モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

伝説のタクシードライバーに学ぶ創造力

どんな仕事でもプロフェッショナルまでその仕事を高めようと考え創意工夫を行っていけば、仕事は楽しくなるし、好きになっていくと思います。そんな一つの例をご紹介。

私が購読しているメルマガに『勝谷誠彦の××な日々。』があります
その2007年12月8日号<フリーターの進出などであらゆる職業がアマチュア化する中、本当のプロはもっと高い評価を受けていい>を引用してご紹介。




 二日とも綱渡りの移動があったが、それをやってのけるのを可能にしてくれたのが、大阪で私が頼りとする「プロ運転手」のYさんだった。

 いや、もちろんタクシー運転手はみんなプロなのだが、ここで言うプロとはプロ中のプロ、イチロー選手であり松坂選手であり、つまりは「ゼニのとれるプロ」である。



 もともとYさんを知ったのは、毎週『ムーブ!』を終えて、ギリギリのタイミングで伊丹空港から飛行機に乗るためにタクシーを使う時に、目立って鮮やかな運転ぶりを見せる、同じ運転手がいるな、と気づいたことだった。

 特にトラブルがないかぎり、1分と違わずに空港に着く。幸い『ムーブ!』では私は巻き込まれたことがなかったが、他の出演者が乗り合わせた時に、事故で高速が動かない時でも、下の道を駆使して、なんとしても飛行機に間に合わせたと聞く。

 出演者たちの間でも噂がひろまっていた、伝説のタクシー運転手、それがYさんだったのだ。

 

 一昨日と昨日の綱渡りに当たって、私はマネジャーに頼んで、あらかじめYさんを指名してタクシーを予約しておいてもらった。

 『タックル』のスタジオに13時までに飛び込むためには、11時に伊丹空港を乗らなくてはいけない。ところが『あさパラ!』が終わるのは10時半。搭乗が電子化されたANAでは15分前に保安検査場を通らなくてはいけないから、大坂城の横の読売テレビから伊丹空港までを15分で走らなくてはいけないことになる。

 しかしYさんはそれを「出来る」と言うのである。もちろん、きちんと交通法規を守った上でのことだ。

 局側も協力してくれた。エンディングにスタジオにいなくていいと、最後のコーナーが終わったところでの飛び出しを許してくれたのだ。これで2、3分は稼げる。

 

 とはいえ、荷物を持って走って車に飛び乗ったのは、やはり10時半前後になった。メイクもそのままで、気持ち悪いことおびただしい。

 「高速乗るまで、信号は二つです」。これはいつも驚かされるのだが、Yさんはどこかからどこかまで行く時に、間にどれだけ信号があり、どのタイミングで止められるかを把握している。だから1分単位での到着時刻の予見ができるらしい。

 「昨日のうちに頭の中でシミュレーションしてありますから」。大丈夫です、と頷いてみせる。プロである。

 乗客にとって、これほど心強いことはない。定時運行がほぼ確実な列車などとちがって、タクシーに乗った時の不安は、不確定要素が多いことだ。ギリギリの予定で走っている時、優秀な運転手に当たったと思っても「間に合うだろうか」というストレスにずっと晒され続ける。

 しかしYさんの場合は乗った瞬間に、それから解放される。無理ならきちんと無理と言うからだ。そしてYさんが無理と言うなら、実際に無理なのである。無用なストレスと対峙することはない。


タクシーに乗る機会も多いが、私たち一般ドライバーと変わらないような仕事しかできていないドライバーも多い。



行き先を告げても、場所がよく分からないドライバー。意識的か無意識的かは分からないが、遠回りを走るドライバー。愛想の一つもでないドライバー。運転が妙に荒いドライバー。とてもプロのドライバーとは思えない人達もかなり多いのが現実。





そのようなドライバーは、自分の仕事を

「お客さんが命令するA地点からB地点まで、安全に届けることだ」

と、自分のミッションを捉えているのではないでしょうか?



これでは、私たちが車を運転する時と全く変わらない。
忙しいさなかに、「女房から駅まで乗せていってくれ」と言われて、「しょうがないなぁ」と思って乗せていく時のあの感覚と同じ。





そのようにしかミッションを感じていなければ、仕事を楽しくするのも難しいと思います。工夫する余地は全くないからです。言われた命令通りの事を、仕事だから仕方なくこなしていく。



ラクするために手抜きをしているつもりかもしれませんが、これでは、仕事はかえって苦しいモノになってしまいます。実際、多くのにこやかなタクシー運転手さんより、不機嫌そうなタクシー運転手さんの方をよく見かけるような気がします。(労働待遇の問題もあるとは思うのですが)





一見、何の工夫もできないように思えるドライバーの仕事。

しかし、タクシーのドライバーでも勝谷さんが紹介されているようなプロもおられるのです。まさに創造性です。移り変わる状況に合わせて、とるべき仕事を常に変化させていく。



勝谷さん紹介のドライバーは、

「移動の安心」を顧客に提供しておられ、

「お客様の望まれる場所に、約束通りの時間までにお届けし、安心してその間を過ごして頂く。」

ことを自分のミッションとして考えているような気がするのです。





だからこそ、「道の研究」「渋滞時間の研究」「地点から地点までの時間の研究」等、たくさんの事を日々の仕事の中で学んでいく。創造性を発揮すべきところも、日々の仕事の中にももたくさんある。その工夫をして、お客様から喜びの声を頂く事で、仕事は楽しいのではないでしょうか?







他のタクシードライバーから見ると、「同じカネをもらうのに、そんなに努力しないといけないんだ」と感じるような、プロのドライバーの仕事。「そんなの過剰サービスだよ」と普通のドライバーだと思うような、プロの仕事。





しかし、同じ労働時間働いていたとき、どちらの方が疲れないか?どちらの方が楽しいか?どちらの方が充実しているか?と考えた場合、どうでしょう。





普通のドライバーの方が工夫も何もせず、ラクできるような感じがしますが、、実際は違うと思います。

恐らくプロのドライバーの仕事をした時の方が、疲れも残っておらず、楽しく、充実した時間になっていると思うのです。おまけにチップをくれるお客様も多いし、使命のお客様も多いと思いますので、収入もいい。





プロの仕事は、どんな仕事にもあるんだという事を改めて、学ばせて頂きました。

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