モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

長谷部選手の「心を整える」に学ぶ。 中間管理職のあり方「チームの

昨日は、日韓戦。
気持ちよかったですね。


強豪韓国に対して、あれだけ圧倒的に勝ったのをみたのは
30年近くサッカーをみてきたけど初めて。
興奮しました。


長谷部選手がキャプテンになってから、
最近の日本代表、急に強くなったような気がします。


彼の「心を整える」という本。
皆さん、お読みになりましたか?

最初、心を整えることは、セルフモチベーションがテーマかと思って
読んでみたのですが、実際には違った感想を持ちました。


彼が心を落ち着かせ、整えるために行っている
・自分を見つめる時間を作る
・尊敬できる仲間と語る
・身近にいる人の姿をじっとみる
・常に最悪の状況を覚悟しておく
(最悪の状況を想定して、何が自分ができるか?を考えておく。
悲観主義ではなく、なにが起きても受け止めるという覚悟、
決心を固めるという作業をしておく。
最悪の状況を覚悟することこそ、勇気という考え方)
等のセルフモチベーションのアイデアも面白かったのですが、
それ以上に参考になったのが、

日本代表のキャプテンとしてどのようにチームを整えているか?

という事でした。
彼の中間管理職、リーダーとしての役割認識についての
彼の考え方でした。




長谷部選手のスタイルは、スポーツチームや中小企業によくありがちな、
ワンマン型、
俺についてこい!型のキャプテン(中間管理職)ではありません。


個性的な監督、一芸に秀でたメンバー(部下達)の創造性を発揮させ
チームが最高のパフォーマンスを生み出すために
中間管理職は「組織の潤滑油になることが仕事だ!」というスタイル。



彼のキャプテン(中間管理職)という役割のコンセプトは
「組織全体を常に見て、不足する部分を補うのがの仕事」であり
「組織の心(ムード)を整えるのがが仕事」
という考え方です。


自分が目立つプレーをして引っ張るというのではなく、
組織に足りないモノがあると感じれば、
自分の特性を生かすような事でなくても(自分を殺してでも)、
それを行うのがリーダーという考え方ですね。

自分が目立つより、
組織の成功を第1と考えるのが中間管理職だという考え方です。


このコンセプト実現をする為に彼が大切にしているのが3つのことです。
・チームの情報のハブになる
・フラット (リーダーだからといって、上から目線をとらない)
・常に直属の上司(サッカーで言えば監督)の思考を先読みする
という事ですね。


一つめのチームの情報のハブになるとは、トップの考え方をメンバー達に分かりやすく伝え、メンバー達の状況や思いもしっかりとつかみ、それをトップに伝えるということ。


その際に、大切になるのが2つめの「フラット」という立ち位置です。
下のメンバー達に決して偉そうに上から目線でモノを言わないという姿勢。

チームの情報のハブになろうとすれば、
正しい情報が自分に入ってきて、
情報を正しく伝える必要がある。
しかし、偉そうに上から目線だと伝わるものも伝わらないし、
情報も入ってこなくなるというのです。
孔子の「直にして礼なければ即ち絞す」という言葉を引用しながら、
自分の意見が正論だと思ったとき程、
正論を振りかざさすとうまくいかない。
「フラット」という立ち位置で話す事が大切になるというのです。


確かに、私達もつい上から目線でモノを言いたくなるのですが、
そのようなスタンスの言動をしてしまうと、
自分の言いたいことを聞いてくれない状態に陥ってしまいます。
だから、リーダーはその立場に傲慢にならず、
常に上からではなくフラットな目線、
フラットな立場を大切にする必要があると言うのです。


3つめが、常にトップ(サッカーで言えば監督)の思考を先読みするという事。
上司の言っている事でも、明らかに間違っている時はきっちりと進言するとしても、
それ以前に、
「上司の言葉にしていない気持ちを読み込む。行間を読む」ことが
大切だと言うのです。

人間言葉にできる事や、自分の考え方を表現することには限界があるので、
その言葉の行間、その背景となる思いをしっかりと掴む必要があり、
その上で進言もすべきだという事ですね。


このようなリーダーが中間管理職で支えてくれたら
どんなにトップはラクだろうと思います。

ワールドカップからの日本の強さの大きな秘訣の一つが
彼の存在のような気がします。