モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

経費削減も大切だが、ミッションの陳腐化問題の方が深刻ではないのか?

最近の私のテーマの一つが「Back to Basic」。
もう一度、「基本」に戻ろうという事をやっています。


だから、読書も新刊を読むことより、昔、感動した本、仕事の基本を作ってくれた本を読み直すことの方が増えています。
その中で、最近読み返しているのが、PF・ドラッカーの「マネジメント」。
この本は、PF・ドラッカー経営コンサルタントのグルとも呼ばれ、この本は経営の教科書としても有名。


私も、何度も、この本を若い頃に読んで、仕事の基本としているつもりだったのですが、読み直してみると、案外、できていないモノです。今の私が抱えている課題、クライアント企業が抱えている課題の多くが、この本に書かれている基本ができていない為に起こっていることが殆ど・・


ドラッカーの言葉に「組織とは、目的ではなく手段である。自らの機能を果たすことで社会、コミニティ、個人のニーズを満たす存在」という言葉があります。
今、日本企業の多くは、大不況のまっただ中にいます。
多くの業績が悪いのを不況のせいにしたがるのですが、実は、この言葉の意味を自社に問いたださなければいけない時期ではないかと思うのです。


社会が求める機能は、時代によって異なってきます。例えば、文具品などは20年前までは、国内メーカーに作ってもらうしか、社会が文具を手に入れる方法はなかった。しかし、今は、中国や東南アジアからも文具を手に入れることができる。国内メーカーが作るよりも、安く。

「文具を提供する」という社会的機能を果たすだけで、20年間には儲かった会社も、今では、その機能を果たすだけでは、業績は悪化するだけ。社会が求める機能は、昇華していく。それを満たすことができなくなれば、社会的手段としての企業は存在価値を失い、退場させられていくことになる。


社会的機能を果たせなくなった組織は、市場から退場させられる。市場から退場させられた組織で働いていた人が、また社会が求める新しい機能を提供していく組織で働くようになる。そうすることで、常に、社会は必要とする新しい機能をまかなっていくことになる。そんな仕組みなのでしょう。


今、日本の多くの企業は、「社会から求められる機能」を大きく見直さなければいけない時期なのでしょう。
中国等BRICSの台頭により、経済構造が大きく変わっている。高齢化大国になり、人口構造も大きく変わっていく。豊かな状態で暮らしてきた若者が増えてきて、今までのような画一的な消費者像が大きく変わっていく。


これら大きな変革が起こっているのですから、あなたの会社に対して「社会から求められる機能」が変わるのが当然。
会社だけでなく、日本に対して「世界という社会から求められる機能」も変わってくる。


今まで、豊かだったのは、「あなたが果たしていた機能」の価値が高かったからだと思うのです。しかし、時代の変化と共に、私達が提供している「社会的機能」は陳腐化し、価値がドンドン下がってきている。だから、売上が下がり、利益率が下がってくる。


今まで、「社会からどんな機能を果たしてきたのか?」、「今後とも、その社会的機能を果たすだけでいいのか?」「もっと、異なることを社会は我々に機能として果たしていく事を期待しているのではないか?」を全面的に見直していく時代になったのではないでしょうか?
小手先の改革も大事なのですが、今、ホントにやらなければいけない事は組織のミッション見直し、事業定義の再構築時期だと思うのです。
この問いは、企業リーダーだけでなく、国のリーダーも、個人も今、考え直す時だと思うのです。


例えば、国の場合でも・・
オーストラリアは、いち早く不況から抜け出そうしているそうです。オーストラリアが持っている「レアメタル等の資源を生み出す」という社会的機能が、今後ますます重要になってくるから、価値が上がっている。
一方、日本はどうか?単にテレビを作る、自動車を作るという世界における工場機能は、他の国が担ってくれそうです。次の、日本が世界の中で果たす社会的機能は何か?これが見えてこない。「世界の環境問題を解決する」だけでは、弱すぎる。もっと大きな役割を担う必要があるのでしょうが、それがハッキリしない。


単にデフレ対策、雇用対策等の当面策ばかりをやっているだけでは、焼け石に水民主党政権になって、「経費削減」の話ばかりが全面に出てきています。
しかし、もっと大事なこと。「世界の中で果たす、日本の社会的機能は、今までのままでいいのか?」を考えて欲しいと思うのです。

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