モチベーションは楽しさ創造から

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上手に叱るには、「叱り方よりも、もっと大事な事」がある

最近、よく相談があるのが「上手な叱り方」について。

先日もあった相談が、

「自分が叱っても、なかなか部下は行動を変えてくれません。なかには、私が叱ると、反抗的な目で睨むヤツもいます。もっと厳しくしかっていくべきなのでしょうか?」というもの。





「叱り方」について悩まれている方々の多くは、「上手な叱り方をすれば、部下は変わってくれる!」という「叱り方」への期待があるのでしょう。





私はこのような御相談に際して、各人の現状の叱り方をお聞きし、それに対し個別のアドバイスをさせて頂きます。各人、叱り方にも個性がありますからね。先日の例でしたら、

  1. 感情的にならない
    叱っていると、いつの間にかエキサイトしてくる場合があります。部下の反応や失敗の内容などを考えると、どんどん怒りが増してきて、感情的になってしまう。そうなってしまうと、部下の注意は、「あなたの怒り」に向いてしまうのです。本当は、「改善しないといけない行動」に注意を向けさせるべきなのに、「そんなに怒らなくてもいいのにという」不愉快感の方に部下の注意力が向いてしまうのです。そうなると、肝心の「行動の変革」は期待できなくなってしまいます。叱るときはあくまで冷静に!

  2. 叱ったとき、アフターフォローをいれる
    叱られるとは、誰でも面白くないモノです。叱ったままで、ミーティングを終えてしまうと、気持ちがブルーのままでコミニケーションが終了してしまい、気持ちを引きずることになってしまいます。叱った後は、部下への期待を表明してあげたり、良かった点などを誉めてあげることで、「よし!やろう。」という気持ちになるように、最後にプラスの感情でコミニケーションを終了させていく事が大事になります。

などといったような個別のアドバイスです。





そして、このような御相談の際に共通してアドバイスさせて頂くようにしている事が一つあります。それは、上手に叱るには、「叱り方よりも、もっと大事な事」があるという事。





「叱り方」には、古今東西、「叱り方研修」や「叱り方についての本」など、様々な知識が存在します。それでは「叱り方の知識を習得し、それをスキル化する為に繰り返し練習すれば、上手な叱り方ができるか?」といえば、そうではありません。あなたの身の回りにもいませんか?マニュアル的な叱り方をするけど、「素直に聞きたくないような叱り方をする上司」が。「マニュアル的なのが、かえってイヤミに聞こえる叱り方になっている上司」が・・





逆に、「叱り方の常識」(感情的にならない、叱った後のフォロー等)とは全く違う叱り方だけど、「あの人から叱られると、なんだか行動を直さないといけないなぁ」と感じるような叱り方をする上司がいるのではないでしょうか?





実は叱られた後、「よし!これからは行動を変えよう!」と感じるのは、「叱り方」よりも「誰に叱られているか?」の方が影響力があるのです。

「尊敬できる人。信頼できる人」から叱られるのであれば、多少叱り方がヘタでも「よし!これからは行動を変えよう!」という気持ちになる。

逆に「信頼できない人。イヤな人」から叱られるのであれば、上手な叱り方をしてもイヤミにしか聞こえなかったりするのです。人にもよりますが、多くの場合、「叱る事がうまくいかない真の原因」は、「叱り方」ではなく、「部下が今のあなたをどう捉えているのか?」という事の方が多いのです。





子供でもそうだと思います。私の家などでも、子供の面倒をみたり、よく遊んでいる時などは、私が叱ると子供は素直に言うことを聞いてくれます。しかし、仕事で忙しくて子供の面倒をあまり見てやっていない時や、あまり子供と遊んであげていない時などに、同じ方法で子供を叱ると、「言い訳」や「反抗的な態度」をとってきたりする事があります。親の私としては、いつも同じような叱り方をしてるのですが、それ以前の関係が、「行動変革」に大きな影響を与えているのです。これは、部下、上司との関係でも同じ事です。





「自分が叱っても、部下や後輩が変わってくれない」「叱っても効果が薄い」と感じられるのであれば、ホントにまず見直すべきなのは、「自分は、部下から尊敬されているか?信頼されているか?好かれているか?」という事です。





この事なしに、いくら激しく叱っても、上手にマニュアル的に叱っても、効果はさほどないのが現実です。





叱り方よりも、「叱る以前のプロセス」。「叱るというシチュエーション前の日常での部下との関係」の方が、部下の行動変革へ大きな影響を与えてしまうのです。「叱り方」という小手先の技術より前に、「部下から信頼される関係作りを構築されているか?」を最初に見直していくべきなのです。「叱り方」の技術をマスターしていくのは、ホントはそれからでも遅くはないと思います。

PS

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