「やる気を引き出す」ための話し方7つのポイント
今日でアマゾンキャンペーン最終日。お得な特典付きです。是非、この機会にお買いあげ頂ければ嬉しいです。
本からカットとなった原稿で、是非紹介しときたいなと思った原稿がいくつかあったので、それを忘れないうちにご紹介しておきます。(昨日の続きは、また、今度書きます。)
『部下の「やる気」を育てる!』は、読者の皆様が「モチベーションについてのフレームワークを分かりやすく理解できた」と感じて頂ける本を作ろうという方針でまとめました。
「やる気を引き出すには大事だな」と思っても、フレームワークから外れたり、ダブったりしているところは、話を分かりやすくする為に、あえて編集で省きました。
その一つが、今回紹介する「部下をやる気にさせる話し方」。
あなたは、部下をモチベートしようとするとき、どんな話の仕方をしていますか?単なる説明と違い、「部下のやる気を引き出す話し」は難しいものです。
そこで、部下のやる気を引き出す話し方のポイントをご紹介。
1. 部下の「メリット」を最初に訴える |
よほど、普段の人間関係が出来ていない限り、あなたが訴えたい事からスピーチに入ると、部下は拒絶します。表面上は、真剣に聞いたフリをするかもしれませんが、上の空で聞いている場合さえあるでしょう。
「やってもらいたい事」は、「部下のメリットを実現する手段」としてを位置づけてスピーチを組み立てる事がとても重要です。この位置づけができなければ、部下のやる気を引き出す事はできないのです。
「今、会社は○○が必要になっている。是非、みんなにも協力して欲しい」と、組織の都合、上司の都合から話をスタートしては、部下に「やろう!」という気持ちをさせる事は難しいものです。
「君達は、○○を望んでいるよね。それを実現するために、何を目指すべきかという事を説明していきたい。」という具合に、相手のメリットから先に伝えていく必要があるのです。あなたの提案する話に夢を感じて貰う事。これができればBESTです。
自分の都合を押しつけるだけでは、部下はやる気になってはくれないという事を忘れないでください。この為には、前提条件として、「部下が望んでいること、夢や目標、ニーズ」をしっかり事前にリサーチしておく必要があります。
2. やる事の意義を伝える |
部下のメリットを中心にして話すだけでも、かなりモチベーションが高まりますが、次に「やる事の意義」をしっかり理解させる事が、同じくらい大事になってきます。
「やる事の意義」がしっかり理解できれば、人は犠牲も、ハードワークも厭わないのです。
「やる事の意義」とは、単に「その部下にとってメリットがある」というだけでなく、もっと多くの人(例えばお客様や他の社員等の周りの関係する人々)に大きな喜びを提供できるということです。
- それをやる事で、社会や顧客をどう革新・変革させていくのか?
- どんな「ワォー」と感じる喜びを提供してくのか?
- どんな「ありがとう」という声や笑顔を頂ける状況を作る事ができるのか?
- どんな社会的な価値を提供できるの?
いわゆる大義名分というヤツです。
あなたがやらせたい事は、部下個人だけにメリットがあるというのではなく、会社、お客様、地域、世界、地球にとって役立つ話だという事を訴えるのです。まず、これを事前に整理して、スピーチを始めましょう。
「より、たくさんの人に何かに貢献していきたい」と考える心を刺激、揺さぶることで、彼らに内在している大きなパワーを引き出す事ができるのです。
3. 正しい危機感をもってもらう |
実は夢だけで「やる気」になる人は少ないものです。「いざ、動く」という段階になった時に、大事になるのが危機感です。
「今のままでは、ダメですよ。危ないですよ。」「これに取り組まなければ、マズイことになっていきますよ」という危機意識を、話の中で植え付けていく必要があるのです。(大袈裟に危機感を煽る必要はありませんが)
例えば、「もしこの事にチャレンジされずに、現在の問題が解決できなければ、君が危惧している○○の可能性が現実化されるかもしれない」という具合に、話をするのです。
この話を行う為には、前提条件があります。
それは、部下の問題意識、何について危機感を感じているのかを正しく知ることです。部下が「何に問題意識を持っている、何に困っている、何に怯えている、何が不安なのか?」をしっかり事前にリサーチしておき、彼の具体的な危機感を揺さぶる話をしていく事が肝心です。関心のない事について危機感を煽っても仕方がないですよね。
4. 話はシンプルに!3つのポイント的に絞る |
「やる気を出して貰う」以前に、話が複雑すぎると、部下は理解不能に陥ります。
目的は、行動を変えて貰う事ですよね。その為には「やる気」にさせるには、部下の頭を刺激し、話を整理させ、記憶させなければいけません。その為には、3つのポイント程度くらいの話しかムリ。
目的は、「やる気を引き出す」ことです。インパクトを与える為にも、話のポイントは、少なく絞りましょう。「シンプル!シンプル!シンプル!」を意識しましょう。
説明会では、人の心は動きません!
