モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

やる気スイッチの入っていない新人に真面目に教えてもぬかに釘。アプローチを変えよう!

このブログを読まれている方には、4月1日から入社してくる新人の教育担当をしている人もいると思います。逆に、新人の方も読まれているかもしれません。


私はよく新人教育などを見学する場面が多いのですが、そこで思うのが「退屈そうな顔をしている新人が多いんだけど、ホントに教育のやり方ってそれでいいの?」という疑問です。
教えていることは、企業理念とか、マナーであるとか、仕事の進め方など、社会人として必要なことであり、言っていることも間違っていない。
だけど、根本の教育についての考え方が違っているのではないか?という疑問です。
それは、教育とは「知っておくべきこと、役にたつこと、常識、正解をできるだけ短時間に、たくさん教えていく」的な考え方です。


先日、経済産業省に行ってきた際の会話。
ミーティングの目的は、「中小企業のIT化」ということがテーマでした。経済産業省は、中小企業に対して、IT化促進ということで、様々な施策を打たれているのです。よく組織の生産性をITを活用して向上させるとか、経営改革をIT化でなんていうセミナーなんかやっていますよね。セミナーで教えている内容は、とても素晴らしいコンテンツだと思うし、実際に業績に直結するような話もとても多いのですが、結果といえば、中小企業のIT化は進んでいないのが現状です。


中小企業においては、ITの専門家などはいませんから、社長がIT化の中心になるのですが、中小企業の社長さんの贔屓目に見ても8割以上はITが苦手と言われる人が多いのです。(経験値ですが)2割のITが好きな社長さんの企業のIT化は進んでおり、「中小企業IT経営力大賞」などを受賞されるレベルの企業になっていく。


逆に、8割以上の社長は、ITのセミナーやイベントなどやっても、無料でもやってこないのが現状なんです。興味が無い人に、いくら「IT経営が大事なんですよ」なんて言ったところで、「やらなければいけない」と思うのが関の山。ほとんどの人は、研修にもでてこないし、研修に出てきても、ウトウト退屈そうにしているだけが現実なんではないでしょうか?「IT化へのやる気スイッチ」が入っていない社長への教育は難しかったりします。


そこで経済産業省のお役人さんに、
「中小企業のIT化の壁を破るには、会社が良くなるという組織面でのアプローチには限界があるのではないでしょうか?そうではなく、社長個人にスポットを当てることが大事なのでは?8割の人に、ITを面白い!ITを触ることが楽しいもんだ!と感じて貰うこと。自分にとっても便利なツールだと気づいてもらうことではないでしょうか?社長が好きにならないと、社員にも使って貰おう!組織をIT化していこうという気になるならないのではないでしょうか?まず、社長にITを使う楽しさを気づいてもらうことですよ!」
と言い、IPHONEクラウドサービスなどを活用した、社長さんそのものの仕事の生産性を上げ、楽しさを理解してもらえるような社長ハックを提案しました。


残念ながら、反応はイマイチ。
言われたのが、「IPHONEや便利なクラウドサービスの使い方」なんて教えたところで、「おもちゃ感覚」で終わってしまうんじゃないですか?」ということ。


これは役所に限らず、一般企業でもよくある反応です。「誰かを引き上げよう。教育していこう」とすると、「難しい話を教えなければいけない」「知っておくべきこと、、常識、正解をできるだけ短時間に、たくさん教えていく」と感じてしまうという考え方。
確かに、このような考え方は、「その事への興味を持っている人」(やる気スイッチの入っている人)に対しては有効なアプローチかもしれません。しかし、「それが苦手だと感じている人」「あまり興味を持っていないような人」「仕方なく勉強しにきているような人」は、このようなアプローチでは、人は育ってこないと思います。


人は「面白いな」、「楽しいな」という興味が沸いた瞬間に「やる気スイッチ」「モチベーションスイッチ」が入ると思うのです。いかに「楽しいな、面白いなという気づきを与えて、やる気スイッチを押すまで」が、大人の教育だと思うのです。


やる気スイッチが入った人は、勝手に勉強します。自分で勉強する環境は、私たちの周りにもう既にたくさんあります。インターネット、本、PODCAST,セミナー、周囲の先輩達、等々。
ホントに必要な教育は、やる気スイッチを入れるために、「そのことの楽しさ、面白さ」に気づいて貰う教育だと思うのです。


楽しさ、面白さに気づいてもらうために、「おもちゃ感覚」や「ゲーム感覚」「バラエティ感覚」を学習の中に取り入れて、手を変え品を変え、「楽しさ」に気づいて貰うためのアプローチをしていく。これが、大人(社会人)向けの教育だと思っています。
「おもちゃ感覚」がワクワク感を生み出し、好奇心を刺激し、「自らもっと知りたい!」「もっと勉強したい!」という気持ちにさせていく。そのことが更に「もっと上手い方法はないのか?」という創意工夫を生み出していくことになる。


今、企業教育についてのパラダイムシフトが求められているような気がします。