モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

できていないのに、できていると勘違いしている人ほど悲劇的なことはない

先日、IT関係者が集まった場で、『部下の「やる気」を育てる!』についてのセミナーを行ってきました。

参加者は、ITコーディネータ関連の仲間ばかりだったので、気軽にセミナーを行えたのですが、面白かったのが飲み会の席。





飲み会の席になると、人間本音がでてきます。

「その際に出てきたのが、『部下の「やる気」を育てる!』のセミナー良かったです。実は、自分の上司が、この事をよく分かっていないんです。真逆とは言わないまでも、原理原則に従わない形で部下に接している。だから、チーム全体のやる気が上がってこないんです。問題上司に、何とか『部下の「やる気」を育てる!』を教える方法はないんですかね?」という声でした。





なるほど、と思いましたね。「自分ができている(部下のやる気が引き出せている)と感じている人に、どうやって学ぼう」とさせるか?これは難しいテーマですよね。





財務会計などというテーマだと、「知っているか、知っていないか?」は一目瞭然。それについてのテストやテキストもあるので、知識不足かどうかは、自分も、他人も判断することができます。だから両者の評価は、それ程、大きく異なりません。





しかし、モチベーションやコミニケーションなど、ぼんやりしたテーマだと、「できているか、できていないか?」どころか、「知っているか、知っていないか?」自体もハッキリしません。テストもなければ、教科書もなければ、基準もないからです。


「俺は、モチベーションについてなんか知っているよ。俺はできているよ」と言われればそれまで。知識の深さについて議論する事も難しいものです。「あなたは、モチベーション能力が低いと思いますから、勉強してください。」なんて部下が言おうものならば、喧嘩になってしまいます。だから、部下は言うはずがありません。これらの事柄については、上司の立場では「俺はできている」と思っているが、部下の立場では「全くできていない」という評価のギャップが大きくなってしまいます。





モチベーション能力が低い人なりコミニケーション能力が低い人が厄介なのが、そこです。「能力の正当評価」がされていない悲劇ですね。モチベーション能力が低い人であればあるほど、自分は「能力が低い」とは認識していない。逆に、「自分は能力はある。」と誤解している人が多いのです。そして「自分のチームのやる気がないのは、チームメンバーがやる気がないヤツばかりが集まっているからだ」と、自分の能力を棚に上げて、人のせいにしてしている場合も多い。





会計知識がなければ、全く会計業務はできないのですが、モチベーション能力やリーダー能力がないリーダーでもチームは一応動いていきます。だから、自分の能力が足りないのが分からないのです。自分の力ではなく、部下も仕方ないから動いているだけなのに、自分の力だと誤解しているのです。





努力の原点は、「自己の正しい評価」です。「自分が能力不足」だと気づくと、学ぼうとします。しかし「自分はできている」と感じると、学ぼうとも人はしません。自己評価が狂っている人は、最悪の悲劇ですよね。





自分は「モチベーション力が高い」と誤解している人は、私の本『部下の「やる気」を育てる!』なんて読まないでしょうし、このブログなんかも読まないでしょうからね。とても難しい問題です。





ちなみに、私が行っている研修会では、今受講生に、事前に部下の人達から複数アンケートを取り、それを見て貰うことで、「現実」を知って頂くことで、正しい自己認識をしてもらうようにしています。だけど、これができるのは、研修会に参加して頂いた人にだけですからね。



「自己能力」を誤解している人に、現実を教えるということは本当にムズカシイ問題です。

マジマネ5 部下の「やる気」を育てる!

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