5. カンタンにできると感じて貰う(できるという確信) |
ビジネス書のベストセラーを見ると、「あなたでもできる、すぐできる、○分でできる」というカンタンワードが連呼されています。私もこのキャッチにすぐ引っかかってしまいますが、皆さんもそうではないでしょうか?
「カンタンにできる」というイメージは、それほど大きくモチベーションを左右していくのです。
どんなに価値あること、素晴らしい事でも「自分にはできない。自分には難しい。」と部下が感じた瞬間にやる気がうち砕かれていきます。真面目な方が「やる気にさせる話し方」が下手な原因がココにあります。いきなり丁寧に、細かな事まで話をしようとするから、聞く側はすぐに「難しそう」と嫌気がさしてしまうのです。
部下に、やる気を持ってもらいたければ「カンタンにできそうだ!」と感じるように、話をしていかなければならないのです。まずは、あなたが「やる気をもって欲しい事」に関して、話をシンプルにしてアウトラインを説明し、「自分にでも出来る」と部下に確信をしてもらいましょう。
そして、部下がやる気になってきた時点から、詳細については詰めていけばよいのです。相手がやる気にもなっていないのに、詳細の話などをしても仕方がないのです。
6. 数字だけを話すな!複雑な話は、物語化 |
数字は、人の心を「やる気」にはさせてくれません。話を機械的にさせるだけ。
数字の背景にある物語や、数字をビジュアル化して話をする必要があるのです。
例えば、うどん屋さんで「売上を2倍にしよう」という話であれば、「お昼の賑わいだけで終わらせないようにしよう。夜も昼と同じように、行列ができて、お客さんからひっきりなしに注文が飛び交うような、活気に満ち溢れている状況にしよう」のように表現していきましょう。
複雑な事、難しい話であればあるほど、物語、エピソードを織り交ぜて語りましょう。例えば、経営計画の発表など。たんに数字とやらなければいけない事を伝えても、これらの場合は頭に残らないのです。
論理的な話は、頭になかなか入ってこないのですが、頭の中にビジュアルが浮かぶ話や、物語や例え話はスーッと頭の中に入ってくるモノです。
7. 自分が自信を持つ |
皆さんは天才詐欺師と呼ばれるような人に会われた事がありますか?運が悪いことに、私は一度、出会ってしまいました。後から、私はナゼ、騙されたかを考えました。
一般人であれば、ウソをつくと、後ろめたさから、自信なげに話をしてしまうのですが、その詐欺師は「ウソの話でも、ホントの事以上に自信満々に話をしていたのです。だから私は、まんまと騙されました。
例え話は悪いのですが、「自信ある立ち振る舞いは、ウソを隠すほどの威力」があるという事例です。
皆さんが行っている事は、ウソでもないでしょうし、不正をやる事でもないと思います。それだったら、もちろん、自信満々の態度をとって良いはずですよね。
上司が、自信満々に話をしてくれると、その話に対する部下の信頼感が高まります。逆に、自信なさげな話に対して信頼感も持てませんし、まして、やる気など起きるわけがありません。
あなたにとってそれが自信がない事だとしても、その気持ちを部下に見せてしまうと絶対にアウトです。まず、話をする前に、しっかり自分がその話しに納得し、自信を持ちましょう。
・大きな声で
・しっかり顔を上げ
・ヘソに力を入れて背筋をピンと伸ばし
・ゆっくりとした口調で
・そわそわした態度をとらず、どっしりと
・話をする部下の全員の顔をしっかり見渡して
・相手の目を見ながら
話をしていきましょう。そうれば自信を持って話をしているように見えるのです。
特に、「モチベーショントーク」が苦手な方は、じっくり「今から話す事は、誇れることか?後ろめたいことはないか?」という事をじっくり事前に考える時間を持ってスピーチに臨んでください。そうすれば、きっと自信が沸いてくると思います。
実は、本になるまで、書いた量はA4 300枚くらい。それを編集を担当されている千葉さんと議論しながら、A4100枚程度に削って出来上がったのが『部下の「やる気」を育てる!』。まだ、未発表原稿があるので、モッタイナイので、今後、どんどん放出していこうと思います。
- 作者: 小林英二
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2008/09/15
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