21世紀型モチベーションアップを考えよう
「金を払っているんだから、一生懸命働くのが当たり前だ!」という考え方が通じた「経営者・管理者にとっての楽園の日々」が過去に確かにありました。しかし、もし未だにそんな感覚で仕事をしていたら・・・
その感覚の名残が、今までのモチベーションアップについての考え方にありました
20世紀まで、一般に行われていたモチベーションが
- 給料や待遇のニンジンをぶら下げる形でのモチベーション
- ケツを叩くことでのモチベーション
- PEPトークで激励する事でのモチベーション
だとすると、21世紀型のモチベーションアップとはどんな事だろうか?
21世紀型モチベーションが機能している会社として代表的なものがグーグルだ。「誰から命令されるわけでもなく、仕事に夢中に取り組んでいると、いつのまにか徹夜仕事になっていた」みたいな感覚だ。遊んでいるとき、趣味の世界に没頭しているのと同じ感覚で、仕事に夢中になるという状況を作っている。
そう考えると、21世紀型モチベーションアップとは「仕事を楽しくさせる事でのモチベーション」ではないだろうか?労働という仕事観からの脱却である。仕事だからつらいのは当たり前という感覚からの脱却だ。「仕事はつらいのは当たり前。だから、やるんだ!」と管理職が短絡的に考えていい時代は終わったのかもしれない。
これからの人本主義時代を勝ち残るキーワードではないだろうか?人本主義時代の企業の成功要因は優秀な人材をどれだけ確保しているかだ。右脳的付加価値を商品、サービスにどれだけ加え得る事ができるかが鍵になるのだ。
右脳的付加価値とは、ダニエル・ピンクのハイコンセプトの話を私なりにアレンジして考えただが
- 新しいコンセプト
- 五感訴求
- 心からのコミュニケーション力
- 商品のストーリー性
- ユーモア力
といったものが商品、サービスの中にどれだけ付加価値として加わっているかがヒットの条件となるということだ。
- 作者: ダニエル・ピンク,大前研一
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2006/05/08
- メディア: 単行本
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これらは金をれだけ持っている、資産をどれだけ持っているかで作り出せるものではない。従来の資本家が一番偉い、2番目に偉いのが経営者という概念にまで変化がもたらされる可能性がある時代だ。
右脳的付加価値を生み出す優れた人をどれだけ確保するか、育てるか、そしてその人達に能力をどれだけ発揮して貰うかが、収益の源になっていく時代に突入しているのだ。そんな中、古いモチベーションのやり方では優れている人間は逃げ出していき・・21世紀型も同じようなモチベーション方法ではダメだろう。
楽しさ創造力を働かせて、「困難な仕事」もできる限り楽しくしていく工夫を行う。結果、仕事に夢中になり、そして周囲から認めて貰える状況を作る。そうすれば仕事が更に楽しくなる。そんな循環を回していくようなモチベーションアップの方法を真剣に検討していく必要があるのではないだろうか?難しい、理想主義すぎるという意見もあるかもしれない。しかし、これに今チャレンジしなければ右脳的付加価値を提供できない会社になってしまい、優秀な人から転職してしまうような会社になっていくのではないだろうか?
この実現には当然、仕事を楽しくさせて、モチベーションをするには、
- 仕事に誇りを感じるミッションの確立
- リーダーシップスタイルを変える
- システムを変える、目標体系を変える
- 人事システムを変える
等々「人を使う側、上に立つ側の変革」が必要になる。しかし、どんなに会社や上司が環境整備をしていっても限界はある。だから、仕事を楽しくするには、使われる側の方にも能力アップを図って貰う必要もある。楽しさ創造力という、「困難な仕事の中にも楽しさを発見、創造していく事ができる力」のレベルアップを・・
この両面からのアプローチが21世紀型のモチベーションではないだろうか?