IT人材が不足と思うのならば、企業は「働く側視点」をもっと持つべきでは?
独立行政法人 情報処理推進機構(略称:IPA)のIT人材育成本部ITスキル標準センターによりIT人材市場動向予備調査がまとめたものが発表されました。。
内容は、以下の通り
- IT人材市場動向の現状に関する調査
- 「IT人材市場動向」に関する調査範囲の設定
- IT人材市場動向に関する既存調査・資料の分析結果
- 今回の予備調査の設計に関する検討
- IT人材動向調査
この調査では、以下をIT人材と定義して、調査が行われています。
そんな中で、量的にも、質的にも業界的に不足感を感じているというデータ。
このデータを見る限り、量、質ともに9割方の企業が、「IT人材不足」に悩んでいる事が見受けられます。
では、「IT人材の育成」に企業側は、何に問題意識を感じているのでしょうか?
人材育成の視点で見ると
指導する人材不足、育成時間の欠如が大きな課題と認識しているようです。また、費用対効果が分からないという事も、企業側の育成に取り組んでいない言い訳になっている事が分かります。
また、新卒の人材採用といった視点で見ると
「業界の仕事のイメージが良くない」と、業界イメージの悪さが言い訳になっているのが分かります。
この調査では、IT業界の人材不足という問題が深刻だという事は分かるのですが、企業側の問題意識は、マトを得ているように思えません。
人材育成がうまくいっていないのも- 自分たちが、人材育成を担当する人を育てていないからであり
- 人材育成担当者に、十分に育てている時間を与えていない
からであり、「不足。不足」と嘆いているだけであり、それへの投資を十分に行っていこうとする意識がない現状。
人が育ってこないのも、当然でしょうし、自分のレベルアップが期待できなければ、せっかくの人材も退職していく人も増えていくのでしょう。
また、このような業界の悪習が学生さんから、「仕事のイメージが良くない」と捉えられてしまっているのではないでしょうか?
「IT業界の人材不足」を補う為には、まずは、「社員の満足度」を高めること、「自分たちの仕事に夢や価値を見出すことができる組織」「社員を育てる文化」を築き上げる事にもっと、企業側が真剣に取り組む必要があるのではないでしょうか?もっと、社員のモチベーションアップを図るような環境作りに意識を注ぐ必要があるように思えるのです。
そのためにも、企業側にだけこのような調査を行うのではなく、「IT人材」や「就職予定者」にも、調査を行っていき、働く側の声にもっと耳を傾けていく必要があると思います。
今の時代は、優秀な人材は、国を越えた人材獲得競争の時代です。もっと「働く人」の視点に立った施策の検討が必要だと思います。