モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

今の日本って、日清戦争前の清に似ているのでは?

企業の戦略を考えるにしても、個人としての自分の戦略を考えるにしても、最も大切なことは「時流」という波にどう乗っていくか?ということ。時流とう波に反して泳いでも、努力しても努力しても前に進むことができませんが、時流の波に乗っていれば極端に言えば何もしないでも波が向こう岸まで連れて行ってくれる場合があるからです。


そういう事もあり、2011年を迎えて、皆さんもこれからの世の中、日本はどうなっていくのだろうか?という事を考えている人も多いのではないでしょうか?


私も、自社の戦略を考えるに当たって、これからの世の中どうなっていくのだろう?という事を正月休みの間、考えていました。
今の日本を、どのような時代認識で捉えるのか?


そのキッカケが先日もある社長と話していた時、話題が新卒採用の話です。
「九州で一番いい大学に通っている日本の学生と、そこに通っている中国の留学生。残念ながら、中国の留学生のほうが遙かに能力が高いんですよね。」と社長は言うのです。


これは学生に限った話ではないと思いました。
同じギャラ(給料)を払うのであれば、例えば月額50万の給料を払うのであれば、日本人と中国人、インド人、どちらが優秀か?という議論になった時、「日本語を読み書きできる」能力以外をとれば、多くの場合、日本人のほうが劣るという場合のほうが多いのではないでしょうか?


今は、この「人材の国際的能力ギャップ」は単純労働の分野だけしか話題にはなっていないのですが、今後は全ての分野においてドンドン脚光を浴びていくのではないでしょうか?(給料分の働きを国際的視点で比較するということ)
この状態は、「日本語」の壁というガラパゴス化により、ある意味、日本人は今の給料が守られているところがあると思います。しかし、国際化が進んでいき、このガラパゴス化固執すると生き残ることはムリだと、最近一部の企業が分かってきて人事戦略を変えてきていますが、多くの企業ではまだ従来然としたまま。企業だけでなく、この事を知ってか知らずか、多くの日本人ものんびりしたものです。


先日、NHK坂の上の雲を1話から見ていたのですが、こんな話がありました。
当時、中国は眠れる虎と西洋から一目置かれる存在でした。日本とは比べものがない程の軍事力を持っていると見られていた。
中国の最新の軍艦がデモンストレーションを行いに日本に来て、大勢の日本人が凄い!とビックリすることになる。
主人公の秋山 真之は、是非、内部も知りたいと思い、その船に潜り込む。
すると、その船に乗っている中国人達は、最低のモチベーション。博打をする人、クスリをうつ人。掃除なども全くできていない。そんな状況。
船の中で出会った、東郷平八郎は秋山に言います。「凄い武器だが恐るるに足らず。海軍は人が動かすのだから」といった事を言うのです。
そして、その予言通り、中国は最新の武器を持っていたが、モラルの低さから日本に負けてしまい、西洋諸国が植民地化していくことになる。


この回の放送を見ながら、実に、今の日本の現状とこの頃の清の状況は似ているような感覚を覚えたのです。
最新の設備と技術を誇る、世界第2位だった経済大国。そして、日本に追いつこうとして頑張っている中国をはじめとする途上国という時代背景。もちろん、今の日本人の多くが麻薬をしていたり、博打にのめり込んでいたり、掃除をしていないわけではありません。そんな低レベルの話はありません。


しかし、中国、インド、アジアの人達は、生きることに必死で、一山当てようと必死で努力を彼らはしている。
そんな状況にも関わらず、第二の経済大国だったというインフラ、設備、技術にあぐらをかき、何とかなるさ、まさか彼らに抜かれるなんてありえない!と高をくくっている日本人の姿が、最新鋭の軍艦を保有していることにあぐらをかいて後ろから迫ってくる人達に気づかずにいる清の人達とだぶってみえたのです。


先日、ある経済団体の賀詞交換会にいってきました。そこに参加されている社長さん達の多くが55〜70歳くらいの人達ばかり。今の日本経済を担っている人達は残念ながら彼らなのです。彼らの多くは、まだ夢の中(世界経済の雄だった頃の日本)にいて、現実を直視されていない人達が多いように思えます。そして、同じような経営を続けていく彼らに引っ張られていった日本経済は、気づいた時は茹でガエル状態になっている。そんな暗い未来が、頭の中に浮かびました。(まだ、若い人は危機感があるのかもしれません。)


そうならない為に今、必要なのは、戦後の日本人が持っていた強烈なバイタリティと、やる気の復権だと思うのです。
全てが焼け尽くされた状況に絶望するのではなく、「絶対に生き残ってやる。もう一度、豊かな暮らしを実現してやる」と、モーレツに働くことができた、あの頃、日本人が持っていたような「やる気」をどう復権していくか?に懸かっていると思います。
働く人達から、そんなやる気を引き出していくかに懸かっているのだと思います。
それができれば、絶対にまだまだ経済力は成長できるハズ。


もちろん、今現在の日本でこの事をやることが難しいのは、戦後の日本と違い、今は「焼け野原」ではないということ。今の日本は、バブルの時ほどないにしても、飢え死になど発生しない豊かな国。だからこそ、この「やる気の復権」は、大きく難しいテーマではないでしょうか?
逆に、中国やインド等の途上国の人達は、ある意味、戦後の日本人と同じように飢えに直面している「やる気を持ちやすい環境」にあります。
しかし、そうではない、今の日本の中において、どうやる気を喚起していくのか?難しいテーマだと思います。
「カネ」や「飢え」、「モノ」とは違うパラダイムを作りだし、働く人達の「やる気」を喚起していくというテーマです。


私ができる事は限られることしかできないかもしれませんが、「やる気の復権」に貢献していければと思って、今年一年、頑張っていこうと思っています。