モチベーションは楽しさ創造から

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リスク、リスクって・・それ程、私達は豊かなのか?失うものは大きいのか


私達、日本人は確かに豊かになりました。世界第2位のGDPを何年も続けています。

お陰で、日本全体で考えればたくさんの資産を持つことになったのでしょう。



しかし、資産を保有することって、いいことばかりではありません。

日本は、第2次世界大戦後に、ほとんど焼け野原になってしまいました。ほとんど資産ゼロからのスタート。生きていくのがやっとの人達ばかりに、日本人はなってしまった。持っているモノはありませんから、新しいことにチャレンジしていくだけ。目の前の事をガムシャラにやることだけを考えていけば良かった。





そして、戦後50年以上経ち、世界で有数の資産を持つようになりました。戦後のように、ホントに生きていくのがやっとの人達はいなくなりました。そして、日本全体が私達は「新しい事へのチャレンジ精神」や「ガムシャラさ」がなくなってきたと思うのです。





そして、関心がでてきたのが「リスク」ということ。生きていくのがやっとの状況では、「リスク」など関係ありません。失うものなど何もない人に、リスクなど存在しません。しかし、金持ちになってしまうと、守るべきものがたくさん生まれます。貯金も増えれば、今の生活も維持したいと思うようになる。資産を持っている人ほど、リスクという言葉に弱い。敏感に反応するのです。





最近、特に「リスク」、「リスク」という人が増えています。企業の新製品も「リスク」を回避するという商品ばかり。IT関連の製品でも、何かが新しくできる商品は少なく、リスク対策商品ばかりです。





何かを保有するって、怖いモノですよね。保有した瞬間から、何かを失わない為の「リスクコスト」がかかってくるようになる。「リスク」は考え始めるとキリがない、「取り越し苦労」のレベルに突入していき、リスクコストは膨大にふくれあがっていきます。そして、この「リスクコスト」が次第に、今保有している「資産」を少しずつ食いつぶしているような気がするのです。





リスクを恐れた行動により、資産を食いつぶしてしまい、気づいたときには、守るべき資産がなくなる。茹でカエル現象と同じ状況になる。今、日本では、この事が起こっているのではないでしょうか?





「リスク!リスク!」と叫び、新しい事にチャレンジしようとせず、ガムシャラに進むことをしない。常に、足下にあるリスクばかりを気にし、おっかなびっくり進む。守るべきものがあるから、当然かもしれません。しかし、別のルートでは、「リスク」などを考えず、ガムシャラに進んでいる人達がいます。(中国やインドなどの成長国)





失いたくないと考えて歩いているうちに、このままいけば追い抜かれてしまうのではないでしょう。





日本人は、歴史上最高の暮らしをしています。しかし、これは過去の蓄積により積み上げてきた資産による恩恵を受けているだけではないでしょうか?(銀行預金の金利みたいなもの)





実際、日本人一人当たりのGDPは、世界でも22位。とても高いレベルではない。そして、アジアNO1でさえなくなってきています。過去の資産の金利があるから良い暮らしができているだけで、今の稼ぎからだけ考えると、これほどの豊かな暮らしはできないのかもしれません。





私達は、ホントのリスクに目がいかず、枝葉末節のリスクに目がいってしまっているのではないでしょうか?稼ぐ能力がなくっている、新しい事にチャレンジしていくモチベーションが低下しているという真のリスクに目がいかず、持っている資産を脅かすリスクにばかり目がいっているのではないでしょうか?





これは国もそうでしょうし、企業単位、ビジネスマン単位で見てもそうかもしれません。



実際、目に見えない銀行預金は、年々、減ってきているのではないでしょうか?稼ぎが少ないので(生産性ランクがドンドン落ちているので)、貯金を崩している。もう、預金に底が見えてきたという事に気づく必要があるのではないでしょうか?過去の資産は当てにできなくなり、もう一度、ガムシャラに前に進む姿勢を取り戻す必要がでてきたように思うのです。過去の資産にパラサイトできなくなった状況に陥っているのではないでしょうか?





「リスク!リスク」と言っている余裕はなくなってきているのだと思うのです。





一度、守りに入ってしまうと、たいして失うものなどない状況になったにも関わらず、「自分は失うものがたくさんある人」という概念から抜け出すことは難しくなるのかもしれません。



今、私達は、「後で、手に入れ直すことができるレベルの守りたいモノ」と「絶対に守りたいモノ」を混在して持っています。「絶対に」と考えると、それほどたくさんのモノはないと思うのです。後で、手に入れ直すことができるレベルのものは、絶対に守りたいモノではないと思うのです。





そして、「後で、手に入れ直すことができるレベルの守りたいモノ」の為に、「絶対に守りたいモノ」を危険にさらしているような気がするのです。





「絶対に守りたいもの」「ホントに大事なモノ」は何かを明確にし、それ以外は手放す覚悟で、ガムシャラに進む。今、私達に、そんな姿勢が必要になっているのではないでしょうか?