感動させるスピーチができるようになる為の3つの勉強法。
これからのシーズン。何かとスピーチをする機会が増えるのではないでしょうか?
新年度の方針発表、新人に向けてのスピーチなど。
そこで得に大事なことがスピーチライティング。スピーチの脚本です。話し方やアクションがヘタでも、よい準備(スピーチライティング)ができていれば、ある程度それはカバーできるからです。そこで、参考になるのが偉大なモチベーターのスピーチではないでしょうか?
是非、スピーチが苦手な人にやって欲しいのが、偉大なモチベーター達のスピーチの分析です。
ジョブズ、オバマ等、あなたの好きな偉大なモチベーター達が、どのような構成で話しているかを分析してみて、それを教科書にして、スピーチライティングを行うのです。
具体的には、
- 名人のスピーチを読んで(書き出す)
- そのスピーチを抽象化してルール化する
- そのルールに自分のテーマを当てはめて原稿を作成してみる
という3つのステップが必要になります。
1に関しては、ネットで調べると、偉大なモチベーター達のスピーチ原稿はたくさんあります。
スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での卒業式スピーチ (himazu archive 2.0)
MindManager & Hacks ファン: コンテンツテンプレートシリーズ(1) オバマ大統領就任演説
等々です。
自分が話さないと行けないテーマに基づき、参考になるスピーチを選びましょう。例えば、方針を発表する際などは、私は、オバマ大統領のスピーチを参考にしています。
具体的なやり方を説明していきましょう。
まずは、MindManager & Hacks ファン: コンテンツテンプレートシリーズ(1) オバマ大統領就任演説のように、スピーチをセンテンスでまとめてみましょう。
次に、そのセンテンスは「何を言っているのか?」を抽象化してみるのです。
例えば、朝日新聞の翻訳asahi.com(朝日新聞社):オバマ大統領就任演説全文〈1〉 ...を引用させて頂くと
市民のみなさん。きょう私は、私たちの前にある職務に謙虚な心を持ち、あなた方から与えられた信頼に感謝し、先人が払ってきた犠牲に心を留めながら、ここに立っている。ブッシュ大統領の我が国に対する貢献と、政権移行期に見せた寛大さと協力に感謝したい。
は、「感謝の言葉」。
これで(私を含め)44人の米国人が大統領の宣誓をしたことになる。宣誓は、繁栄の高まりや平和な時にも行われてきた。だが、多くは、雲が集まり、 嵐が吹き荒れる中で行われた。
そのような時を米国が耐え抜いてきたのは、指導者の技量や洞察力だけによってではなく、「我ら合衆国の人民」が先人の理想に 誠実で、(独立宣言など)建国の文書に忠実だったからだ。 これまではそうだった。そして、この世代の米国人もそうあらねばならない。
は、「過去の困難を乗り越えた体験と、成功体験」の想起。
私たちが危機のさなかにあるということは、いまやよくわかっている。我が国は暴力と憎悪の大規模なネットワークに対する戦争状態にある。経済はひど く疲弊している。それは一部の者の強欲と無責任の結果だが、私たちが全体として、困難な選択を行って新しい時代に備えることができなかった結果でもある。
家が失われ、雇用は減らされ、企業はつぶれた。医療費は高すぎ、学校は、あまりに多くの人の期待を裏切っている。(石油などを大量消費する)私たちのエネルギーの使用方法が敵を強大にし地球を脅かしていることが、日に日に明らかになっている。 これらは、データと統計で示される、危機の指標だ。測定はより困難だが同様に深刻なのは、米全土に広がる自信の喪失だ。
それは、米国の衰退が不可避で、次の世代は目標を下げなければいけないという、つきまとう恐怖だ。
は、「我々が置かれている危機について」。
これらの難問は現実のものだ。深刻で数も多い。短期間で簡単には対処できない。しかし、アメリカよ、それは解決できる。
今日、私たちは恐怖より希望を、対立と不和より目的を共有することを選び、ここに集まった。今日、私たちは、長らく我が国の政治の首を絞めてきた、狭量な不満や口約束、非難や古びた教義を終わらせると宣言する。
米国はなお若い国だ。しかし、聖書の言葉を借りれば、子供じみたことはやめる時が来た。
不朽の魂を再確認し、よりよい歴史を選び、世代から世代へ受け継が れてきた貴い贈り物と気高い理念を前進させる時が来たのだ。
それは、すべての人は平等かつ自由で幸福を最大限に追求する機会に値するという、神から与えられた約束だ。
は、「危機克服への決意と過去への決別(自己批判)宣言」。
米国の偉大さを再確認する上で、私たちはその偉大さは所与のものではないと理解している。
それは、自ら獲得しなければならないものだ。私たちの旅に 近道はなく、途中で妥協することは決してなかった。仕事より娯楽を好み、富と名声の快楽だけを求めるような、小心者たちの道ではなかった。
むしろ、(米国の旅を担ってきたのは)リスクを恐れぬ者、実行する者、生産する者たちだ。有名になった者もいたが、多くは、日々の労働の中で目立たない存在だった。
彼らが、長く険しい道を、繁栄と自由に向かって私たちを運んでくれたのだ。
私たちのために、彼らはわずかな財産を荷物にまとめ、新しい生活を求めて海を越えた。
私たちのために、彼らは汗を流して懸命に働き、西部を開拓した。むち打ちに耐え、硬い土を耕した。
私たちのために、彼らは(独立戦争の)コンコードや(南北戦争の)ゲティズバーグ、(第2次世界大戦の)ノルマンディーや(ベトナム戦争の)ケサンで戦い、命を落とした。
彼らは、私たちがより良い生活を送れるように、何度も何度も奮闘し、犠牲を払い、手がひび割れるまで働いた。
彼らは、米国を個人の野心の集まりより大きなもの、出自の違いや貧富の差、党派の違いよりも偉大なものだとみていたのだ。
は、 「過去の危機に対しての偉大な先達の行為」を振り返りる事で、誇りと自信の喚起
みたいな形で、抽象化、ルール化していくといいと思います。上手なスピーチだなぁと思っているだけでは勉強にはなりません。この抽象化作業をやることが、とても大事になってくるのではないでしょうか?(自分で抽象化したルールは、トクに自分には使えるルールになっていきます)
ちなみに私は、オバマ大統領のスピーチから
- 感謝の言葉
- 「過去の困難を乗り越えた体験と、成功体験」の想起
- 我々が置かれている危機
- 「危機克服への決意と過去への決別(自己批判)宣言」
- 「危機に対しての偉大な先達の行為」の振り返りにより自信喚起
- 今ある危機へ、私達が持っているモノ できること (志)
- 危機を越えようとする際の障害。そして、それを乗り越える決意
- 試練に向けて協力してもらいたいこと。変えて貰いたい行動。その行為の偉大さ
- 過去の歴史の振り返り、自分達ならできる!という自信喚起
- 誇りの刺激! (未来の自分、身近な人から、○○のように評価される状態になろう!)
という形で、モチベートする際の「方針発表際の10のスピーチライティング・ルール」として定型化して使っています。
この抽象化された項目をベースに、自分が伝えたい事を考え、スピーチライトするようにしています。
皆さんも、理想のスピーチができるように、お手本のスピーチを分析してみませんか?できれば、皆さんが作ったスピーチライティングルールも教えてください。