モチベーションは楽しさ創造から

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究極の楽しさ創造の達人 ネルソン・マンデラ元大統領を知ろう!

今日から、いよいよワールドカップですね。私は中学校の時、サッカー部だったので、当時からワールドカップが大好きで、今回も、日本代表の活躍も含めとても楽しみにしています。(中学校の時は、マリオ・ケンペスというアルゼンチンの選手が大活躍してましたねぇ。)





しかし、今回のワールドカップで私が一番注目しているのは、実は、ネルソン・マンデラ元大統領です。お元気な姿が開幕式で見れるようなので、それが最も楽しみなんです。W杯開会式にマンデラ元大統領出席へ〜CNN Japan


(CNN) 南アフリカで11日に開かれるサッカーワールドカップ(W杯)の開会式に、同国のネルソン・マンデラ元大統領(91)が出席することになった。元大統領の孫が明らかにした。マンデラ元大統領はサッカーシティ・スタジアムで開かれる開会式に10〜15分ほど姿を見せ、観衆にあいさつする。しかし南アフリカ対メキシコの開幕戦は観戦しない予定だという。

以前から、南アフリカアパルトヘイトと戦った方として存じ上げていたのですが、改めて、その凄さを知ったのは、今年、映画インビクタスを見てから。その映画を見て感じたのは、まさに「楽しさ創造力を持った最高の人物」ということ。彼のような生き方がしてみたい!と思いました。

この映画を見た後、ネルソン・マンデラさんの事が知りたくなって、自伝や、彼に関する書かれた本をたくさん読みました。

特に、オススメなのが、映画インビクタスの原作となった「インビクタス(負けざる者たち)」。これは、是非、みなさん読んだほうがいい。これは、最高の自己啓発書といってもいいと私は思いました。





内容は、マンデラさんが、20代くらいから大統領になり、ラクビーのワールドカップを開催した時期くらいまでを描いた内容になっています。(映画インビクタスのほうは、ラクビーのワールドカップの時期に焦点を当てて描いています)





ネルソン・マンデラさんは、1964年に45歳の頃に「政治犯(テロリストのような扱い)」で終身刑の判決で、ロペン島の刑務所に入れられます。ロペン島の刑務所は、最も凶悪犯が入るような刑務所。マンデラさんの部屋は、独房のような環境です。その刑務所で18年。63歳まで過ごすことになります。それから、更に8年、ケープタウン郊外のポルスモア刑務所(ここらはロペン島の刑務所に比べて、遙かに素晴らしい環境だったようですが・・)に移動になり、1990年に解放されることになります。もう歳は、70を超えた状況です。





みなさんは何歳ですか?今の年から18年後まで、独房に入れられたらどうでしょう。ちょっと、想像してみてください。



私はちょうどマンデラさんがロペン島の刑務所に入れられた年齢の45歳。これから、63歳まで、刑務所に入るということになれば、正直、生きていく希望もなく、気が触れるかもしれないと思います。自殺しているかもしれないし、よくて廃人状態でしょう。70歳まで、刑務所で暮らすということになれば、もう死んだほうがマシときっと思ってしまうと思います。





ロペン島の刑務所では、最初は畳何畳かのスペースに一人きり。唾を吐きかけられるような屈辱や、ムチで叩かれるようなリンチ的な行為も日常的でしようし、過酷な重労働も当たり前。食事も酷いし、夏は暑く、冬は凍えるような環境。白人達にそんな酷い仕打ちを何年も彼はされたのです。





白人達のやった行為は、まさに「人生を破壊する」という行為です。





80年代後半から、黒人のアパルトヘイトへの抵抗が強まり、国際世論も南アフリカに厳しくなります。白人達の政治家は、「このままではマズイ。」と考えるようになります。そこで、誰と交渉すればいいか?と考えたとき、マンデラさんとなったんですね。刑務所の中にいるとはいえ、黒人達から崇拝されていたマンデラさん。この状況を軟着陸させるには、マンデラさんということになったのです。





