モチベーションは楽しさ創造から

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自分の言いたいことを上手に伝える事ができますか?情報伝達に必要な2つの力


情報を伝えるには、抽象的に話をする力と具体的に話をする力の2つが必要になってきます。

抽象的な話と、具象的な話。どちらの方がインパクトがあるでしょうか?

答えは、具体的な話。





なんとなく、理解はできていたのですが、約1年間ブログを自分で書いてみて、ブクマという数値が見える化されてみると、この事が実感できました。

このエントリを書いている時点で、14964ブクマがあるのですが、人気のエントリを上から見ると、上位のほとんどは「具体的なエントリ」です。具体的エントリとは、マニュアル的であったり、ポイントのみを示す形のエントリ。すぐに、使う事がイメージできるようなエントリ達です。





逆に不人気なのが、抽象的なエントリです。考え方や概念、コンセプトなどを書いたエントリは不人気。抽象的な事を、多くの人に「なるほど」と思わせるのは、難しいものです。まだ、私に抽象的な内容を訴えるだけの文才が追いついてないのでしょう。具象化的な話は文才などなくてもインパクトを持って伝える事ができるのですが、抽象的な事を、多くの人に分かりやすく伝えるのは難しいものです。





この抽象化力と具象化力。ブログに限ったことではありません。通常のコミニケーションの際に特に重要になります。シチュエーションや相手に応じてに、臨機応変に抽象化と具象化を使い分けていく事が、上手なコミニケーションには大事になってきます。





そこで、抽象的な話と具象的な話を上手に使い分けていく為に、抑えておくべきポイントを整理してみました。

  1. 短時間で深い内容を説明するには抽象的な話
    相手が、社内のお偉い人であったりすると、短時間しか時間が取れないケースが多いモノです。その短い時間で、こちらが訴えない内容を伝えようとすれば、抽象的な話をしていくしかありません。あなたが訴えたい事をコンセプトとして、抽象的に3つ〜5つ程度にまとめていく。そして、「今回のテーマを実現する為のポイントは3つあります。一つ目は・・」という形で、複雑な話を分かりやすく抽象化(単純、明瞭にしていき)して、話をしていく事が大事になっていきます。


    また、複雑すぎる話は、それをそのまま話をしていけば理解させるのは難しくなります。まず、複雑な話を、単純、明瞭に「抽象化」してあげ、分かりやすくする必要がでてくるのです。たくさんの事を伝えようとすればするほど、話は難しくなってきて、情報量が多くなってきます。相手の理解力を越えた状況になっていきます。だから、「複雑な話を単純、明瞭に抽象化する!」という事も大事になってくるのです。


  2. 深く考えるつもりのない人にインパクトを与えたければ具象的な話
    抽象的な話はインパクトがありません。セールストーク、PEPトークなどは、特にインパクトが大事になります。聖書がたくさんの信者にインパクトを与える書物になっているのは、単なる抽象的な話だけが書いてあるのではなく、具体的な話が豊富だからではないでしょうか?インパクトを与えたければ、単にカタログ的な話をするのではなく、どれだけ具体的な話をするかがポイントになります。


    例えば、家具を売ろうとするのであれば、単に、どんなデザイン、サイズ、素材、価格というカタログ的な情報を伝えてもインパクトは小さいものです、もっと具体的に、相手の部屋を聞き出し、その家具を置けばどんなイメージになるかを伝えたり、その家具を作る為にどれだけの職人ワザが使われているのか?皮を決定する際に、他の皮ではなく、なぜそのような皮を使ったのか?など具体的であればあるほど、相手にインパクトが与える事ができるものです。


    インパクトを相手に与えたければ、具体的であればあるほど、相手にあなたの訴えたい事が相手の頭にイメージされ、心に響くようになります。但し、あまりに具象化ピントを上げすぎると、インパクトは強いが、一部の人にしか興味を持たれない話になってしまう危険性が出てきます。


  3. 相手の咀嚼力を読みとりながら、焦点を決定する
    なぜ、具象化的な話の方がインパクトがあり、人気があるのでしょうか?答えは、聞く方に「頭を使わないでいい状況を作っている」から。抽象的な話は、聞き手にその頭を使って、話しを咀嚼、展開する事を要求します。先ほどの家具の話でも、カタログ情報だけでは意味がないので、カタログ情報を、自分の家に置き換えて考える、イメージするという作業が必要になります。例えば、「横サイズの2メートルという事は、家のどこに置くか?どれくら場所を占領するか?窮屈にならないか?ところで入り口は入るだろうか?」等々です。


