モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

楽しく働ける職場作りの第一歩としてブレーンストーミング文化を創る

私達はよく会議を行います。
目的によって、会議のやり方は異なります。
その中でも
・売上目標を達成という問題
・コストをダウンするという問題
・社内を活性化するという問題
等々の「問題解決」を目的にした会議が、最も多いのではないでしょうか?


問題解決を会議で図っていこうとする時に、
やるべき事はいくつかのプロセスに分かれます。

1. 問題の原因を掴み、問題を構造化するプロセス(解決すべき問題の鮮明化)
2. アイデア創出プロセス
3. アイデアを整理し、絞り込むプロセス
4. アイデア実現に向けて具体化・プランニングするプロセス

これらのプロセスを、議論していく事で、私達は問題解決を図っていくのです。



10年前は、上手な問題解決は
1の「解決すべき問題(原因)の鮮明化」のプロセス次第だと言われていました。
「データを集め、論理的に分析し、問題の原因を正確に掴めば、
90%は問題解決したのも同然だ!」などと言われていたのです。

しかし、現在は違います。今は、これはできて当たり前。



よく、「我が社の会議を見てくれ、何が悪いのか?」と
相談される社長様が多いのですが、
会議がうまくいっていない会社で一番多いのが、
「一部の人間(トップ等)からしか意見が出ない」という事です。


競争激化の現代は、真の問題が分かるだけでなく、
「真の問題に対して、ユニークなアイデアが詰まった解決策を立案する事」
がなければ、問題は解決する事はできません。


今、大切になってくるのが、
2のプロセス「アイデア創出する」がしっかりと会議で行われるかという事。
素晴らしいアイデアは、そうカンタンに生まれるものではありません。

・バカバカしいモノ
・くだらないモノ
・夢みたいなモノ
等々のゴミのようなアイデアの中に真珠のようなアイデアは埋まっているモノです。
またゴミのようなアイデア同士が結びつき
真珠のようなアイデアが生まれてくるモノなのです。



2のプロセス(「アイデア創出する」)に会議の時に用いられるのが、
ブレーンストーミングという手法です。



ブレーンストーミングを今更、ご説明をする必要はないかもしれませんが、
ブレインストーミングとは、
「集団で自由にアイデアを出し合うことによって
相互交錯の連鎖反応や発想の誘発を期待する技法です。」




ブレインストーミングを行う際は、
次の4原則(ルール)を守ることとされています。

1. 否定をしない(否定厳禁)
自由なアイデア抽出を制限するような、アイデアの否定はしない。否定は、アイデアの絞り込みフェーズにゆずる。ただし可能性を広く抽出するための質問や意見ならば、その場で自由にぶつけ合う。

2. 粗野な考えを歓迎する(自由奔放)
誰もが思いつきそうなアイデアよりも、奇抜な考え方やユニークで斬新なアイデアを重視する。新規性のある発明はたいてい最初は笑いものにされる事が多く、そういった提案こそを重視する。

3. 量を重視する(質より量)
様々な角度から、多くのアイデアを出す。一般的な考え方・アイデアはもちろん、一般的でなく新規性のある考え方・アイデアまであらゆる提案を歓迎する。たくさんの量のアイデアが、質へと変わっていく

4. アイディアを結合し発展させる(結合改善)
別々のアイデアをくっつけたり一部を変化させたりすることで、新たなアイデアを生み出していく。他人の意見に便乗することを求める。




これらの原則は多くの方はご存じだと思います。
しかし、御社ではこれはうまく実行されていると言えるでしょうか?


案外、このブレーンストーミングが定着している企業は多くありません。
名前だけのブレーンストーミングを行っているだけ。
ブレーンストーミング会議と言っても、実際にアイデアを言うのは社長だけ。
一人ブレスト状況が多いのです。
他の参加者はアイデアを持っていたとしても、全く発言しない。
(社長は、うちの社員は発言をしないと!文句を言うが、
社員の立場から言うと発言しにくい雰囲気を社長が作っていたりする)


このような組織では、ありきたりのアイデアに基づく解決策しか出てこず、
結果もしれている状況しか生まれない。
このように表面的なブレスト導入で終わっている企業が意外に多いのです。


そんな中、私のクライアントの1社は、
実にブレーンストーミングを上手に使われていますので、少しご紹介します。

この企業では、何か問題があると、部門リーダーが
「今からブレーンストーミング会議を20分しますから、ちょっと集まって!」と会議を招集。
昼休みなども使ったりして、
ワイワイがやがやブレーンストーミング会議をやっています。


参加しているメンバーは、リラックスした表情で、遊び感覚。
笑い声が会議中に起こっています。
他人が見たら、ふざけすぎじゃないか?と思うほど。
(しかし、実際には真剣なんです。)
会議の真ん中には、お菓子なんかがあり、
みんなが食べながら自由に発言していきます。
馬鹿げた意見含め、ドンドンアイデアがでてきます。


リーダーが戦闘になって、メンバーから出てくるアイデア
「それ面白いね!加えて○○するともっと面白くなるかも」
なんて悪のりしてる感じです。
リーダーがそのようにアイデアを肯定してくれるから、
参加メンバーも気楽に意見が言える雰囲気なんです。

20分の間に、50近くのアイデアが出るのですが、
ほとんどは使えないアイデアというのは事実。
しかし、その中にいくつか面白いアイデアがあるので、
それを実行フェーズに移していくというやり方をとっています。


こんな企業では、社員は
・面白そうな意見など言ったら怒られる
・アイデアを言ったら、どう実現するつもりかと突っ込まれそうで嫌だ。
・アイデアを言ったら、バカにされそう
・無責任な事を言うなと言われそう
・お前が責任を持ってやれよ!と言われそう
等とは誰も思っていません。
みんなが前向きに、自分なりのアイデアをドンドン言っていくのです。
(アイデアを出すのと、それを選択し、実行プラン化するのは別の作業とみんな分かっているのです。)



実は、ブレーンストーミングは単なる会議手法ではありません。
文化形成の手法なのです。

・ 自由にドンドン、アイデアをぶつけ合うができる文化。
・ 役職等に関係なく、アイデアを出した人間が偉い!という文化。
・ 新人であろうが、全社員を優れている人間と認め、アイデアを求める文化。
・ ユニークさや、ユーモアでさえ受け入れる文化

このような文化は、「社員のモチベーション」を大きく左右します。
もちろん、戦略も大きく左右していきます。


ブレーンストーミングを会議の中に徹底させる事で、
このような文化形成にも繋がるのです。
問題解決にも、社員のモチベーションUPにも有効な
ブレーンストーミング手法。
自社に本気になって取り込んでみませんか?



(弊社では、このようなブレーンストーミング会議を定着させる為の
研修も行っています。ご興味のある方は、一度、ご相談ください。)