マルチ商法億万長者が行うモチベーションの手口
マルチ商法ネタが、いくつか読んで、以前にマルチ(某最大手マルチ会社)で億万長者になっているディストリビュータを取材したことを思い出しました。
NC-15
- マルチ商法に嵌ると、金や友達だけじゃなく自分の人生まで喪うぞ。
Business Media 誠:山口揚平の時事日想: 人はなぜマルチ商法にはまるのか?
約10年くらい前の話。きっかけは、私の友人。その彼の親(仕事としての)が、その億万長者ディストリビュータのAさん。その友人は、私を自分のグループに引き入れたくて、Aさんが彼の代わりに説明にきました。
私は、マルチの仕組みも商売柄、詳しく知っていたし、やる気もさらさらなかったのですが、実際にそれで億万長者になっている人が、具体的にどんな仕事の仕方をしているのかを興味がありました。
そこで、一応入会金を払い、彼のグループに潜入。彼の仕事の仕方を潜入取材しました。
彼の仕事ぶりで、感心したのが、モチベーション力。
会員を入会させるためのセールス力はたいした事ありませんでした。マニュアル通りのありきたりの話をしただけでした。フーンって感じ。
たぶん、彼が億万長者になったのは、入会させた後の下のディストリビュータへのモチベーション力だったと思います。
その手口(?)をちょっとご紹介。
1.夢を魅せる手口1・・豪華住宅に招待
彼が最初にやること。
それが自分の自宅に誘うことでした。
彼の自宅は、超豪華マンション。当時、福岡で一番高いマンションの1フロアー。
室内インテリアもスゴイ豪華なものばかり。
現物のインパクトは強烈です。これに一般人であれば、すぐイチコロになってしまうと思います。
そして、彼はボクトツと話します。
「自分みたいな人間でも、このような家に住む事ができます。」と
2.夢を魅せる手口2・・・カンタンにできると思わせる
そして、話を続けます。「私みたいになるのは、難しい事ではありません。カンタンです。あなたも、このビジネスを、私の言うとおりにやれば成功できます。全て、私がそのノウハウを教えてあげます。」
そして、更に証拠という事で、自分の教え子の住宅を案内していきます。そして「B、C,D、全て私が言ったとおりにやったら、あれだけ豊かになりました。みんなカンタンって言ってたでしょう。あなたもできます。」
3.決断を迫る
そして続けます。「私の時間には限界があります。全ての人をお手伝いはできません。私の言うことを素直に、実践してくれるという人であれば、一生懸命にお手伝いします。いかがですか?」と決断を迫ってきます。夢を魅せた後の、決断を迫られて、思わずYESと言う人も多いのではないでしょうか?
4.ポジティブ思考を植え付ける
マルチの商売、断られる、友達を失うなどは、当たり前の商売です。そんな事にクヨクヨしたら、始まらないビジネスなのでしょう。そこで、まず、彼が教育と称してやっていたのが、モチベーション研修。
・自分の今までの生き方を振り返らせる
・そして、生き方での問題点を内観させて、気づかせる
・「問題点を解決しないまま、生きていくとどうなるか?」を想像してもらい、恐怖を感じて貰う
・それへの解決への決心を固めて貰う
というやり方。
ここでの問題点とは、「マイナス思考」であるとか、「行動力のなさ」とかいうことですね。
その後、「ポジティブシンキング」やら「夢を持つことの重要性」やら、成功哲学本に書いてあることを教育していました。
まぁ、だいたいこの頃には、多くの一般の人は、彼の信者になりつつありましたね。
5.夢を無理矢理でも思い出させる
その後、週に1回くらい、会議と称するものを開催していきます。そこでやるのが、各人に「夢」を発表させ、現状の達成状況を確認しあうということ。
夢がない人は、他人の発表を聞いて、夢をもたなければと思います。
夢を忘れかけている人は、夢を毎週繰り返し発表することで、夢を忘れなくなってきます。
夢を順調に達成している人は、発表により、自慢ができ、達成する事の快感を味わうことができます。
会議ということを通して、参加者はモチベーションがアップしていきます。
6.くじけそうなメンバーには夜中にでも個別教育
それでもモチベーションが下がってくる人がいます。
そんな時は、夜中の12時でも、2時でも関係なく、個別に呼び出し、実践教育をしていきます。
ロールプレイングを何度も行わせて、自信をつけさせていました。
そして、翌日に営業した結果を報告にこさせて、また夜中トレーニング。
すごい、労働量です。
7・定期的に、大金持ちの成功者の話を聞かせて、夢を思い起こさせる
それでも人間ですから、モチベーションが落ちてきます。
そこで2ヶ月に1度ほど、Aさんの友人の大金持ちを呼んで発表会が行われます。
その際の会場は、大きな市民ホール。1000人近く入るホールは超満員。
その話を聞いていると、
・発表者のスゴイ経済力の話(こんな買い物したとか、こんな旅行に行ったとか)を聞いて夢が膨らみます
・それも、カンタンにすぐ実現したみたいな話を聞いて、欲が喚起されます。
・自分以外の熱気あふれる1000人の姿を見て、「自分だけがこれをやっているんではない」という安心かでてきます。
「自分がやっている事は間違いではない。頑張って進むだけだ!」と、発表会終了後には、またモチベーションがあがって帰っていきます。
この取材通して感じたこと、学んだことは、これだえk努力するなら、どんなビジネスでも成功するだろうということ。せっかく努力するなら、もっっと価値あるサービス、社会に役立つサービスで努力した方がいいんではないか?ということでした。
しかし、こう改めてまとめてみると、今でも同じような事をしている人が多いですね。
「情報商材なんちゃら」なんて売っているような企画とかも、同じやり方。
「洗脳型モチベーション」も一つのやり方ではあるのでしょうが、正直、私はこのやり方には、嫌悪感を感じました。
ちなみにAさんとも、その友人とも取材が終わった後は付き合っていません。一生懸命やらないので見捨てられました。(^_^)