楽しく働ける職場は、リーダーの意識から
先日、ある友人から、『小林。「フィッシュ」って話しっている?そのビデオを研修で見たんだけど、その研修がつまんなくってさ〜』という話を聞きました。
「知っているよ。シアトルの魚屋さんの話だろ。面白くなかったかな。とっても参考になる話だと思うんだけどな〜」と私。
「フィッシュ」とは、早川書房からも出ている、シアトルの魚屋さんがとても楽しく仕事をしている姿を描いた本のこと。それをビデオにまとめたものもあるようです。
- 作者: スティーヴン・C・ランディン,ジョン・クリステンセン,ハリー・ポール,相原真理子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2000/12/19
- メディア: 単行本
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研修会では、その様子を移したビデオを使って、1時間ほどの社員研修をしたそうです。
そこには、
- 「態度を選ぶ」 (仕事をツライものにするのも、楽しいものにするのも自分の態度次第。つらい仕事も、自分で決めればやりがいも出る)
- 「遊ぶ」 (遊びの要素を取り入れて、仕事をしていこう)
- 「人を喜ばせる」 (顧客、同僚を喜ばせるようにしていこう)
- 「注意を向ける」 (お客様に向き合ういまそこにある仕事に誠心誠意、集中しよう )
とのポイントが書かれてあり、ビデオを見た後、ディスカッションの時間があったそうです。
「どんなディスカッションだったの?」と私は興味があったので、聞きました。
「そのビデオを通して、うちの職場を活性化するヒントはないか?っていうテーマで話をしたんだ。」
友人の会社は、保険屋さん。
出てくる意見は、
・小売業だったら参考になるかもしれないけど、うちでは・・
・魚をあんなに投げるんだったら、魚が傷むだろう。あんな仕事ぶりでいいのか?
・アメリカだからあんなことができる。日本には合わない。
・どう自分たちに活かせばよいか分からない。
・自分たちの仕事は事務だ。どう活かすことができるのか?
などと、的はずれな意見ばかりが出て、時間が終了。
みんな研修室を出るときは、「この1時間があれば、もっと仕事がさばけたのに」と不満たらららだったそうです。
私がこの話を聞いて思ったのは、研修する側の問題です。研修する側が、この話のホントのポイントが分からないまま、ただビデオを見せて、ただディスカッションをしてくれと言ったのではないかということです。
それを聞くと、友人も確かにそうだというのです。
研修担当の人が、「うちは、保険を売る商売なんで、全部が当てはまるわけではないと思うんですが・・」なんて所から、議論はスタート。
こんな話からスタートするから、「フィッシュの神髄」の話に行かないと思うのです。「このビデオは、私達の仕事より、一般的にはやり甲斐を見つけるのが難しいと感じる魚屋さんが舞台です。魚屋さんでも、メチャ楽しい職場にすることはできるのですから、労働環境のいい私達の職場なら、もっと楽しい職場をつくれるのではないかと思います。。もっと職場を楽しく、働きがいのあるものにする為に、どうやればいいか?それをこのビデオから、何かヒントが掴めないかを議論したいと思います。」と研修担当側が伝えたら、キット違う見方がされたのではないか?と思います。
教える側(リーダー側)が「仕事を楽しくする」ことに、情熱を抱く!「仕事を楽しくする」ことが、職場活性化、モチベーションアップのポイントだという使命感を持って頂く。「せっかくの人生の貴重な時間を会社に費やして貰っているのだから、みんなに、もっと仕事を楽しんでほしい。」という情熱。
これなしに、どんな教育をしても始まらないのでしょうね。人任せに、ディスカッションをしてもらうだけでは、答えはでてこない。せっかく、素晴らしいフィッシュの話も、モッタイナイことになってしまいます。