モチベーションは楽しさ創造から

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「おもしろき こともなき世を おもしろく」

以前、ある会社で中堅社員との会話です。その際、歴史的人物で誰を尊敬するのか?という話になりました。



彼は、高杉晋作が最も尊敬する人物だと言うのです。そこで理由を尋ねてみました。その理由の一つが彼の辞世の句でした。
「おもしろき こともなき世を おもしろく」
確かに素晴らしい言葉です。



彼は続けて言いました。
「今、求められているのは高杉晋作みたいなリーダーですよね。不況、不況で暗い世の中。まさにおもしろきこともなき世の中ですよ。こんな時代をパッと面白い時代にしてくれるリーダーが必要ですよね。これは政治家だけでなく、うちの社長や上司にも言えることだと思うのですが・・」



私も、「確かに、そうだよね。今、求められるリーダー像ってそうだよね。」などと話しながら、「とはいっても・・」と何か引っかかり感じたのですが休憩時間は終わり、話はそこで中断してしまいました。



それが昨日の朝、NHKの子供向け教育番組を見た時、その引っ掛かりが溶けていきました。




番組は次のような1分くらいの番組でした。

長靴をはいた5歳児くらいの子供が傘をさしながら、アメが降っている空と水たまりを見ながら
「おもしろきこともなき世の中」と何度も叫ぶ場面からスタート。


番組を見ながら、私は、こんな小さな子供達に「おもしろきこともなき世の中」等と言わせるなんて酷いな。あまりにも夢がないじゃないか!などと思いながら、番組に見入ってしまいました。


その後、子供達は水たまりでチャプン、チャプンとしている場面に移ります。
そして大きな声で「面白く。」「面白く」と何度も叫び、
「おもしろきこともなき世を おもしろく」と最後にまとめて叫ぶのです。

そう。「おもしろき こともなき世を おもしろく」のパロディだったのです。



これを見ながら私は思いました。
「そうだよな。子供でも憂鬱な雨の一日を楽しくするために、パチャパチャと水たまりを使って面白くしようとしている・・」
高杉晋作好きの彼との会話の際に感じた、引っ掛かりが溶けていきました。



確かに、高杉晋作みたいに、「おもしろき こともなき世を おもしろく」という志を持ったリーダーは必要です。しかし、この「おもしろき こともなき世を おもしろく」という考え方は、リーダーだけに任せてはダメだと思うのです。



会社であれば、全社員。国であれば全国民が「おもしろき こともなき世を おもしろく」を考える必要がある時代ではないでしょうか?



高杉晋作のようにデッカイ話だけが「「おもしろき こともなき世を おもしろく」ではないと思うのです。子供でも、雨の面白くない1日を、水たまりをパチャパチャ工夫することで面白くするくらいはできるのです。



「暗い。暗いといいながら、リーダーにそれを何とかしてほしい」と言うのも大切でしょうが、それ以上に大切なのが、この子供達のように、「今この瞬間、この1日を、面白くする工夫をしよう!」「何とかこの雨の日を、面白くできないだろうか?」という意志が私たちに問われているのではないでしょうか?



一人一人ではたいしたことができないかもしれません。しかし、一人一人が「今この瞬間、この1日を、面白くする工夫をしよう!」と思えば、会社は変える、世の中は変わる。そんな気がします。



子供でも、雨の面白くない1日を面白くすることくらいはできるのですから。(今日、日本代表選手達に、一日を面白くしてもらいましたね!)