきたのです。
本書では、これを「チューニング力」と呼んでいます。
「自分のスタイルに固執せず、相手の個性に合わせて、対応法を少しずつ変えていく。」
という事です。


私達もこのチューニング力を全く持っていないかといえば、そうではありません。
あなたも、多くの相手にはこのチューニング力を発揮できているハズです。
ただ、苦手な相手、思うように動いてくれない相手、トラブルを抱えている相手、嫌いな相手を動かすだけのチューニング力までには高まっていないだけなのです


ではどうすれば、このチューニング力を更に高めることができるのでしょうか?




3. 天才の真似ってできるのか?凡人でも超チューニング力は身につくのか?


人は通常、「動物的なカン」により
・人のタイプをパターン分けし
・パターンに応じての対応法を整理し
・相手のパターンを見抜き、それに応じた対応法を変える
というチューニングの一連の行動を無意識に行っています。田中角栄元総理などは、超一流の動物的なカンによりこれが精緻に行われている。


動物的なカンを高めるというのは、現実、難しいものです。
では、それほど「動物的なカン」が優れていない私達がもっと「チューニング力」を高めるにはどうすればいいのでしょうか?
一般人である我々は、苦手な人、思うようにならない人に対しての悩みから開放されないまま生きていくしかないのでしょうか?


数十年前はそうだったのかもしれません。
しかし、今は違います。
動物的なカンのチカラ不足を補う方法として、心理学の成果を活用すれば、普通の人でも大幅にチューニング力をアップさせる事が分かってきました。
実際既に、臨床心理カウンセリングの現場ではこの活用は盛んに行われているのです。


具体的には、「人格適応論」という理論を活用するのです。






4.人格適応論の6適応タイプ。あなたのタイプは?


人格適応論は、人の性格を見極め、性格に合わせて信頼関係を構築する為の方法が体系化された心理学です。
人格適応論では、人の行動を6つの適応タイプに分類しています。それぞれの適応タイプは、生まれた時から持っており、更に乳幼児期に両親によって育まれ、さらに現在までの人生経験によって培われたものです。
このダイジェスト版では、6つの適応タイプについて代表的な特徴を紹介します。


➀哲学者型
(代表的性格特徴)
自分の心に引きこもり、空想や想像することが多い。一人きりを好み、他者に優しく思いやりがありますが、自分の欲求は後回しにしてしまいます。
〈代表的ポジティブな側面〉
黙々と働く、物静か、控え目
〈代表的ネガティブな特徴〉
コミュニケーション回避、黙る、あきらめる
(形成過程)
哲学者型は、養育者(親)が子どものことに心を砕く余裕が無かったために、親が当てにならなかったという養育環境で発達します


➁革命家型
(代表的性格特徴)
自分に利益になると思うと懸命に頑張ってくれる。チャレンジ精神が旺盛。
〈代表的ポジティブな側面〉
行動力がある、活動的、リーダーシップが強い
〈代表的ネガティブな特徴〉
優位に立とうとする、バカにする、目先だけを見た言動
(形成過程)
革命家型は、子どもが何かを望む前に、親が先回りして、子どもが望むと親が想像したものを与えるという養育環境で発達します。


➂任侠型
(代表的性格特徴)
自分の考えに固執し保守的で、自己管理を好み、敏感で明瞭な考えを持っています。
〈代表的ポジティブな側面〉
明晰な考え、緻密さ、注意深い
〈代表的ネガティブな特徴〉
誇張する、用心し過ぎ行動しない、疑い深い
(形成過程) 
任侠型は、同じようにふるまったとしても、ある時は受容的、ある時は拒否的であったという一貫性のない養育環境で発達します。


➃官僚型
(代表的性格特徴)
あらゆる出来事に責任を持とうとします。相手から認められるために完全にやろうと努力します。
〈代表的ポジティブな側面〉
責任感、良心的、明晰な考え
〈代表的ネガティブな特徴〉
こだわる、言い訳がましい、他者に批判的
(形成過程) 
官僚型は、子どもの存在そのものよりも、何かを出来たことを認められ、物事の達成を強調される養育環境で発達します。


