反省ベタな野球界。結果を精神論で終わらせると、次には何も活かせない
星野仙一氏、北京五輪の敗因述べる - 野球 - SANSPO.COMにこんな記事がありました。
報告書の総評と反省で星野氏は、金メダルを獲得した韓国と比較し「気持ちの面で、弱い面が出た。選手たちは気を抜いて戦ったわけではもちろんないが、気持ちの部分で差があったかもしれないとも思う」と指摘。
報告書をホントに星野監督が書いたかどうかは不明ですが、野球界の共通認識がこれだと、WBCにしても不安になりますよね。私が気になったのは、
「気持ちの面で、弱い面が出た。選手たちは気を抜いて戦ったわけではもちろんないが、気持ちの部分で差があったかもしれないとも思う」
というところ。
意味が分かるような、分からないような話しです。「気持ちが入っていないというワケだけど、気持ちで負けていたんだよね・・」要は、死んでも勝つという根性が足りなかったという事を敗因に上げているのでしょう。
この報告書を一般企業で提出されたらどうでしょうか?営業部長が、売上目標未達の報告書に、「営業マンはやる気がなかったという事はありませんでしたが、目標を死んでも達成してやるぞという気持ちが足りなかった」と書いたら・・
当然、そんな報告書は認められません。きちんと「敗因分析」ができなかったら、また同じ事の繰り返しになるのではないでしょうか?この敗因分析をもとに、次への解決策を作るとしたらどんな策になるのでしょうか?
・「死にものぐるいの気持ち」にさせる為に、負けて帰ってきたら、国民みんなで卵をぶつける
・負けて帰ってきたら、日本のプロ野球ではプレーできないようにする
そんな冗談のような話しになるのではないでしょうか?(実際、負けて帰ってきた後、監督、選手も袋だたきにあっているので、対策は取られたのかもしれませんね。)
しかし、実際、敗因はそんなことではないように思うのです。逆に「勝たないといけない」というプレッシャーにがんじがらめになっている選手達の方が多かったのではないでしょうか?恐らく、この反省のままWBCに行くと、更にガチガチで選手達はプレーせざる得なくなるような感じですよね。オリンピックで負けた後、あれだけ叩かれているのを見ていますから、ますます「勝たないといけない」というプレッシャーが高まってプレーしないといけなくなるのではないでしょうか?実際、それがイヤで、代表を拒否している選手もいるのでしょうから・・
きちんと総括、反省が済んでいないので、同じ事を繰り返すのではないかと心配です。
ホントの原因は、「必死さが足りなかったのではなく」、逆で、「気持ちがラクに、選手を伸び伸びとプレーさせることができなかった」ではないのか?今年の日本シリーズでの西武の戦い方などを見ていると、そう感じました。
マスコミなどの外部からの強いプレッシャーを受けて、監督やコーチがPUSH型モチベーションで管理しようとしすぎ、選手がおかしくなってしまったと思うのです。具体的には、管理職が「プレッシャーを和らげる事ができなかった。守ってあげるような仕組みやコーチングを行う体制ができなかった」方が原因にあるのではないでしょうか?そこを具体的に問題として、リストアップしていく事が、次のWBCの結果に繋がると思うのですが・・
しっかり、原因分析をせずに、精神論で終わる。これほど、無用な反省はない。管理職が、「選手の精神」を業績未達の原因にするというのは、よくないですよね。正しい反省ができない所には、更なる悪循環がまっている。
野球界は、ホントに反省下手ですね。
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