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新生Yahoo!に見る「人本主義経済」へ変革の兆し

アメリカのYAHOO!は、経営陣を刷新する事になった。
この記事を見て、いよいよ「資本主義」から「人本主義」の時代に転換してきたのだなと痛感した。

ITro:新生Yahoo!よ,どこへ行く!!

 米Yahoo!が今,急ピッチで経営改革を進めている。6月18日,Yahoo!は共同設立者のJerry Yang氏が同社のCEOに就任すると発表した(関連記事)。Yang氏はこれまで,同じく同社共同設立者であるDavid Filo氏とともに「Chief Yahoo!」の肩書きで同社の経営に携わってきた。しかしYang氏自らが最高経営責任者としてYahoo!を率いるのはこれが初めてだ。

 一方で2001年5月からの6年間,会長兼CEOを務めてきたメディア畑のTerry Semel氏は非常勤の会長職に退いた。ここ最近,Semel氏の経営手腕が疑問視されていたが,事実上,株主に退任させられたと言われている。今,海外のメディアは,今回のYahoo!の経営改革を巡ってさまざまに報じているが,異例のトップ交代の背景には何があったのだろうか。

記事によると、特段ページビューが下がってきているワケではないが、業績不振が直接的な原因という事だ。その業績悪化の主要原因として上げられるのが、

  1. ヒット新サービスが開発されていない
  2. グーグルとの縮まらない検索エンジンシェア
  3. 1,2のサービス開発を行う技術者の人材流出と組織内の混乱

が主要問題であるとの事だ。

特に、3番目の問題が今回のトップ交代劇の要因なのだろう。

Yahoo!は人材獲得競争で,Googleなどのライバルに比べ劣勢である。優秀な技術者がYahoo!を離れ,どんどんライバル企業に移っていく。これはYahoo!にとって致命的。その要因の一端が元CEOのSemel氏にあり,また同氏ではこの状況を変えられないことが明らかだったという。

Semel氏では、「人材が集まらない」「技術系の社員のモチベーション」ができないからという理由なのだろう。
どんな業界でも優秀な人材の数は無尽蔵ではなく、有限である。
「その限られた優秀な人材をどこが獲得するのか?」が企業成長・競争優位の鍵になってきている典型例ではないだろうか?ヤフーがグーグルに負け始めたのは、「優秀な技術者がモチベーションアップできる職場環境・風土・ビジネススタイル」が提供できなくなり、「優秀な技術者が流出」していき、結果、ヒットサービスの開発ができなくなったのだろう。表面には、グーグルは「おもしろい新サービスを提供」しているがYAHOO!は「おもしろ新サービスや検索エンジンが使いにくい」から、結果収益に差が出ているように感じるが、根本は優秀な人材が能力発揮できる場作りとその人材の確保」が原因なのである。

成功ルールが変わる!―「カラオケ資本主義」を越えて

成功ルールが変わる!―「カラオケ資本主義」を越えて

  • 作者: ヨーナスリッデルストラレ,シェル・A.ノードストレム,Jonas Ridderstrale,Kjell A. Nordstr¨om,中山ゆーじん
  • 出版社/メーカー: PHPエディターズグループ
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 単行本
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この本の中でヨーナスリッデルストラレ, シェル・A.ノードストレム,も述べているが、「クリエイティビティ」が最も大切な社会になった今、ヒエラルギーが変わってきているのだ。
トップが資本家、次に経営者、そして顧客、働く人々という資本主義型ヒエラルギーの崩壊だ。

社員の能力の発揮をさせる事ができない経営者、優秀な社員の流出をもたらす経営者であれば、どんなにその他の力があったとしても退場していかなければいけない社会なのである。優秀な人材は、今、世界中どこでも引っ張りだこな社会なのだから。彼らのクリエィティビティが「ユニークなヒット商品やサービス」を生み出すのであり、「金やモノ」が生み出すのではなくなってきたのである。ヒエラルギーの頂点が「優秀な社員」が頂上にきた社会になってきたのだ。(悲しいかな一般労働者は、まだ低いままなのかもしれないが・・ただ長期的な視点に立つ経営者であれば、一般の労働者もヒエラルギーのトップに置くような見識をもたれるのかもしれない。長期的にはそちらの方が明らかにメリットがある。)

いずれにしても、いかにそれらの人材が「働きやすい」と感じる会社を作るのかがセンターピンになってきたのだ。