モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

2010年。金銭的報酬を払えないのなら、ワクワク報酬だけでも大盤振る舞いしてみよう。

昨年の末、「凹まない生き方」の著者の心理カウンセラーの倉成央氏と久しぶりに打合せをする機会がありました。彼の所には、鬱になりかけのビジネスマンや鬱病の患者さんが多数訪れるようで、2009年度はその数も一層多くなったそうです。それも、私達の身の回りには、大量の鬱予備軍がいるとのこと。(先日、同窓会があったのですが、鬱病で3ヶ月の入院が必要とされた診断された友人も、自分では気づかない間に病になっていたそうです。)
労働環境が一層厳しくなる一方、会社側が「社員の心」にまで配慮する余裕がなくなったのが原因なのでしょう。
私も、彼も一致した問題意識が、「2010年。ますます、この状況は酷くなるのではないか?」ということ。


前年対比100%を実現するだけでも、昨年はタイヘンな年でした。今年も、その状況は好転することは、たいして期待できないかもしれません。今年も、去年以上に、部下に厳しい要求を突きつける必要が出てくるかもしれない。にも関わらず、今年3月の昇給、夏と冬のボーナスの増額をアップできる企業もそう多くないと思うのです。
理由は、「昇給、ボーナスのアップ原資がない」から。(非常に大きな矛盾の中に、リーダーは身を置いていると思うのです。)


去年1年は「この不況は100年に1度だから、一致団結してガンバロウ!」と共通の意識で取り組めたと思います。「社会的にも大きなショック」だったが故に、「自社の厳しい状況」を環境のせいにすることができた。そして、それにみんなが納得してくれた。
しかし、2010年度も不況だからといって、何年も賞与・賃金アップはやめて、やるのはリストラばかりという状況を続けていけばどうでしょうか?


これからは、気持ちはどんどん萎えてきます。部下の家族からも、「あなたは頑張っているのに、なんで、給料が増えないの?ボーナスは増えないの?」と言われる。板挟みで苦しい状態になると、部下の方も「今まで以上に頑張っているのに、なんで給料がアップしないんだ。」「ボーナスが出ないんだ」「もうリストラ、リストラなんて事に怯えるのはたまらない!」「不況期とは言え、給料・賞与アップしている会社はたくさんあるじゃないか?なんで我が社は違うのか?」なんて不満が噴出してくる。
人間、我慢はそんなに長く続きません。
2010年。リーダーにとっては、「こんな不満とどう向き合っていくのか?」という年になるのではないでしょうか?


リーダーの部下を掌握するための武器は「人事権」。その中でも最大の武器は「評価」とそれに伴う「昇給・昇進、ボーナス金額(金銭的報酬)の決定」ということ。2010年、この武器を自由に使えるリーダーは少ないと思うのです。(「ヤメさせる」という人事権はあるかもしれませんが)そうなると、それ以外の武器を使って、リーダーは一人一人のモチベーションを高めて、組織を活性化させていく必要がある。


では、金銭的報酬以外で、部下を掌握しようとすればどのような方法があるのか?
「ワクワク仕事チームを生み出す上司力」は、この事についてまとめた本です。
金銭的報酬を支払うことが難しい時代。それだったら、金銭以外の報酬(この本ではそれをワクワク報酬と読んでいます)をしっかり払っていくことで、部下のやる気を引き出していく事にチャレンジしていきませんか?という趣旨の本です。

ワクワク仕事チームを生み出す上司力

ワクワク仕事チームを生み出す上司力

昨年の年末にダライ・ラマのインタビューがTVであっていました。その中で「経済混乱は、お金以外の価値観に気づかせてくれるチャンス」という言葉がありました。
まさに、企業のリーダーがこの言葉を考えなければいけないと思うのです。


