モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

あなたは金銭以外に、どんなインセンティブを人に与えることができ

ライオンは、食べ物というインセンティブを得るために鹿を襲う。SEXという快楽を満たすというインセンティブを得るために、仲間のライオンと戦う。
同じように、人間も、何かインセンティブが目の前に現れると(想像すると)、そのインセンティブを得ようと行動する。


しかし、人間のインセンティブは動物に比べて複雑だ。食べ物や美しい女性だけでなく、いろんなものがインセンティブとして働く。
人間だけのインセンティブの代表例が、金銭的インセンティブだ。これは、動物にはないものだ。金によるインセンティブは、食べ物にも美しい女性にもつながるインセンティブでもあり、分かりやすいので、どうしてもそれにばかりスポットライトが当たる。
金によるインセンティブの限界を語ったのが、ダニエル ピンクの「モチベーション3.0」だ。


彼の指摘にもあるが、私たちは金以外にも様々なインセンティブで実は行動をしている。
例えば、
・ 誰かからの期待
・ やるべきことの価値
・ 他人からの賞賛
等々、様々なインセンティブに私たちはモチベートされて行動を起こす。とても不幸な人は、金銭的インセンティブしか回りに与えることができない人だ。これは経営等を行う時などは、非効率的な経営を行うしかできなくなる。金のかかる経営だ。


ダニエル ピンクの「モチベーション3.0」は経営やマネジメントという視点で書かれていたが、実は個人も同じだと思う。
個人としても、日常において、私たちは他人に対して様々なインセンティブを与えて行動を引き出そうとする。(モチベーションしようとする)
あなたは、どのようなインセンティブを、日常、周囲に与えているだろうか?


子供に勉強させるということで、インセンティブを考えてみよう。
あなたの子供が成績が悪いとする。この子の英語の偏差値を10UPさせたいと考え、親であるあなたはインセンティブを考える。
ありきたりなのが、偏差値が10上がったら、「好きな洋服を買ってやるよ」などの金銭的なインセンティブを与えるということだ。これはインセンティブとして機能するだろう。しかし、金というインセンティブがないと動かない子供になってしまう恐れがある。(それも、より大きな金銭的インセンティブを求めるようになっていく)
では、金銭的インセンティブ以外に、どのようなものがあるのだろうか?

  • 彼の好きなロックを使って、英語の楽しさを教えていく(楽しさというインセンティブ
  • 英語を学ぶことが、彼の将来なりたいと思うパイロットという仕事をやるためには、英語が絶対に必要という、学ぶことの重要性を気づかせる(夢というインセンティブ
  • 学んだ英語について聞いてあげ、それを評価してあげる(有能感というインセンティブ

等、実は様々なインセンティブを私たちは与えることができる。

今、日本全体が、右肩下がりということもあり、若者から年寄りまで、モチベーションが下がってきている。バブル崩壊後、私たちは特に金銭的インセンティブに頼ってきたように思う。それが、逆に、全体のやる気の低下をもたらしたのではないかとも思う。


景気が悪いこともあり、金銭的なインセンティブも使うことができない状況だ。だからこそ、今、「自分が使える金銭以外のインセンティブに何があるか?」を見直し、それを与えていく努力がみんなに必要だと思う。


今はやりの坂本竜馬は、まさに金銭以外のインセンティブを使う名人だったと思う。海援隊の仲間だけでなく、西郷隆盛木戸孝允といった他藩の名士、後藤象二郎はじめとする上司たちを、金銭的インセンティブ以外のインセンティブを使ってモチベートしていき日本を変えていった。


今、私たちは坂本竜馬を見習い、金銭以外のインセンティブを使う大事さを再度、見直していく必要があるのではないだろうか?