➄発明家型
(代表的性格特徴)
好きか嫌いかのどちらかで反応します。
〈代表的ポジティブな側面〉
楽しいことなら懸命に行う、楽しい・笑う、人付き合いが上手
〈代表的ネガティブな特徴〉
やるべきことをやらない、不満を言う、人のせいにする
(形成過程) 
発明家型は、「ああしろ、こうしろ」と支配的・指示的に子どもをコントロールしようとする養育環境で発達します。


コンシェルジュ
(代表的性格特徴)
周囲の人の気持ちに敏感で、人を喜ばせようとします。
〈ポジティブな側面〉
優しい、思いやりがある、親密な関わりを持つ
〈代表的ネガティブな特徴〉
感情的になる(泣く、責める)、不過剰な気遣いをする
(形成過程)
コンシェルジュ型は、子どもにかわいらしさや優しさを求める養育環境で発達します。


適応タイプは、一つだけでなく、複数該当する人もいるかもしれません。
あなたは、どの適応タイプに該当するでしょうか?
あなたの苦手な人はどの適応タイプに該当するでしょうか?
適応タイプが分かると、どうチューニングすると部下の心を動かし、より深い信頼関係を築き、彼を活かすことができるかが見えてきます。


本書の方では、あなたや、苦手な人がどんなタイプかをもっと実践的に分析できるように、更に詳細なタイプ別の性格特徴や、タイプ別の能力特徴も紹介しています。





5.部下の心を動かす為に必要な3つのチューニング力


適応タイプが分かったら、次に必要なことは、適応タイプに合わせてチューニングするという事です。
チューニングは対象者と目的により、チューニングすべき事は異なります。例えば
+皆さんのパートナー(彼氏、彼女、旦那様、奥様)とより良い関係を目指す
→パートナーの適応タイプを見抜き、それに合わせコミニケーション法、日々の接し方をチューニングする。
+営業マンが顧客にチューニングし売上アップを目指す
→ 顧客の適応タイプを見抜き、それに合わせて営業トーク、アプローチ法、お勧めする商品をチューニングする。
+部下が上司や同僚にチューニングをし、より生産的な関係を目指す
等です。

「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」は、部下の心を動かしもっと高い生産性を実現する事を目指すことがテーマなので、部下の適応タイプに合わせてリーダーが行うべき3つのチューニング法に絞って紹介しています。


1. 部下の性格を活かすマネジメント法をチューニングする (マネジメントチューニング)
2. 部下の性格に合わせてやる気を引き出す方法をチューニングする (モチベーションチューニング)
3. 部下の性格に合わせて仕事の割り当てをチューニングする (仕事と能力チューニング)
このダイジェスト版では、そのうちの一つマネジメントチューニングをご紹介しましょう。


一つめの「部下の性格を活かすマネジメント法をチューニングする」とは、部下の適正タイプに合わせてマネジメント業務のやり方を調整していくことです。
どの会社にも共通する、リーダーがやるべきマネジメント業務を5つに分けると以下のようになります。
1. 部下と目標を共有する (目標を与える・目標を部下と作る)
2. 部下と計画を共有する (計画を与える、計画を部下と作る)
3. 部下の仕事のチェック・レビューを行う
4. 部下の教育を行う
5. 部下に日常業務の指示・命令を行う


この5つの業務は、どの部下に対してもワンパターンで行ってはうまくいきません。部下の性格に合わせてやり方を、少しずつチューニングしていくべき業務ということです。
例えば本屋さんに行けば、5の「指示命令」について書かれた本が沢山並んでいます。そこには沢山の原理原則が書かれていると思います。
しかしその多くは、全ての人に共通して使う事のできる原理原則ではないのです。



