モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

怒らない為の8箇条

アルボムッレ・スマナサーラさんが書かれた「怒らないこと」という本が面白かったので、ご紹介。

怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)

怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)

楽しく仕事をしていこうと、私達がその気になっても、周囲がそのようにさせてくれない場合が多いものです。
・何度言っても同じミスをする部下
・言ってもいない指示を「なぜ実行していない」と怒る上司
・非常識なことを言ってくるクレーマー顧客
・絶対に契約すると言っていたのに、最後に裏切る顧客
・人に仕事を押しつけてくる、他部門の担当者
等々。

私達が仕事を気分良くしていても、これらが発生すると台無し。これらの多くは、自分が原因のものかもしれない。しかし、私達には原因がなく、絶対に止めようがない、ある意味、天災のようなモノも存在する。

これらが発生した時、私達は怒りに震えることになる。
怒りが頭と心を支配すると、その事ばかりを考えてしまうようになり、他の事への注意力が散漫になる。また、怒っているときは、カーッと頭に血が上ってしまい、頭のいい人でさえ、冷静な判断ができなくなる。


私も、自分は非常に怒りっぽいタイプだと思う。いろんな工夫を日々行っているのだが、他にもいい方法がないかと思っていたときに出会ったのが「怒らないこと」「怒らないこと2」という本。
スリランカ仏教のスマナサーラさんという長老が書かれた本。


怒りが、どんなに悪いかということは、私も学習していたのですが、この本で得た新しい気づきは、「怒りは苦や嫌いと感じた時におこる人間の反応であり。人生は苦の連続であり、嫌いの連続である」ということです。


生きているとは、感覚があること。感覚の代表が、苦という感覚。息苦しくなるから息をするし、腹が減って苦しいから、食事を食べる。
しかし、私達は、苦は嫌だと思っています。嫌だから、その苦に対して戦おうとする。あるいは、この苦痛から何とか逃げることができる方法はないだろうかと考える。
これらを総合的に考えると、「苦があるから、人間は生きていくことができる」とも言えるとスマナサーラさんは言うのです。


人生において、苦と嫌だは避けることはできない。
常に虎のように、生きている限り「苦」は追いかけ続けてくる。
だから苦から逃げようと走ったり、戦ったりしても意味がない。戦うとは、怒ること。逃げるとは怯えること。


どうせ今回苦に勝ったて逃げることができたとしても、そこから新しい苦という虎が生まれてきて、追いかけ続けてくるのだから。
だから、自分の身に執着せず、苦のない世界、嫌のない世界などの幻想に執着せずに、苦があること、嫌いな出来事があることを受け入れるだけ。その事に怯えても仕方がない。


怒っても仕方がない。苦や嫌いという状況になった時、そこで怒るという態度をとるのではなく、それを受け入れるということが大切ということ。
この諦観は、今まで気づかないものでした。


どうしても「苦しくなりたいからガンバロウ!」「頑張れば苦しいことに合わないで済む」という固定概念が私達の中にあります。だから「頑張ったのに、こんな苦しい目に遭うなんて」と思ってしまう。そこに腹立たしさを感じて、怒りが生まれてくる。
これがマズイとスマナサーラさんは言われているのだと思います。


「苦しい事は、どうしても避けられない。これは受け入れよう。しかし、だからといって、怒りはしないぞ!」という事が大事なのでしょう。
苦しい事は、自分でコントロールできるものではない。人生に付き物。肝心なのは、苦に出会ったときの自分の対応だ。そこで、怒るかどうかは自分の決断一つでコントロールできる。


「苦をコントロールしようとするのではなく、怒りをコントロールするのに努力をしよう」と、新しい視点をこの本から得ることができた。


最後に、私が怒りをコントロールする為にに、この本から学んでiPhoneに入れて、毎日自分に言い聞かせているチェックリストをご紹介。

  1. 怒らない決意をする! 怒る弱者に絶対にならない!
  2. 苦と嫌だは避けられない。今、怒って勝ったとしても、また新しい虎(怒り)が追いかけ続けてくるだけ。私達にできるのは、苦を受け入れて楽しくしようと努力するくらいしかない。
  3. 自分の心にある怒りに気付く。怒りに気づいたら、次の5つの方法で対処をしよう。
  4. 怒りを我慢せず、ユーモア で笑い飛ばす。笑いで、怒りを消す。
  5. 自分のエゴ、属性を捨てる 。相手への属性タグ付けも外す。属性への執着が、怒りを生み出すことになる。
  6. 怒りの対象の背景、状況を理解する。
  7. 「ご苦労様です」と心で言って、相手の事情を察する
  8. 10分で達成できる様な目標を作り、小さな成功を味わい尽くす。

あなたも、怒らないことにチャレンジしてみたらいかがでしょうか?

怒らないこと 2―役立つ初期仏教法話〈11〉 (サンガ新書)

怒らないこと 2―役立つ初期仏教法話〈11〉 (サンガ新書)