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教育の最高のタイミング!失敗を活かす

教育の最高のタイミング!失敗を活かす

私達には、「論理的に説明をすれば、人は分かってくれる。」「理屈を話していけば、人は変わってくれる」という思い込みがあります。





しかし、世の中、「みなさんの論理」が通じる人ばかりではありません。あなたが論理的に説明をしても、分かってくれない人(部下)の方が多いのではないでしょうか?特に、「慣れ親しんだ行動・思考パターン」の変革を迫る時などは、なかなか論理的に説明しても分かってはくれません。あなたが論理的に説明した際に、すぐに「分かったフリ」をしてくれる人は多いと思うのですが、実際に行動変革までしてくれる程の「分かった」という人はそう出てこなのが現実ではないでしょうか?



私達が「論理的に説明をすれば、人は分かってくれる。」と信じているのは、「人はいつも論理的」という前提で、モノを考えているからです。





しかしながら、この前提は正しいようで、間違っているのです。「人はいつも論理的」という事は正しいのですが、「本人の作った論理の枠組みに論理的」ということ。





「慣れ親しんだ行動」に関しては、特に、「その人なりの論理・常識」が出来上がっています。「過去のやり方に縛られて、変えたくない」という本能が、「その人なりの論理・常識」を強固にしていき、あなたの「論理」を受け入れようとしないケースが多いのです。あなたから見ると「屁理屈」としか思えないような理屈を、本人は信じ込んでいたりするのです。だから、「人に分からせる」という事は厄介になるのです。



先日、こんなケースに出くわしました。

ある会社さんに、「いつも、やならいといけない事」に何か漏れがある社員がいました。お客様にちょっとしたものを忘れて訪問したり、お客様との小さな約束を忘れてしまう営業マンです。小さな事でも、「仕事を忘れる」という事になると、大きなトラブルに繋がっていきます。



社長は、その営業マンに「タスクマネジメント」の重要性を教育して、「彼もタスクマネジメントの大事さ分かってくれた」と感じたそうでした。そこで、社長はPCと携帯で入力可能な「タスクマネジメント」の仕組みを作った。



仕組みを運用し始めると、その営業マンは90%のタスクは入力してくれるのですが、10%程度の小さなタスクを入力しない。そして、また、10%の小さなタスクに関して「忘れ」が発生するという状況。当然、社長が「10%」もきちんと入れろと叱るのですが、営業マンは、言い訳ばかりして、同じ事を繰り返すそうなのです。彼なりの屁理屈が存在し、その屁理屈の方が正しいと思い込んでいるのです。





そんな「自分なりの屁理屈に縛られている人」が案外多いモノです。そのような人に「分からせる」という事は、「彼なりの論理体系」を、自分で書き換えさせるという事です。残念ながら、頑固な人や年をとってくればくるほど、他人が書き換える事は難しくなってきます。





そのような人に「分からせる」には、論理よりも、「タイミング」と「自分の頭で考えて貰うこと」だと思います。分からせるには、「失敗のタイミング」を上手に使うという事です。





人は失敗をしたときが、「一番、聞く耳がある状況」です。このタイミングが最高の教育のタイミング。しかし、ここで間違っては行けないのが、「自分なりの理屈」で固めた人に、論理を説明しようとしないこと。あなたがその時に、いくら理屈を説いても「聞いたふり」「分かったふり」で終わってしまうのです。単なる説教と感じてしまうだけで終わってしまうのです。





肝心なのは、屁理屈とも思える「自分の論理体系」を書き換えて貰うこと。この書き換え作業は、本人しかできないものであり、他人が書き換える事はできないのです。(特に頑固な人であればあるほど)そして、この書き換え作業が「分かった」という事になるのです。



では、失敗というタイミングをどう「分からせる」事に利用していけばいいのでしょうか?具体的には、次の5ステップになってきます。



  1. 失敗から、「自分の論理体系」の矛盾に気づかせる
    その失敗が、自分の論理体系(屁理屈)が生んだものだという事を、自分で気づかせるという事。
    先の営業マンの例で言えば、「小さな忘れ」をした際に、社長が「なんで、小さな忘れをしてしまうと思うのか?」を質問して、徹底して相手に考えさせる事で、「今までの自分の論理体系(本音)」を本人の言葉で語って貰いましょう。どんな「思い込み」が、「そのような結果」を招いているのかを気づくまで、考えて貰うのです。


    説教するよりも、しっかり考えてもらう事が重要。先の例で言えば、「小さな仕事までタスクマネジメントするのは時間の無駄!だから小さな事はタスク管理していないという理屈が、失敗を生み出している」という事が本人の口から出てくるまで、じっくり考えて貰う。あなたが行うのは、考える手助けをする為に質問するだけ。


    答えは、本人が導き出してくれるまで、我慢が必要です。教育は、教えるばかりではありません。


  2. その論理体系に、依存していけば、今後また失敗を繰り返す事を考えて貰う
    先の例で言えば、「小さな仕事までタスクマネジメントするのは時間の無駄!だから小さな事はタスク管理していない」という理屈は、このままでいいのか?をしっかり考えて貰いましょう。そのままの理屈を続けていくと、また同じような失敗が繰り返されるのではないかという危機感を自ら感じてもらいましょう。


  3. 二度と失敗を繰り返す為に、論理体系をどう変えるかを決断させる
    既存の本人の理屈をどう変えるかという決意を引き出すという事です。「失敗をしない為に、今後どう考えを変えていく必要があるの?」と質問をしてきましょう。ここでも、あなたが答えを出さずに、相手からの答えを待ちましょう。先の例で言えば、「忘れをなくすには、小さな事までしっかりタスク管理をしていかなければいけない」と、自分の口から出てくるまで待つこと。本人の決意表明なしには、「分かる」事は完結しません。


  4. 決断実行、習慣化の為に、あなたがサポートできる事を提案する

    なかなか、今までの行動を変える事は難しいものです。上司や先輩であるあなたが、行動変革をする為のサポートを提案してあげましょう。「それじゃ、そう行動を変えていく為に、自分がサポートできる事として○○ができると思うけど、協力しようか?」と提案してあげましょう。


「分かる」には、自分の論理(理屈)を本人が書き換えて貰う事が必要となります。失敗したというタイミングは、それが最も「その気になるタイミング」。しっかり「考えさせて、書き換えさせるという教育」を行っていきましょう。

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