「利益低下」の次に来る、「第2の危機」
ホンダの新社長が決まったそうです。
ホンダ新社長の伊東孝紳専務「モチベーション高める」
世界同時不況の深刻度が増す正月休み前に社長就任の打診を受けて不安も頭をよぎったが、「もう一度理念に立ち返って意気消沈した会社のモチベーションが高まるよう頑張りたい」という持ち前の闘争心がわき上がっていった。
その理念とは、顧客目線に徹底的にこだわった商品開発。その喜びを感じる従業員の輪が広がれば自然と「社員のベクトルが合わさり大きな力を生む」と、難局突破に自信を示す。
新社長がこのように就任のコメントで述べるほど、ホンダさんもモチベーションが下がってきているのでしょう。
この大不況期。まず、困るのが売上の低下です。ユーザーの懐が苦しくなり、今まで売れていたモノが売れなくなる。経営者側としては、まず「金」が大事ですので、損益計算書をキレイにする為に「コストダウン」を言い始めます。売るのが苦しい時代に、ムリに売っていけば赤字が増えるだけだからです。確実にできることは、「コストダウン」ということになる。そして、最も大きいコストといえば、「人件費」「外注費」ということになる。
ここを削るとどうなるか?損益計算書はキレイになってくる。利益も出てくる。しかし、これは「危機の第1ステージ」でしかありません。「ふぅー。なんとか一息ついた!」という感じに一旦なるが、これからが、「業績不振」の第2ステージに突入してくる。この「危機の第2ステージ」を乗り越えてこそ、ホントウの危機脱出になる。
身の回りの派遣社員のクビが切られ、仲間もリストラされていく姿を次から次に目にしていく。利益は出ているとは言うモノの、売上はジリ貧で下がっていく。「売上は、元気のバロメーター」という言葉があるが、「売上が下がってくる」と職場の元気が下がってくる。そして、4月の昇給、夏のボーナス、冬のボーナスも増えない、それどころか減額になってくる。この現実に直面すると、更に社員のモチベーションが下がっていく。
モチベーションが低下した状況では、社員が自ら働こうとしなくなる。創造的なアイデアを出さなくなってくる。積極的に新しい事へのチャレンジもなくなってくる。そうなれば、ユニークな商品も生まれてこないし、技術も生まれてこない。新しい顧客の開拓も進まない。これが「危機の第2ステージ」だ。「モチベーション」が「数字」を悪化させていく。
今までのように、単に会社の方針を発表しただけでは、シラーっとした雰囲気になり、管理職が社員を鼓舞しても、みんなが下を向くばかりになっていく。
業績が伸びており、順調に昇給できた時でさえ、社員のモチベーションを上げることはカンタンではなかったのに、、減給さえしなければならない時代になると、「社員のモチベーション」を上げていくという事は至難の業のように思えてきます。
このような危機意識から、就任コメントで「モチベーション」という事を伊東専務は話しをされたのかもしれません
社員のモチベーションを引き出す手法はたくさんあります。ただ、モチベーションを上げるための最も単純な「カネ」が使えなくなったこの時代。
「カネに頼らず」、経営者、管理者(リーダー達)が、社員・部下のモチベーションを引き出す為の「チエ」をどれだけ出せるか!
これが「危機の第2ステージ」に入らない為のカギになるのではないかと思います。(ホンダの社長交代という事も、チエの一つではないかと思います。)
賃上げが難しい時代。皆さんの会社では、「モチベーションを引き出す知恵」は出てきていますか?あなたは、「モチベーションを引き出す知恵」は出せていますか?
今こそ、真剣に「部下のやる気を育てる!」という事を考える必要があるのではないでしょうか?
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