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自己啓発の時間充実させる戦略・戦術・戦闘法

「成功術 時間の戦略」を読みました。この本、時間管理の本というより、「自己実現の為に、自己啓発の時間をどうやって充実させていくか?」という事についての本でした。

成功術 時間の戦略 (文春新書 (443))

成功術 時間の戦略 (文春新書 (443))

この本で、特に勉強になったのが効率の良い自己啓発を行おうとすると、戦略、戦術、戦闘という3つのバランスをとっていく事が、大事であるということ。





まず1つ目が、自己実現戦略。



「どんな自分になりたいか?」という事に合わせて、何を学べばよいかが決まってきます。この戦略をハッキリさせて自己啓発をしていくのが、効果性、効率を上げる為の最大の鍵になるという事。



戦略を決定する際に、まず考慮に入れるべき事が、「世の中の時流に乗った戦略」にすること。今後、より社会から求められる分野を、自分の戦略として選ぶという事。社会的ニーズが縮小する分野を戦略として選ぶと苦労も多いが、時流に乗っていれば、自分の実力が大したものでなくても、社会的評価を得る事ができるからです。



しかし、時流に乗るという視点だけで、自己実現戦略を考えると失敗します。自分の個性との適合性という問題があります。自分の適合性という視点で見ると、『「好きな事」よりも、「よくできる事」「与えられた仕事」を戦略にしろ』とこの本は述べています。特に、30位までは、「好きな事」そのものがまだハッキリしないので、特にこの事が当てはまるのではないでしょうか?(もう、骨折り損のくたびれもうけにはならない!自分の成長に向けて努力する前に、整理しておくべき1つの事!)





自分の経験からも「よくできる事」「与えられた仕事」を徹底してやる事で、それが好きになっていき、それが戦略になってきたような気がします。





戦略を作るというフェーズは、一般的には、机の前に座ってじっくり考えて作るように思われますが、実際はそうではありません。最初、とりあえず考える際は、じっくり考えるのかもしれませんが、ホントの戦略は、実行している間の気づきにより、固まっていくものです。





ミンツバーグの言葉ですが、「戦略構築のプロセスとは、陶芸家が最初はボーっとしたイメージから始まり、粘土をこねていきながら、だんだん形がハッキリしていき、最終的に完成物のイメージが固まっていく生まれていくというプロセスに似ている」のです。最初から、ガチッとしたイメージで戦略が作られた方が稀なのです。身体を動かしていくうちに、少しずつ固まっていくものなのです。



だからまず、「よくできる事」に没頭してみる。没頭するという作業が、陶芸家が粘土をこねていくという作業と同じようなものです。その繰り返しにより、ホントのあなたの自己実現戦略=「どのように自分を成長させていこうという姿」が浮かび上がってくるのではないでしょうか?





そして、方向性が決まれば、その中で徹底して武器を磨くこと。



武器を磨くという話を著者は3段階として整理されています。

1.とりあえず、何かの専門家になる→30までを一つの目安に

2.どこでも通じる専門家になる→次の5年で

3.オンリーワンの専門家になる→更に次の5年で





私のような凡人では、2を10年で、3を10年でという感覚ですが・・この当たりのタイムスケジュールは、ご自分の今の年齢で、戦略を決めて行かれればいいのではないでしょうか?








戦略がはっきりしてくると、2つめの戦術というプロセスになります。

この本では、

  1. 良い師匠(モデル)を見つける
  2. 良い師匠から、とことん学ぶ
    徹底した受身になること。
  3. ギブアンドギブを徹底する 
    学ばせて貰おうとするのならば、まずは、相手に何か自分のできる事をしてあげる事からスタート。与えて、与えていく事が、学ばせて貰おうとすれば大事になってくるということ。長いギブアンドギブの後に、ギブアンドテイクが来るということ。最初から、ギブアンドテイクを望まない。
  4. 20対70対10の法則
    自分の付き合う人は、20対70対10に分類されているそうです。すぐにウマが合う20%の人。いろいろと努力をしていけば、何とかうまくやれる人70%。どんな事をやってもうまくやれない人が10%。今、付き合っている上司が10%の人であれば、撤退など、戦略を変えていく事も必要になる。逆に、ホントにどうにもならない上司に巡り会う確率も10%くらいにしか過ぎないという事でもある。

