仕事って本来、面白くないものなのか?
久しぶりに、エドワード・L・デシの「人を伸ばす力」を読み直してみました。
- 作者: エドワード・L.デシ,リチャードフラスト,桜井茂男
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 1999/06/10
- メディア: 単行本
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それとも、仕事って、もともとは面白いものなのでしょうか?
これによってモチベーションの考え方って違ってきますよね。
もともと面白くないのであれば、無理矢理にでもそれに対してモチベーションを上げる工夫が必要になります。力を持っているリーダーがその権限を使って統制を行っていく事でモチベーションを上げていく必要が出てくるのです。
仕事をやれば、ご褒美が貰えるとか、給料がたくさん増えるとか。逆に、仕事をサボれば、給料を下げるとか、叱って喝を入れるとか。アメとムチをモチベーションとして使い分けていく必要がでてくるのです。ギシギシに統制をしていく事も大事になってくるのでしょう。
しかし、仕事とは、もともと面白いものだとすると、どうでしょうか?もともとは面白いモノなのに、いつのまにか面白くなくなっていくと考えた場合です。本来面白かったモノが、
- 誰かから強制され統制され、プレッシャーをかけられる事で面白くなくなったり (自律への欲求)
- 自分の無能さ、無力さに打ちひしがられて面白くなくなったり (有能への欲求)
- 上司や同僚から受け入れられないなどの人間関係で面白くなくなっていく (受容への欲求)
仕事や職場の中で感じた自律性の喪失、無能感、、孤独感がモチベーションを下げていくという考え方です。エドワード・L・デシが訴える「内的動機付け」の考え方ですね。
私もデシの意見に賛成で、「仕事にもよるとは思いますが、ほとんどの仕事は後者のように仕事はもともと面白いもの」だと思うのです。面白いモノだけど、仕事を通して出会う、組織のカベ、閾値を越えるカベ、人間関係のカベに出会うことで、だんだん仕事が面白くなくなってくる。
面白くない仕事をもっとやろうと思えば、無理矢理の動機付けが必要になってくる。権力で統制していく事が必要になってくる。権力を使っての無理矢理モチベーションアップさせようとすると、なおさら仕事が面白くなくなるという悪循環に入っていく。
もともと面白い仕事がつまらなくならないように、部下に対して
- できる限りやらされているという感覚を与えずに「自律性」を発揮させ、
- 「有能感」を感じさせるように支援していき
- 君は大事な存在なんだという「受容感」を感じて貰う事
が、管理者のモチベーション術においては最も大切だと思うのです。
私の本の「モチベーションが上がるワクワク仕事術」は、統制するリーダー側の視点でなく、統制される側の視点に立った本です。仕事を通して出会う
- 組織のカベ
- 閾値を越えるカベ
- 人間関係(上司)とのカベ
を、リーダーに期待することなく、自分で乗り越えていく為に書いた本です。
今度は、是非、リーダーの人に読んで頂くモチベーション(メンバーに自律性を発揮させ、有能感や受容感を感じてもらう為)の本を書いてみたいですね。真のモチベーションは、リーダー側と本人側の2つの協力で成り立つ話でしょうから。
- 作者: 小林英二
- 出版社/メーカー: シーアンドアール研究所
- 発売日: 2008/02/20
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