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投げ出し総理大臣達から学ぶ、リーダーの条件

福田総理が辞任表明された時、正直、またかという印象を持たれた人が多かったのではないでしょうか?安倍総理の時が思い出される、デジャブー感。


企業の中において、1年でトップ交代が続けて起こるなど考えられません。社長交代でなくとも、課長が毎年替わる会社というのも、あまり見受けられません。一般の仕事でも1年という期間では、「ようやく仕事の本質が分かってきて、これから自分の色を出していこう!」という状態でしょう。最初の1年で、大きな仕事ができる人は数少ないものです。ましてや、日本国という大きな組織を運営しているリーダーなのですから、なおのことだと思います。





今、マスコミのニュースを見ると、次は麻生さんだ、小池さんだ、石原さんだという名前が踊っています。しかし、この「次は、誰?」という思考法が、このようにすぐに辞めるようなリーダーを生み出したのではないでしょうか?



きちんと、「次はどんな資質を持ったリーダーが必要か?」という事から議論していき、それだったら「誰になるのか?」という事を考えていくという思考ステップを踏む必要があるのではないかと思うのです。(「次は、誰?」という思考からスタートするのは、採用や人事で失敗する企業にもよく見受けられます。



せっかく、2代も続けて、1年で辞めちゃうような総理大臣を生み出したという大失敗を私達は犯したのです。(自民党はということかもしれませんが・・)

払ったコストに見合う、教訓を得てから、次の総理大臣を決めていく必要があるのではないでしょうか?そして、「2度と、1年で総理大臣を放り出すというような人材を、総理大臣にさせない!」という覚悟を持つ必要があると思います。





日本人は、失敗の総括を行いません。安倍さんの辞職、福田さんの辞職、これは明らかに失敗であり、それについて自民党もマスコミもその失敗について全く総括ができていないと思うのです。総括することなく、次の人選を行う。だから、同じような失敗を繰り返す。





もっとも効果的な勉強法は、失敗学だと思うのです。失敗を学ぶことで、こんな悲惨な事態を、もう2度と繰り返さない国造りをしていくべきだと思うのです。





ちなみに、私は福田総理、安倍総理から学んだ、「リーダーに必要な最低条件」は、以下の つです。

  1. ビジョン・やりたいことがある
    安倍さんは、やりたい事が見えましたが、福田さんは何がやりたいのかさっぱり見えないまま終わってしまいました。どんな職場でも「ビジョン」は必要です。去年の総裁選で、自民党の人達は「福田さんがビジョンがある」と思ったんでしょうか?

    ナゼ、彼がビジョンを持っていると感じたのか、去年福田さんに投票した人に聞いてみたいモノですね。なぜ、彼がビジョンのあるリーダーに見えたのか?これが分かると、ビジョンのないリーダーを選ぶという失敗は、繰り返さなくてよくなると思うのですが・・


  2. 人を見極める目
    安倍さんの時は酷かったですが、福田さんの時も、最後、太田大臣がでてきました。
    組織を率いるリーダーがまず、やる事は人事という事です。


    しっかり、人を見極め、適材適所に人を配置していく力。これは、企業でも国でも同じでしょう。感情に左右され、あるいは損得に左右されて、人を配置していくようでは仕方ありません。仲良しだからで、人材配置をすれば、オリンピックの野球であれ、政治であれ、うまくいかないものです。


    今、組織が直面している課題を分析し、その課題解決に最も相応しい人を冷静に見極め、配置していく。その力がない人がリーダーになると、次から次に人事面の問題が出てくる状況になってしまいます。


  3. 言語明瞭、意味明瞭
    昔、竹下総理が言語明瞭、意味不明と言われていました。昔の総理大臣なら、それで良かったかも知れませんが、2008年という時代、それではやっていけないと思うのです。

    社会においては「説明責任」が義務になっています。ビジネスの世界もそう。医療現場もそう。政治もそうだと思うのです。

    福田総理のように、ムダに言葉が多いリーダーでは困ります。首相VS記者団:太田農相問題「領収書をまだ見ていないんです」8月29日午後6時58分ごろ〜 - 毎日jp(毎日新聞) にある、記者との一問一答。これを読むと、実にヒドイ。

    1分で済む話を、10分くらい、誤魔化すために話しているような感じです。従来の官僚、政治家は、つまらない事や抽象的なことを延々話して、聞く気をなくさせ、「任せますからお願いします」と相手に言わせるのが技術だったかもしれませんが、今はそれはテクニックにならない時代になったと思います。

  4. プレッシャーを楽しむ力
    総理大臣たるもの、私達とは比べモノにならない程のプレッシャーや非難の中、日々、生活をしていかないといけない。タイヘンな仕事です。タイヘンだからと言って、逆切れしたり、胃に穴を開けているようでは、仕事にならないと思うのです。


    プレッシャーや非難を正面から受け止めるのでなく、そんなプレッシャーを楽しむ力、ユーモアで跳ね返す力が必要になると思うのです。そんなたくましさが必要だと思います。


  5. 健康
    安倍さんを見て思いますが、健康は第1ですね。


  6. 粘り強さ
    総理大臣とは言え、思うようにうまくいかない事がたくさんあると思います。特に、今のようにねじれ国会の時代。相手が断ったからと言って、すぐに諦めるようでは、話は前に進まないのではないでしょうか?


    必要とあらば、断られても、断られても、何度も粘り強く、誠意を持って説得を繰り返す。自分のプライドを捨てても、粘り強く相手を説き伏せていくという態度が必要ではないでしょうか?そんな姿を見れば、国民も支持してくれるのではないでしょうか?


  7. 人の痛みを、自分の痛みとして感じることができる
    政治は、「人の痛み」が集まってくる場所だと思うのです。薬害の問題にしても、原油高騰の問題にしても、痛い思いをしている人達の問題解決をしてやるのが仕事になってくるのだと思います。


    そのような痛みを持った人達の意見を聞く際、「人ごと」のように聞くとマズイ。人ごとのように聞いているから、決断も人ごとのような決断をしてしまう。話も、人ごとのように話してしまい、相手をカチンとさせてしまう。リーダーは「情」が分からなければいけないのではないでしょうか?冷静沈着だけでは、人はついてこないのでしょう。


  8. 使命に対する責任感
    当たり前の話なのですが、投げ出し総理大臣達からは、これが残念ながら国民からは、見ることができなかった気がします。

私が2人を見て感じたのはこんなことです。これがないと、総理大臣は務まりそうにないと思いました。これプラス、各人の個性、政策ということだと思うのです。今、名前が挙がっている人達は、どうなのでしょうか?自民党でも、民主党でも、しっかりとした人材要件をベースにした、党首を選んで欲しいものです。





投げ出した総理大臣が悪いということバカリを指摘する事では、生産的ではありません。彼らの失敗から、どんな条件が総理には必要なのかという、冷静な議論をまず、国民みんなで行っていくことが大事なのではないでしょうか?そして、その条件をクリアしているのは誰かという事から、人選をしていくという事が、今、大事になっているのではないでしょうか?





皆さんも、「リーダーに必要な最低条件」について他に感じることがあると思います。是非、教えてください。