モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

モチベーションを高めたければ、ご褒美創造力を伸ばそう

以前、「何でも楽しいという友人」のようになる為の6つのツールズ というエントリに、楽しさ創造力について触れさせて頂いた。どのような仕事や環境の中にも「楽しさ」を見つけたり、「楽しさ」を創り出していく力の事です。私は、この「楽しさ創造力」こそ、最も重要なビジネススキル、モチベーションアップを行っていく為の力だと思っています。前回、ご紹介させていただいた「楽しさ創造力」を構成していく力として、以下の6つをご紹介させて頂きました。

  1. やりがい創造力  (活動目的設定能力)

  2. ゲーム化力

  3. 自己コントロール
  4. 感情コントロール

  5. 加速学習力

  6. 絶対に楽しむ覚悟

ほぼ日-任天堂の岩田社長が遊びに来たので、みんなでご飯を食べながら話を聞いたのだ。(第06回)ご褒美を見つけるという才能 という対談を読んで、後一つ、楽しさ創造力に追加する必要があるなぁと感じました。「やりがい創造力」ともかぶるなとも思いましたが、あえて7つめの力として「ご褒美創造力」を新たに追加させて頂こうと思います。

岩田

自分の得意なものが、放っておいても、どんどんうまくなることも同じ仕組みだと思うんです。

たとえば、絵を描く人は、誰に頼まれるでもなく絵を描いて、それをまわりの人がほめてくれる。
そういうくり返しのなかで、どんどんうまくなる。

あるいは、わたしだったら、昔はわからなかったコンピュータのことが徐々にわかっていって、わかっていくことでさらにおもしろくなる。

糸井さんだったら、世の中を見て、自分がおもしろいと思うことをどんどんそこに投げ込んでいって、それが受け入れられたときに快感が生じて、そういうことがどんどん得意になる。

この循環を成立させられることこそがおそらくその人の才能だと思うんです。

つまり、才能というのは、「ご褒美を見つけられる能力」のことなんじゃないだろうかと。

糸井

「なしとげること」よりも、「なしとげたことに対して快感を感じられること」が才能。

岩田

そうじゃないかと思うんですよね。

ご褒美を見つけられる、「ご褒美発見回路」のようなものが開いている人。

一般的に、「誰かにご褒美って与えて貰えるもの」という常識があります。

思うようなご褒美をくれないような会社や上司がいれば、「会社は自分の事を評価してくれない」とか「上司はちっとも褒めてくれない」とブーたれて、モチベーションが下がっていくというのが普通ですよね。

すなわち、「褒美をくれない上司や会社」が悪いという考え方。





ここで「ご褒美創造力」と言っているのは、それをもう1歩越えた考え方だと思ってください。また、「ご褒美創造力」と聞かれて、「ご褒美」作ることなんて簡単なことではないかと思われる方もいるとは思います。しかしこれは意外に難しく、実際にこの力を発揮している人を見かけるのは少ないと思います。「叱り飛ばすこと創造力」が優れている人は、どこにでもいますが・・





話をちょっと戻しますと、「ご褒美創造力」は2つの視点で整理していきます。ご褒美を与える側(リーダーや会社側)とご褒美をもらう側(部下や社員)という2つの視点。モチベーションアップを図る側と、モチベーションされる側ですね。







まず、ご褒美を与える側の視点から考えてみます。「職場のみんなに、高いモチベーションで。楽しんで仕事をしてもらおう」とすれば、「ご褒美創造力」が必要になります。調子がいい時に「ご褒美」を与えることは、バカでもできます。モチベーションを高く維持する事も調子がいいときはホントに簡単です。調子がいいときは、「ご褒美創造力」などは必要ないのです。リーダーは誰しも、自然にご褒美を与えてしまいたくなります。(時々、こんな時でもご褒美を与える事ができない人も希にいますが・・)