「金銭的報酬を払えない時代だからこそ、金銭的報酬以外の価値観を真剣に考えるチャンス」だと。
金銭的報酬以外の報酬(仕事をすると心がワクワクするように感じる報酬)に、しっかり向き合っていき、それをどう与えていくのか?という事をしっかんり考えるキッカケにしていく時代ではないかと思うのです。それができるのであれば、不況=鬱の人が増えるという公式を壊すことができ、逆に仕事で鬱になる人を減らすことができるいい機会になるかもしれないと思うのです。


人は金の為に、当然働きます。しかし、金だけの為か?というと、そうではありません。それはボランティア活動をしている人などを見ていれば分かると思うのです。彼らは、無給でたいへんな仕事をやっていたりするのですから。もちろん、給料を払わずに、ボランティアさせろなどという話ではありません。金銭的報酬を増やせない時代だからこそ、彼らの活動をヒントに、私達が率いている営利組織の仕事も、「部下一人一人が働くことで感じる心のワクワク感」を感じて貰うために、工夫していける事があるのではないか?ということです。


私はこの本で、「金銭的報酬が増やせない時代だからこそ、5つのワクワク報酬を大盤振る舞いしていく」ことを提案をしています。

  1. 高い志を実現していると感じられる誇りの持てるような仕事がしたい(志報酬)坂本龍馬など幕末の志士達は、金のために頑張っていたわけではありません。命を賭けてイキイキと仕事をしていたのは、志の為です。価値ある志に出会うと、それが一つの報酬として機能していくことが、彼ら幕末志士を見ると分かります。
  1. 面白く夢中になれる仕事がしたい。好きな仕事がしたい。(仕事そのもの報酬)→なぜ、ゲームは楽しいのか?それは、楽しくなる工夫、ルールが盛り込まれているから。キツい仕事でさえ、そんな要素をドンドン取り入れていくことができれば、楽しい活動になるのです。
  1. 職場で、ワイワイガヤガヤしたコミニケーションを楽しみたい(コミニケーション報酬)→お金持ちの主婦がパートに出る大きな理由は、「職場でのコミニケーションの楽しみ」だそうです。仕事をするだけでなく、その中での良好な関係性。これがあると、私達は楽しく仕事ができていきます。
  1. 夢中になれるような目標を追いかけたい(目標報酬)→サッカーが楽しいのは、ゴールがあるから。ゴルフが楽しいのは、カップがあるからです。ゴール設定次第で、メンバーはその活動は夢中になれたり、苦痛や退屈感を感じるものになったりします。
  1. 自己が何かを成し遂げていると実感したい!(自己実現報酬)→「何かを成し遂げた」「自分は成長している」という実感があれば、その活動に没頭していく事ができてきます。いかに、そのような自己実現を感じて貰えるように仕事を工夫していくかが、リーダーの一つの工夫のしどころになってきます。


ダライ・ラマが言われた、「金銭的報酬以外の価値観」を、私達リーダーは、もっともっと真剣に与えていくこと。これが2010年のリーダーのテーマではないかと思うのです。
いつ脱出できるか分からない程の深刻な不況期だからこそ、これらのワクワク報酬を金銭的報酬に代わり、大盤振る舞いをしていく。「働くワクワク感」を提供していく。そして組織を元気にしていく!「メンバーみんなが夢中で働いてくれる状態を作ること」で、収益性を大きく改善していく。結果、金銭的報酬アップの原資を獲得していくことで、給与、賞与の大幅アップを実現させていく。


そんな一助になればという思い出。この「ワクワク仕事チームを生み出す仕事術」は、そんな思いで書き上げました。
今年一年、チームをどう運営していこうか?と悩まれているリーダーには、是非、参考になる本だと思います!


このワクワク報酬という概念。
みんなで拡げ、深めていければと考えています。
「ワクワク報酬」に関するアイデア、感想、意見、事例等がありましたら、是非、tWitterでもハッシュタグ#wakutで意見交換ができればと思います。
ちなみに、私のtwitter
http://twitter.com/favre21
です。