楽天のノムさんに学ぶ 「欠点」も考えつくせば、凄い長所になる!
よく成功法則とか、自己啓発系の本を読むと、どの本にも共通して書いてあることがあります。
その一つが「プラス思考」でモノを考える習慣をつけるということです。別の言い方だと「マイナス思考」になってはいけないということです。
皆さんは「プラス思考」を持っているでしょうか?
私は、どちらかといえば「マイナス思考」です。(極端なマイナス思考ではありませんが・・)
たくさんの本を読んで、プラス思考の重要性も分かっているし、それを習慣化しようと努力は日々行っているのですが、肝心な時(たいへんな苦境に陥った時などは)、マイナス思考が頭をもたげてしまい、「いかん。マイナス思考になっている。」なんて落ち込んでいます。
しかし、自己啓発本や成功本の常識とは全く違うタイプの人が成功していたりするから、人生、面白いモノです。
その典型が、今回、楽天イーグルスを解雇されることになった野村監督。
誰が見ても、野村監督はスポーツの分野では、最上位の成功者でしょう。選手時代の実績は、三冠王をとったり、ホームランも600本以上。王さんに続く記録です。そして監督になった現在でも、ヤクルトを日本一にし、今回、弱小球団を、我がホークスを破り、日本一になるかもしれないという所まで強くした。
ビジネスの世界で言えば、営業マンとしても全国でもトップセールスマン。社長になっても、上場を実現したみたいな感じではないでしょうか?
まさに、プレイヤーとしても、マネージャーとしても超一流の実績を上げている。そんな成功者の彼を分析すると、よくある成功法則とか自己啓発に書いてある切り口とは、別の切り口が必要なのではないかと思ってしまいます。
先日、ホークスをクライマックスシリーズで破った後の記事で、ノムさん白旗?マニエル監督からはエール - 野球ニュース : nikkansports.comという記事がありました。
野村監督はグラウンドに姿を見せると、一気に報道陣に囲まれたが、毒とキレの混合したノムラ節が、なかなか出てこなかった。「3戦ある? 2戦(連敗)で
終わるやろ」。今季限りでの退任が決まっている状況。「五十余年の疲れがドッと出た。何もする気が起きない。やったって何もないんだから。ふ抜けの心境で
す」と、決戦前とは思えないほど声が沈んだ。
マイナス思考だからこそ、今の野村監督がある。「ボヤキ」の源は理想と現実のギャップ。常に最悪のケースを考えるからこそ、努力と準備を重ね、選手にも説き続けてきた。敗戦のシナリオを想像してから勝利への糸口を見つけるのが、野村流の兵法だ。
ある意味、野村監督の売り物は、「マイナス思考」。「ぼやき」が商品化されるほどです。
「成功するにはプラス思考!」っていうのもいいのかもしれませんが、野村監督からも学ぶことができると思うのです。
ある意味、野村監督は「マイナス思考を使いこなしている」のかもしれないと思います。
マイナス思考が強いために
- 普通の人以上に、これから起こりうる事や、最悪の事態をシミュレーションしたり、現状分析をすることで、それへの対処をきっちり行う
- 常に現状に不安を感じ、現状に満足することができないため、日々、凄まじい努力をし続ける
- 沸き起こってくる嫉妬心、怒りを、自分のエネルギーに変えて、「なにくそ」という強烈なガンバリを行う
- 自分がマイナス思考の達人なのだから、他人のマイナス思考、マイナス感情を大切にする。マイナス感情を上手に利用した指導ができる
等が、普通の人以上にできる。野村監督は、自分の「マイナス思考という性行」を理解し、それを否定するのではなく、それを使いこなしているのでしょう。
この事を考えたとき、ドラッカーの言葉が思い出されました。
ドラッカーは、組織のウマミは「人の強みを活かし弱みの意味のないものにする」ことを最大限発揮させるにあると考えました。そこで、組織の中でビジネスマンに最大限の能力を発揮させるには、
・自らの強みは何か?
・自分の得意とする仕事のやり方は何か?
・自分にとって価値あるモノは何か
ということをリーダーも、部下自身も知り、それを最大限発揮できるようにする事であると述べていました。
野村監督が優れているのは、まさに「自らの強み」と「自分の得意とする仕事のやり方」をしっかり知っている事ではないかと思うのです。「マイナス思考」がある意味強みであり、それをベースにした仕事の仕方が得意であること。そして、そのマイナス思考を最大限に生かすための、方法を考えていったから成功したのではないでしょうか?
野村監督を見ていると、「一般的に言われている欠点」も否定せずに考えつくせば、それは長所にもなるし、得意とする仕事のやり方にもなるということ。欠点のままになっているという事であれば、それは、考え尽くしていないからだということ。
「マイナス思考」でも、長所にできるくらいなのですから・・