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最先端の情報収集の努力より大切な温故知新〜ジブリの鈴木さんとワン

PODCAST「ジブリ汗まみれ」という番組で、ジブリの鈴木さんとワンピースの作家の尾田栄一郎さんが対談されているのを聞きました。

その中で、なるほど・・・と思った話をご紹介。正直、私は漫画もアニメも全く詳しくないのですが、そんな私でさえ、お二人の話はなるほど!と感心させられました。



それは、尾田さんの古典への知識と興味。そして鈴木さんの古典についての記憶。

古典といっても、お二人はアニメや漫画の世界で生きておられるので、それに関わる映画や落語等の古典だったのですが、2人が尋常ではない古典マニア。





その対談の中でいくつか勉強になった事が4つ。

  • 著名なアーチストは、自分が生まれるより前の古典に詳しい(大変な興味がある)
    情報が溢れている私達は、どうしても最先端の情報を求めてしまいます。しかし、著名なアーチストは逆の思考のようです。「源流をさかのぼる」という発想のようです。例えば、お笑い番組などで、自分の知らない昔のタレントの真似をしている姿を見ると、昔のタレントについて調べ始める等。そして、「源流情報」のほうが、新鮮だったりするという事でしょう。古典には、今も息づくような「根本的なテーマ」があるからなのでしょう。


  • 流行っているものは、今を生きていたら自然に入ってくる。古典は、集めようと思わなければ情報は入ってこない
    例えば、ビジネスマンで考えてみると、最新ヒット商品などは、雑誌やネット等で情報収集をしなくても、遅かれ早かれ耳に入ってくる。そこに時間を使っても、他とは差がつかない。

    一方、過去のヒット商品についてはどうか?自分が生まれる前のヒット商品についての情報はどうか?これはわざわざ情報収集しようとしなければ手に入れること、学ぶことはできない。そして、その中に「これから起こる未来(新しいヒット商品に必要なエッセンス)」が存在するということでしょう。


  • 全く新しいもの等ない。古典に流れる普遍のエッセンスに、現代のトレンド或いは自分なりのエッセンス(視点)を加えたモノがヒットをする
    ワンピースの映画は、赤穂浪士の討ち入りや任侠映画のエッセンスがたっぷり入っているそうです。赤穂浪士の討ち入りや任侠映画の根底に流れているものは、時代が変わっても日本人が絶対に好きなモノだと言うのです。人の趣向は、時代と共に大きく変わるものではなく、基本的なモノは同じであるということでしょう。もちろん、「見せ方」は時代に合わせていく必要があるので、そこにはオリジナリティが必要になってくる。

    これは漫画や芸術などだけではなく、ビジネスも同じではないでしょうか?全く新しい戦略、マーケティングのように思えても、それは過去のモノを今風に焼き直しただけのもの。新しい経営手法等というモノが毎年でていますが、ほとんどは古典の焼き直しで、言葉が今風になっているモノが多いのが現実だったりします。


    しっかりと古典を学び、歴史を学ぶ。これが、最先端でヒットするモノを作る上で最も欠かせないことなのかもしれません。

  • 漫画好きから作家になった人は、ヒット作家にはなれない。プラスアルファの要素が決め手になる
    漫画が好きから漫画家になる人が多いのが現実だそうなのですが、漫画好きだけの人は面白いモノが書けないそうです。尾田さんであれば、古い映画や落語等の、他の人とは異なる趣向を内に抱えている人が、面白いモノを書けるそうです。


    これはビジネスでも同じだと思います。仕事どっぷり、業界の常識にどっぷりつかっている人は当たり前の話しかできない。全く異なった業界の視点、遊びの視点などを加えていかなければ、面白いビジネスアイデアは浮かんできません。

「温故知新」という聞き慣れた言葉があります。しかし、私達はホントにその神髄を理解しているのか?案外、見落としていることが多いような気がします。しっかりと、「過去の成功を学ぶ時間を取る」。この事が、最新の事を学ぶより、もっと大切だったりするという事でしょう。