    正直、余程、興味の持つ話以外は、自分の頭を使って「咀嚼しよう!」と考えようとしません。世の中、考えようとしない人の方が多いのです。咀嚼などという面倒な事をせずに、すぐに理解したいというズボラな人の方が多いのです。(「大事な事」以外は、考えたくないという人と言った方がいいかもしれません。)だから、抽象的な話は聞き流される可能性が高いのです。


    抽象的か具象的かは、相手によって、この感覚は違います。新人さんには、マニュアルレベルの話しが具象的でしょうし、現場責任者の人と話をする際は、大項目レベルの話をしていけば具象的でしょう。相手の知識、咀嚼力に応じて、「具象化・抽象化」が違ってくるという事です。


    だから、まず相手の「咀嚼力」を知る事が大事になってきます。咀嚼力が弱い人には、具象化のピントをかなり高めて話をする必要があります。新人さんに話をする際には、マニュアルレベル、動作レベルに咀嚼した話が必要になるでしょうし、そんな話を経営者にしていたら、「無駄話をするな」と怒られたりします。

    相手の咀嚼力より、咀嚼しすぎると、「なんて、まどろっこしい話をするんだ」と軽蔑をされます。逆に、相手の咀嚼力より、咀嚼が足りないと、、「何を言っているのか分からない。難しすぎる話をするヤツ」と思われてしまいます。相手の咀嚼力をどう見極めるのかが、大事になってきます。標準のセールスレターなりセールストークを作る際などは、相手の咀嚼力をかなり低いレベルで想定して構築するのが無難でしょう。

  4. 具体的な話には、条件節が伴う。使えない危険性がある
    具象的な話には、実際にはかなりの条件節が入ってきます。「○○という条件で合った場合は、××である」という話です。具象的な話であればあるほど、条件節が複雑になってくるのです。インパクトは強くて、成功イメージも容易につかむことはできるが、それは特定の条件の場合だけに限った話でしかないという事です。しかし、この「条件節」があるという事は、聞く側は、なかなか理解してくれません。「オッ。分かった。すぐやろう!」なんて思ってしまうのです。しかし、やった結果はどうかと言えば、なかなかうまくいかない。


    そうなるのも当然であり、具体的であれば、あるほど、条件が少し変わると、「すぐには使えない話」になってしまうという事です。マニュアルも詳細レベルに書いてあればあるほど、実際に使い勝手が悪いというのは、こんな所にもあります。接客マニュアルなどで教育されたマックのパートさん達が、相手が少し想定外の反応をしてしまうと、とんでもない反応をしてしまうケースなどが典型ですよね。


    また、全ての条件節に合った形でマニュアルを作ると、膨大なものになってしまうし、そうなれば見るのがイヤになるという事になってしまいます。

  5. 複雑な話は、まず抽象化し「簡潔・明瞭」に話す。そして、具象的に捕捉する
    具体的な話は、インパクトはありますが、ズバリの具体的な情報以外は、すぐに使うのは難しい話になってきます。具体的な話とは、裏を返せば「具体的な話→抽象化して一般でも使える法則化→自分に当てはめる」という複雑な作業が、聞き手に要求される場合が多いのです。


    ですから、先に、抽象的にまとめてポイントを伝え、「具体的には・・」という事で、話を展開してあげるのが、相手に伝わる情報伝達のポイントになってきます。ただし、そこでの具体的な話は、相手の咀嚼力に応じた、具体性を持った話にしていくということ。


    複雑な事を伝えようとすればするほど、抽象的な話と具体的な話のバランスがとても大事になってくると思います。

私も、無意識に情報伝達を行うと、つい、この抽象的と具体的のバランスが崩れてしまいます。顕微鏡的なミクロ視点の具体性、望遠鏡的なマクロの視点の抽象性。目の焦点を自由に使い分けるるように、シチュエーション毎に、抽象性と具体性を自由自在に使い分ける事ができるようになりたいものです。




PS

私の本、「モチベーションが上がるワクワク仕事術」これからも応援よろしくお願いいたします。
めざせ!仕事のプロ モチベーションが上がるワクワク仕事術

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