しかし、組織はいつも調子がいいワケではありません。うまくいっていない時の方が多いモノです。ちょっとしたキッカケで、物事はうまくいかなくなってしまいます。そんな時に、リーダーは「ご褒美を組織や部下に与える事」を忘れがちになります。問題や悪い事の追求や原因把握にばかり目がいき、組織がどんどん暗くなっていきます。「ご褒美創造力」は、組織がうまくいっていない時、部下が業績が悪いとき、トラブっている時こそ、リーダーに必要になってくるのです。うまくいっているワケではないのですから、褒めるところを見つけるのも大変かもしれません。ヘタすれば褒めればお世辞に聞こえたり、部下に媚びているように聞こえるかもしれません。だからこそ、創造力なのです。リーダーの「ご褒美創造力」は3つの力でなりたっていると思います。

  1. 苦労を認め、良いところを探す力
  2. ココロからねぎらいの言葉をかける力
  3. ご褒美ツール開発力





次にご褒美をもらう側(部下や社員)の視点で「ご褒美創造力」を考えていきましょう。

これは、ご褒美を与える側だけに求められているのではありません。もし、「ご褒美創造力」が弱いリーダーや会社で働いているとしたらどうでしょう?ご褒美をもらえない環境に諦めて、苦痛に耐えて仕事をするしかないのでしょうか?もちろん、転職をするという方法もあると思います。しかし、転職した先も「ご褒美創造力」の弱い会社かもしれません。どんな環境やどんな仕事ををやっている時でもそれを楽しむには、ご褒美をもらう側(部下や社員)にも「ご褒美創造力」が必要なんです。環境だけに頼るわけにはいかないのです。





では、ご褒美をもらう側(部下や社員)の「ご褒美創造力」って何でしょう。それは、「あなたが、今やっている仕事」の中に自ら「ご褒美」を創造していく力です。上司や会社側が与えてくれる「ご褒美」に頼るのでなく、自分で自分へのご褒美を創っていくのです。ここで言う、「ご褒美」って大袈裟なモノでなくてもいいと思うんです。自分へのご褒美の工夫をいくつかご紹介。

  1. 自分の仕事を評価する
    「誰かに役に立った」「素晴らしい仕事をした」という自分の仕事を評価する時間を作り、自分を自分で褒めてあげる (褒めてくれる人が周りにいなければこれは、モチベーションアップには必要になります)
  2. 褒める理由作り

    褒める理由がないと、自分で自分を褒めることも難しいモノです。そこでどんな単純な仕事、面白くなさそうな仕事にも、後で自分を褒める為に自分なりの「クリア目標」を作る事で、褒める理由を作ります。
  3. 自分なりの目標クリアは、自分だけでも大喜びする

    「自分なりの目標」をクリアしたら、必ず自分を褒めてあげる時間を作り、自分にねぎらいの言葉をかけてあげる
  4. メチャ喜べるご褒美を用意する。

    褒める際に、もっとそれが自分が嬉しくなるようなちょっとしたご褒美を用意する。慣れないうちは、ビールでもいいし、甘いモノを思いっきり食べるでもいいし、温泉旅行でもいいんです。「自分なりの目標達成した時に」、喜びを感じる事ができるご褒美。ちょっと無理してもいいじゃないですか。明日以降のモチベーションにつながるのだから。



    しかし、ちょっとここでも創造性が必要です。ご褒美がいつも同じだと、機械的になって喜びが小さくなってしまいます。メチャ喜べるものを、常に考えて工夫しましょう。考えているだけで楽しくなるように。

もちろん、褒める側が「ご褒美創造力」を持っていれば、こんな事を自分でやる必要がないと思われるかもしれません。しかし逆に考えると、こうも考える事ができます。褒める側が「ご褒美創造力」を持っていないからこそ、自分自身の「ご褒美創造力」を磨ける事ができるのだと。







ご褒美を与える側になった時に、急に「ご褒美創造力」をつけようと思っても難しいのです。「ご褒美をもらう側の時」に、自分自身にご褒美創造力を使い、自分をモチベーションアップし、自分の仕事を楽しくしていく経験が必要になるのです。よく「苦労人は、人を使うのが上手」という言葉が昔から言われているのは、こんなところにも理由があるのかもしれません。

ご褒美をもらう側(部下や社員)の時に「ご褒美創造力」を高める事ができた人は、ご褒美を与える側になった時には、その素晴らしい力をよりパワフルに発揮できるのでしょうから。