そして、彼は94年に大統領に就任することになります。

私が、もし26年間も刑務所に入れられて、酷いことをされて、最高権力を握ったら、絶対復讐してやろう!なんて思います。多くの同志達は、その事をマンデラさんに進言をしたのだと思います。





しかし、彼はそれをやらなかった。逆に、白人達が大事にしていたスポーツ(黒人達が白人達の象徴として憎んでいたスポーツ)であるラクビーのワールドカップを全力で成功させることに支援していきます。ラクビーというスポーツで南アフリカが優勝するために全国民一丸で応援をしていくということをキッカケに黒人と白人を融和させていこうとし、それに成功していくというところまでを描いた話が「インビクタス」という本です。





この中で、凄いなと思ったエピソードがたくさんありました。その中で一つご紹介します。(たくさんご紹介したいエピソードはありますが、今回は一つだけ)



私が最も感動したのが、獄中でマンデラさんがとった態度です。


通常であれば、無期刑などで刑務所に入れられれば夢も希望もなくなります。しかし、マンデラさんは刑務所にいる「白人の看守達を偏見のない人達、自分の味方、仲間に変えることができるのであれば、南アフリカ中の白人を変えることができる!」と思い、刑務所を一つの修行の場のように考えたそうなのです。実際に、マンデラさんは少しずつ白人看守のの友人達を増やしし、刑務所の中の環境も少しずつ変えることに成功していくのです。これは、看守の立場から描かれた『マンデラの名もなき看守』(2007年)という映画でも見ることができます。



これって凄いことと思いませんか?どんなに酷い環境におかれても、それを、自分のビジョン達成の為の場と考えていったのです。「絶対にアパルトヘイトを壊し、白人も黒人もなく、一体となって暮らせる南アフリカを作りたい」というビジョン。そのビジョンを実現するために、「今置かれている環境、状況」をどう位置づけていくのか?ということですね。





私たちも不幸な環境。うまくいっていない状況にでくわします。絶望的な状況もあったりします。その状況をどう捉えるのか?「絶望的な環境にさえ、そこに価値を見いだす」ということをマンデラさんは実行し、危機を乗り越えていきました。


「価値を見いだす」ことで、気持ちを奮い立たせることができ、結果として絶望的な環境を変えることができるのだ!ということをマンデラさんは、身をもって教えてくれます。



まさに、これこそ究極の楽しさ創造力ではないでしょうか?「最悪な環境、状況を楽しく価値あるものに変えていくチカラ」。



私は、この本を読んでから「マンデラさんの置かれている環境より、酷い状況でもない。どうにかして今の環境をビジョン実現の為に活かしていこう?」を考えよう!と思えるようになりました。そして、マンデラさんが辛くなって挫けそうな気持ちになった時、常に暗唱していたという、映画の題名にもなった1903年に亡くなられたウィリアム・アーネスト・ヘンリーという詩人が書いた「インビクタス」という詩を私も暗唱するようになりました。



最後にその詩をご紹介して終わりたいと思います。(龍馬もいいけど、ワールドカップをキッカケに、みなさんもネルソン・マンデラ元大統領をもっと知ってみませんか?人生観が変わります!)



インビクタス−負けざる者たち−



私を覆う漆黒の夜

鉄格子にひそむ奈落の闇

私はあらゆる神に感謝します

我が魂が征服されないことを



無惨な状況においてさえ

私はひるみも、叫びもしなかった

運命に打ちのめされても、血を流しても

決して屈服はしない



激しい怒りと涙の彼方に、恐ろしい死が浮かび上がる

だが長きにわたって、そんな脅しを受けても

私は何ひとつ恐れはしない



門がいかに狭かろうと

いかなる罰に苦しめられようと

私が我が運命の支配者

私が我が魂の指揮官なのだ



この詩を読むと、どのような環境におかれても、「自分が自分の運命の支配者」であり、支配しようとしてくる人間や環境に絶対に負けない!という気持ちを奮い立たせてくれます。