「いつかは創業したい」と考えている人への金言
みなさんGWはいかがお過ごしでしたか?私は、貯まっている原稿の執筆で、あっという間に時間が経ってしまいました。そんな中、なかなか読めなかった本も読むことができました。その1冊が梅田望夫さんの「ウェブ時代5つの定理」。
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読んだ感想は、「未読の本の山に埋もれさせなくて良かった。これからビジネスを立ち上げる人や新規事業でビジネスを立ち上げる人へのアドバイスには使える!」ということ。
そこで、今回は、「これからビジネスを立ち上たいと考えている人」にアドバイスをするとという視点から、参考になった部分をご紹介。(この本には、他にも優れた技術者になる為の視点など、いくつも参考になる部分もありますが、今回は、この部分に絞ってご紹介)
ビジネスを立ち上げる迄には、3つの時期があります。
- 卵の時期 (起業への思いはあるのだけど、何をやっていいか分からない時期)
- 幼虫の時期 (やりたい事はきまったけど、まだ決断がつかない時期)
- 成虫飛翔の時期(スタートアップした時期)
この3つの時期をどう乗り切るのか?という視点でこの本を捉えると、実に役立つ金言が満載だと思います。
この本をベースに「これからビジネスを立ち上げる人や新規事業でビジネスを立ち上げる人」にアドバイスをすると、
卵の時期
- 起業したければ、世界(業界)がどう変化していくのかが見通す事ができる職を手に入れろ。ロードマップを手に入れる事ができれば、自分がやるべき事が見えてくる。チャンスが到来した時が見えてくる。
- あなたが接する事ができるビジョナリーを探せ。そして近づけ。そのビジョナリーが放つ金言に接する努力をやり続けろ
幼虫の時期
- 起業を決意する条件は3つ
、「今、働いているフラストレーションが報酬より大きいこと。そして、起業した際の失敗の恐れより、成功したいという欲の方が大きいこと。新しい技術や製品が作れること。」
この3条件が揃えば、起業を決断してよい。
- 決断するは、プログラム言語で書くといい。「もし○○ならば△△する。そうでなければ××を行うことにする」
- 起業する事以外に、何も思いつかない時だけ、起業しろ。起業以外の人生がイメージできるのであれば(今後のキャリアで転職などが考える事ができるのであれば)、起業はやめておけ。起業は、それほど甘いモノではない
- あなたには起業に対して常軌を逸したようなエネルギーがあるか?勢いとエネルギーがなければ、有から無は作り出せない。
- 常軌をを逸したようなエネルギーや熱は、「やりたいことをやる」という気持ちと「社会をよりよいものにしたい」という2つの気持ちの組合せにより生まれてくる
- 今の日本においての起業する事は、「死ぬほど怖い」「身がすくむ程の悪夢で夜も眠れないほど怖い」目に遭う。それは覚悟して、起業しよう。
- 周囲に、「そうだ!やれ、やれ!」「それがお前の進む道だ」と励ましてくれる、イケイケドンドンの前向きな仲間を作り、元気を貰え。
- 失敗しても返さないでいいお金をできる限り作ってから、ビジネスを始めろ。(貯金するか、賛同してくれてお金を出してくれる仲間を集めろ。借金に頼るな)
- 起業は、お金を稼ぐことだけを目的にすると失敗する。「自分のビジネスを通して、世の中をどう良い方向に変えていくのか?」という理念を持て。そのイデオロギー・理念が仲間を作り、情熱を掻き立て、金を集める事になり、経済的成功をもたらす。経済的成功と理念は矛盾しないのだ。
成虫の時期
- 不確実な未来に対応する為には、「もっと知りたい。もっと高めたい」という探求心で、誰にも負けないくらいモウレツに学び続ける意志を、CEOは持ち続ける必要がある
- 社内で最高の倫理観を持て。物事にオープンで、正直であれ。隠し事はするな。そうする事が、周囲に優秀な人間を集め、その才能を活かすことになる
- CEOの仕事のスピード、仕事の質が、企業の仕事の質、スピードを決める。CEPは、常に自分の仕事の仕方を見直せ
- 起業時のリーダーは、人にやらせる事を考える前に、まず自分が率先垂範して結果を出せ。「まず、動く」という文化を、自分から動いて作るのだ。
- ファクトベースの意志決定をしろ。データ重視の意志決定を行う。「誰が言っているから」というような政治力での判断をするな。
- 「お前は完全に失敗した」と言われる時もあるだろう。しかし、己を信じて勝つまで、最後までやり続ける覚悟で仕事に取り組め
- 落ち着きたければ、起業家はやめろ!
パラノイア(病的なまでの心配性)だけが生き残る。ビジネスは常に変わり続ける。完成はないのだ。自社も自分の会社も変わり続けなければ、変化に置き去りにされるだけだ。だから、変化の予兆をビンビン感じるためにもパラノイアになる必要があるのだ。
- あなたがが何でももできるカリスマの天才である必要はない。優秀な選手を集め、その持ち味を活かせるチームプレーが発揮できる戦略を作れ。しかし、その為にも「最高に常軌を逸した情熱のある人材」にはなる必要がある。
- 「誰と働くか」は上手なスタートアップには欠かせない。妥協せず、力のある人材を採用しろ。あなたより、何かの能力で優れている人材だ。強い個、優秀な個があってこその、チームワークである。
- 好きな人。価値観が共有できる人と仕事をしろ。好きな人と仕事ができれば、言葉は少なくても互いに理解できるので、仕事のスピードアップにつながるのだ。
- 社員、全員がYESという人材を採用しろ。妥協して採用をするな。Aクラスの人材を採用しろ。間違った人材を採用すると、手間暇がかかるバッカリで終わる。逆にAクラスの人材を採用すると、Aクラスの人材を呼び込むことになる。
- Aクラスの人材を採用しろ!Aクラスの人はAクラスの人と仕事をしたがる。Bクラスの人はCクラスの人を採用したがる
- 4種類の人材を確保しろ。情熱を持ったリーダー。(それがあなた)タフな技術者。経営と財務が分かる人材。幅広い人脈を持っていて、営業ができる人材。
- 外部から、自分たちだけではできないことのできる人材、自分たちがなれない能力を持っている人材を手に入れろ。彼を口説き、チームに引き入れろ。それが飛躍につながる。
- 仕事の本質は、「働く喜び、楽しさ、幸福感」。これを提供できる職場、仕事を作っていく必要がある。良いチームで楽しく働く事が、ある意味、人生で最も幸福な事だから。
- その為にもチームワークが必要。チームワークは、コミニケーションという幹とお互いに対する尊敬と共通の目標認識という土台から生まれてくる。
- チームの単位は6人から8人にしろ。一緒にランチを食べながら、会議を進める事ができる程度がちょうどいい
改めて書いてみると、それぞれ含蓄のある言葉ですね。書いてみて思ったのですが、これは、起業家を目指されている人だけでなく、経営者の人達にとっても忘れがちになるけど、大事な金言ですね。
PS
私の本、「モチベーションが上がるワクワク仕事術」。増刷が決定しました。皆様のおかげです。
これからも応援よろしくお願いいたします。
- 作者: 小林英二
- 出版社/メーカー: シーアンドアール研究所
- 発売日: 2008/02/20
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