ハズレくじを楽しむ心〜「楽しくなる事を考えること」は楽しい!
みなさんは、「楽しく仕事をしている人」って、言われると誰を想像しますか?
私の中では、上位の方で思い浮かぶのが、明石家さんまさん。
離婚や、それに伴う10億以上の借金を返しながら、その悲壮感さえ笑いに変えている。また他の芸能人から見ると、大変なスケジュールの中で何十年も働いているのに、そういった大変さは一切見せずに、いつも楽しそうに働いている。
お笑いの人でも、何か悲壮感を感じさせる芸人さんもたくさんいます。「お笑い」という仕事で生まれる苦労、悩みを感じてしまう人もいる中、さんまさんは、「この人、ホント、楽しそうに生きているな」と感心します。
今、睡眠について、ブログ界隈では話題になっていると思うのですが、「寝ない人」でも有名です。寝ないで、いつも、TVに出ていない時もあのテンションというのですから凄すぎます。
そんな、さんまさんの考え方については、あまり目にした事がありませんでしたが、ほぼ日刊イトイ新聞 - さんまシステム に非常に珍しい、さんまさんのインタビューがありました。
このインタビューで最も興味深かったのが、さんまさんが「仕事や人生」を楽しめるようになった「キッカケ」についての話です。
さんま
我々の弟子稼業というのは、掃除をさせられるじゃないですか。
で、掃除をしていると師匠が、「それ、楽しいか」って言うんです。
「いいえ」って答えると「そやろ」って。
「そういうのが楽しいわけがない」と、おっしゃるんですね。
糸井 うん、うん。
さんま
そのときに、師匠に、「掃除はどうしたら楽しいか考えろ」って言われたんですけど、そこでしたねぇ。
あの、掃除なんて、楽しくなるわけがないんですよ。ところが、「楽しくなることを考えてることは楽しい」。っていうところにね、
18歳のときに気づかせていただいたのが非常に助かりましたね。
糸井 あーーー、それは、いい師匠を得ましたねぇ。
さんま
ええ、ええ。
これは、やっぱりものすごい助かりましたね。
とくに我々はお笑いやりたいから、そこはスッと一所懸命できたんです。
けど、たぶん、そうじゃないふつうの人は、「掃除は楽しくない」というところでやめてしまう人が多いんじゃないかと思うんですけど、
楽しくないものをどうすれば楽しいか、ということを考えていくと楽しいんです。
糸井 それを考えてるときは、もう、楽しいんですよね。
さんま はい。それやらない人、多いんですよ。いまの若手とかにもね。
糸井 「楽しくなることを考えていることは楽しい」それは、ハズレくじを引くどころか、
ハズレくじを引いて、それをどう笑うかを考えてるわけですよね。
『「楽しくないものをどうすれば楽しくなるか?」を考える事は、楽しいんだ』って事が、実は、楽しさ創造力の神髄でもあると思うのです。
この能力がたぶん先天的にさんまさんはお持ちだったのでしょうが、それを師匠が開花させてくれたのでしょう。確かに、「掃除」などは面白いものではありません。
だけど、どうしても必要な事。「どうせやらなければいけない」のであれば、いかに楽しんでみせるか!それが「楽しさ創造力」の腕の見せ所だと思うのです。
昨日の仕事を楽しくする為のNo’t ToーDoリスト1 「ガンバロウ」と言わないという事も、同じ話かもしれません。その「楽しさ創造力」を使って、「苦しい時」「きつい時」をどう乗り越えているかという事について語っています。
糸井
タレントさんがね、「いい加減、休ませてくれよ」って思う気持ちは、ぼくにはわかるんですよ。
みんな、そう言いたい気持ちを押し殺して仕事しているというか。
でも、さんまさんの場合は、
そこで「ほっといてくれ」って言うかわりに逆にひねって笑わせようとするというか。
さんま
ま、それなりにね。
伝わる伝わらないはべつにして、なんとかしようとしてますけどね。
糸井
いちばんキツいときにこそ、どうおいしくひっくり返すか、考えてますよね。
この「苦しいこと」」でも楽しめるという発想。
「ハズレくじ」をハズレくじで終わらせていたら、痛みだけしか感じません。それを、「自分でどうヒネッテいくか?」が大事になってくるのではないでしょうか?大変な事にあった時、退屈な時、困難な時、うまくいかない時などがあります。これさえも、「楽しむチカラ」ですよね。
この事は、上司から強要されたりすると、一気にシラケた話になってしまいます。自分でどう考えていくかが重要になっていくのでしょう。
この発想が、お笑いを次から次に、悲壮感なしに生み出していく原点になっているのではないでしょうか?
これって、お笑い芸人だからという話ではないと思うのです。
私達のような一般のビジネスマンにも、このチカラが一番求められるのではないでしょうか?
糸井
つまり、さんまさんが望んでやってることのほとんどは、ハズレくじをつかんでるという時間なんじゃないですかね。
動物もののドキュメンタリーを見るのも、スペインのサッカーを見るのも、手でこう、くじをつかんで、ハズレを引いて、
何回も何回もハズレを引いて、やっと当たりを見つけたい、みたいなことで。
さんま
だからね、宝探しとか好きなんですよ。オパール探しとか、砂金とか、すっごい好きですね。
あの、ハズレをつかむ快感というか‥‥。
糸井
うん、うん。
さんま
はい。いやもう、絶対ぼく、そうですね。あの、そこを楽しみたいと思って生きてる。
糸井 はい、はい。
さんま
だから、ダメなのに追い続ける。さっき出てきた『ロードランナー』じゃないですけどね、
あれに出てくるコヨーテの生き様に心打たれたりするのは、そこなんでしょうね。
追いかけて行って、ダメなときのほうが、やっぱり、楽しいですね。
「ハズレくじ」がでても気にしない。それを楽しめるから。笑いながら、「どうぞ、ハズレくじが出てください。私はそれも楽しめますからOKですよ。」という感覚。カッコイイですね。
まさに、「楽しさ創造力」の権化ですね。「ハズレくじ」を、何とか楽しめる方法を必死に考えている時が、「とっても楽しいんだ」という考え方。何か凄い気づきがそこにはあります。
普通、十億円以上がバブル崩壊で一挙になくなったりすれば、立ち上がれないほどヘコむでしょう。しかし、彼の「楽しさ創造力」が、そのようなピンチでさえも、笑いに、楽しさに変えて、乗り越えていけたのでしょうね。
当然、好きこのんで、ハズレくじを望んではいないと思うのですが、ハズレくじを恐れないで自然体で受け入れる事ができる。それは、「ハズレくじ」を楽しむことができるから。
単に、楽しいことがあった時だけ楽しんでいるワケではなく、そうでない時も、もっと楽しむ事ができる。
単に楽しい事だけをしているワケではないが、やると決めた事は、メチャ楽しむ工夫をしていく。
「ハズレくじ」を楽しめる自信をつける!
ホントに、見習いたいものです。
PS
さんまさん程の「楽しさ創造力の天才」にはなれないと思うのですが、凡人のような私でも「楽しさ創造力」という能力をアップさせて、日々を楽しいものに変えていった「楽しさ創造の技術」について、「モチベーションが上がるワクワク仕事術」という本にまとめてみました。
明日は、この本について少し触れさせて頂きます。
- 作者: 小林英二
- 出版社/メーカー: シーアンドアール研究所
- 発売日: 2008/02/20
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