について述べられているのですが、私が特に興味を持ったのが「とことん学ぶ」というところ。





「とことん学ぶ」とは「師匠に完全に受身になること」。自分を捨てて、徹底して謙虚になり、受身になって学ぶ事が学習の本質だということ。私なども、つい自我を捨てることができずに、つい批判的な目を持って学んでしまいます。それでは、せっかくの内容もよく頭に入らず、チャンスを逃してしまうことになるのだそうです。





学びのコツは、師匠と同じ事ができるようになるまで、エッセンスを詳細まで漏らさず聞き取り、反復練習を素直に繰り返すこと。守破離の守の部分。再認識させられました。








最後に戦闘。自己啓発における戦闘とは、「自己啓発の時間で何を学んでいけばよいか?」ということ。ここに関しては、一般的なビジネス書と違って、面白い切り口で述べられています。





私が、特に面白かったのが、以下の5つ

  1. 相手のフレームワークを理解し、そのフレームワークに合わせて伝える事ができるようになる
    人はそれぞれ、自分なりのフレームワークや思い込みを持っている。小学生なら小学生のフレームワーク。経営者なら経営者のフレームワーク、思い込みを保有している。その独自のフレームワークを持っている相手に、自分のフレームワークでどんなに正しい事を伝えていっても通じない場合が多い。

    自分のフレームワークで伝える事に固執することなく、相手のフレームワークを素早く理解して、相手に理解できるように、自在に話す内容を変える能力を学ぶ必要がある。


  2. 戦略的な読書のススメ。
    本は単なる情報収集のツールではなく、最も大きな役割は、「考える為の文房具」であるということ。たくさんの本を読む事も大事だが、もっと大事な事は、本を通して考えることが大事になる。多読していく事は、たくさんの情報を吸収できるというメリットも大きいが、情報への感度が鈍くなってくるというリスクも存在するので、それを考慮しながら読書をしていく必要がある。

    「自分を変えてくれる」だけのインパクトをもたらしてくれるような、読書術を身につけていく事が必要になるということ。


  3. 教養を高める
    自己啓発と言えば、読書をしたりとか、資格の為の学習したりとかが一般的だが、もっと大事なのが教養を高めること。
    教養とは、アートを楽しむとか、音楽を楽しむとかといった文化を楽しむこと。

    人は、その人の能力を見る場合、専門知識ばかりを見ているのではない。それ以上に重視するのが、人間的な幅。雑談時での教養、教養に基づく仕事でのアイデアがとても大事になってくる。教養は、一朝一夕に身につけることはムズカシイものであり、長い年月、アートや音楽に親しまなければ身に付かないものでもある。

    だから、教養を育てる為の時間を確保していく事も、自己啓発していくには大事になってくる。(最近、私もこのことは痛感しています。 フェルメールの絵から学んだプレゼンの極意)


  4. 無意識力を育てる
    意識での冷静な意志決定も大事なのですが、肝心な時に役立つのが、無意識のチカラ。もちろん、オカルトのような無意識のチカラというワケではありません。ここら辺は、私も上手にまだ伝えるレベルにはなっていないので、本を読んで頂いた方がよいと思います。

    確かに、閃きなどといったものは、意識レベルとは言えないものでしょう。そのような無意識を育てるために、意図的に無意識になる工夫、例えば、瞑想をしたりとか釣りに没頭するなどの、無意識になる時間を作る重要性が述べられています。


  5. オフタイムを充実させる
    オンタイム(仕事をしている時間)とオフタイム(仕事外の時間)の切り替えが大事。
    そして、オフタイムは漫然と過ごすのではなく、オフタイムを上記の4つの時間をバランスよく確保していき、充実させていく事が大事だという事です。

最後に、この本では、「成功」「自己実現」という竹内均さんの言葉を使って、次のように定義しています。

・好きな事をやって生きる

・それで食える

・それが他人によって評価される



なるほど、と思いました。自己実現を図る為に、もっと自己啓発の時間を充実させたいものです。





PS

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    ヒントや参考になることが見つかることでしょう。





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