6.人を動かす成功の秘訣〜カンタン!あなたの成功法、常識を捨てること。

例えば、「コンシェルジュ型の部下」と「革命家型の部下」への指示命令の与え方を考えてみましょう。


周囲の人の気持ちに敏感で、人を喜ばせようとする「コンシェルジュ型の部下」は優しく、思いやりがあり、上司とも親密な関わりを持ちたいという欲求が強いタイプ。このタイプに指示命令する際は、
上司から受け入れられているかを非常に気にするので・・・
*単刀直入に「○○してくれ!」とトップダウン的な指示命令よりも、「○○をやってもらおうと考えているのだが、○○をやることについて君はどう思う?」と気持ちを聞きながら指示する方が効果的。メールなどで指示命令を行う際も、後で「あのメールの意味は分かった。うまくできると思う?」などとフォローを入れることが大切になる。


一方、チャレンジ精神が旺盛で、自分に利益になると思うと懸命に頑張ってくれる「革命家型の部下」は、行動力があり、活動的で、リーダーシップが強いタイプ。
このタイプに指示する際は、
簡潔明瞭、制限を抑えた指示命令を求める。だから・・・
*「○○しなさい」「○○をしてくれ!」と明瞭に「やるべきこと」と「目的」だけを単刀直入にを指示命令することが効果的。
コンシェルジュ型の部下と違い「君はどう思う?」などと意見を聞く必要はない。本題とは逸れた気遣いは「余計で無駄なこと」ととられ逆効果になる。


このように適応タイプ別に、効果的な「指示・命令法」は全く逆と言える程違ってきます。
2つの適応タイプが上司部下の関係だったらと想像してみて下さい。上司が「革命家型の理想の指示・命令」をしても、コンシェルジュ型の部下から理解されない事は容易に想像できるでしょう。


あなたにもきっと「理想の指示・命令」があるはずです。しかしあなたの「理想の指示・命令」をしたからといって、部下の心に響くわけではないということです。
部下が求める「理想の指示・命令」をしてやらなければ部下の心は動きません。

相手の心を動かそうとすれば、他の4つのマネジメント業務についても「自分の常識」「自分が好むやり方」を一部捨て、相手の適応タイプに応じてチューニングしていく必要があるのです。


あなたは、苦手な相手の適応タイプに効果的なマネジメント法をご存じでしょうか?
これが分からないから、うまくチューニングができないのではないでしょうか?
ある意味これさえ分かれば、どんな人のマネジメントもできるハズなのです。


本書の方では、あなたがマネジメントチューニングするために必要な、6つの適応タイプ別に「どんなマネジメント法」を行えばいいか?を詳細に紹介しています。


更に、あなたがもっと効果的にモチベーションチューニング、仕事と能力チューニングを行えるように
* 6つの適応タイプ別に、どんなモチベーション法が効果的か?
* 6つの適応タイプ別に、性格的にどんな(仕事の)能力的な特色があるか?
も詳細に紹介しています。


本書を学ぶことで、相手を6つの適応タイプで分析できるようになり、苦手な部下でさえ、タイプに応じてどうチューニングをしていけばいいかが分かります。是非、あなたのチューニング力アップの為に、本書をご一読頂くことをお勧めします。



終わりに

ここまでのダイジェスト版を読まれ、もっと「チューニング力」について詳しく知りたいと思われたら、是非お近くの書店にて
「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」(C&R研究所 刊)
のご購入を検討ください。(アマゾンでのご注文はコチラになります。)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4863541252/favre21hatena-22/

最後まで、読んで頂きありがとうございました。


又、リーダーに対するだけでなく、セールスマン向けにも「チューニング力」アップに関するセミナー、研修等を弊社では行っております。ご興味のある方は、以下のページでお問い合わせ下さい。
http://www.venturmanagement.com/toiawase.html



(参考資料)

「人の心を動かすリーダーの超チューニング力」(C&R研究所 刊)<目次>

●第1章 人の心を動かすチューニング力を磨く

●第2章 チューニング力不足が生み出す問題社員

●第3章 チューニング力の基となる「人格適応論」

●第4章 マネジメントチューニング力を磨く

●第5章 モチベーションチューニング力を磨く

●第6章 仕事と能力チューニング力を磨く

●第7章 もっと深くチューニング力を応用しよう