モチベーションは楽しさ創造から

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「どうして」を徹底して考える文化

コントロール、管理を少なくする事が生産性を高める を書いた後、、「どうして」を徹底して考える文化について考えてみました。





セムラー社のような、コントロールをしない会社を作ろうとすると、「どうして」を徹底して考える文化を創らなければ、バランスは取れないでしょう。社員間で相互に「どうして」「なぜ」を言い合うことが、上司が「どうして」「なぜ」という必要性をなくすのでしょうから。





では、社員同士が「どうして」「なぜ」を言い合える文化は、どのようにして構築されるのか?それが、疑問として残り、それについて考えてみました。





一般的には、「どうしてそんな事したの?」とか「なぜ、そんな事をやるつもりなの?」なとと言うことは聞きにくいものです。「あいつは俺を疑っているのか?」とか「上から目線でイチイチチェックしやがって。ウザイヤツ」と相手が感じるんじゃないかと思い、「なぜ」「どうして」を同僚に連発するのを躊躇します。カンタンなようで、社員同士が「どうして」「なぜ」を言い合える文化作りは難しいと思うのです。





よく見かけるのが、詰問的に「どうして、なぜ」を連発する組織は見かけます。上司やリーダーが「どうして、なぜ」を連発していく会社です。コンサルティング会社などが代表なのかもしれません。コンサル会社では、「どうして、なぜ」と言うのがビジネスなので、社内においても「どうして、なぜ」が連発されています。





しかし、セムラー社の社員同士が「どうして」「なぜ」を言い合える文化は、コンサルティング会社系のケースとは、ちょっと違うような気もするのです。





「何か問題がないかを発見しよう」とスタートする「どうして」「なぜ」の文化がコンサルティング会社系。

「相手の活動への純粋な興味」からスタートする「どうして」「なぜ」の文化がセムラー社。(これは、想像でしかないのですが。)







「何か問題がないか発見しよう」という視点から、「どうして」「なぜ」を連発すると、質問する側もあら探しを始めます。質問される側も、途中で「いい加減にしてくれよ」と正直困ってしまいます。相手からの質問が、詰問のように感じてしまいます。何とか自分の主張を守ろうと必死になって、言い訳モードに入ってしまいます。「どうして、なぜ」でのコントロールです。





セムラー社の場合、コントロールしないという基本哲学がありますから「問題を発見する為になぜ、どうして」を連発するのを推奨しているのではないと思うのです。「相手の活動への純粋な興味」という視点から、「どうして、なぜ」を連発している状況は、子供が親に、「パパはどうして野球が好きなの?」という状態に似ているのではないでしょうか?問題を発見するための「どうして、なぜ」ではなく、相手の行動への関心が質問をしているという状態ですね。聞かれる側も、あら探しをしようという意図のもとでの質問ではないから、気軽に答える事ができると思うのです。







私達はチームだ。自分の仕事さえ、うまくいけばOKというものではない。他人の活動に興味を持とう。他人の活動を知ろう。他人の活動を知れば、何か協力できる事が見つける事ができる。それがチームワークだ。





その為には、他人の仕事について「どうしてそれをやっているのか、なぜそれをやろうとしているのか」をしっかり聞いていこう。他人の活動に対して、「なぜ、どうして」を聞かないという事は、「彼らの活動に自分は全く興味がない。無関心だ」という事を言っているのと同じで、相手に失礼だ。





逆に、質問される側も、相手が質問してくるのは、「自分の活動への興味」から質問してくるんだから、それへ誠実に答えていこう。それにより、相手からの協力が得られることができる。そんなスタンスで、「どうして、なぜ」を広げていったのではないでしょうか?







このように、セムラー社は「どうして、なぜ」を発する立ち位置を、「問題探し」ではなく「興味」という所に置いているのではないでしょうか?そうする事で、従業員が「どうして、なぜ」を言いやすく、受け入れやすい環境を作っていったのではないでしょうか?





同じ行動も、立ち位置次第で、違ってきます。