中村俊輔に学ぶ 今ある引出を磨くこと、新しい引出を作ること
中村俊輔。復帰いきなりゴール。スゴイですよね。俊輔77日ぶり実戦飾る/スコットランド杯 - サッカーニュース : nikkansports.com
先日、カレー屋で読んだ雑誌Number694号に載っていた俊輔選手のインタビューを読みました。
その中で、彼が話していた「引き出し」論がとても参考になりました。
今後のサッカー人生を考えたとき、「手に入れたいモノはナニか?」という 質問に対して答えているところです。
- 新しい「引き出し」を手に入れたいと彼はいうのです。
サッカー人生を考えたとき、引退近くなると体力的な衰えによって、今まで「開いていた引き出し」が開かなくなってくると。その時に向けての準備が大事だと言うのです。
- イタリア代表だったバッジョがそうだった。スピードも、当たりも弱くなっていく中、肝心なところでのパスセンス、ゲームを読むカン、俯瞰できる力等の「新しい引き出し」を常に作り続けていたので、彼は、引退前も最高のパフォーマンスを上げる事ができた
- スピードが売りの選手がスピードを失ったら終わりというパターンが非常に多い。そうならない為には、少しでも引き出しを増やす必要がある。スピードが売りの選手は、「スピードという売り」が有効な間に、キックのコントロールという新しい引き出しを作っていく事が大事。
- 「今まで使っていた引き出し」が開かなくなったときにも対応できるように、「新しい引き出し」を作っていくことが今は大事。俊輔の場合、今の引き出しは「フリーキック」。だからフリーキックの練習は少しだけ。後は、新しい引き出しを作る為の練習に時間を割いているとのこと。
- 「新しい引き出し」を作るとは、できない事をできるようになること
- これからは、以前は「開いていた引き出し」が開かなくなってくる。そんな時、「開かなくなってきた引き出し」を捨てていくことも求められる
こんな事が書いてありました。
この話を聞いて、プロダクトライフサイクルという概念を思い出しました。
プロダクトライフサイクルを説明すると
- 商品は常に同じように売れ続けるのではない。ライフサイクルがある
- R&D期は、研究投資ばかりが発生して全く売れない時期。
- 導入期は、市場への認知力が弱いので、たくさんの販促費がかかる割には売れるスピードがゆっくり
- 成長期は、市場への認知率が高まってくる時期であり、急激に市場が広がり、売れるスピードが加速される時期。
- 成熟期は、市場への浸透度が一通り行き渡り、売れるスピードが落ち着いてくる時期
- 衰退期は、新商品の登場や代替え品の登場、消費者から飽きられる事等により売上が減少していく時期
販売していこうとする製品がどのライフサイクルのどこに位置しているかを考えて、マーケティング戦略を考えていく必要があるということ。
俊輔選手の話を聞いて、「私達の人生、仕事の中にもプロダクトライフサイクルがあるのだ」と改めて気づかされました。
- R&D期、導入期
- 社会人になり立て、若手社員の時は、「自分ならではの引き出し、得意分野の引き出しとして、何が可能性があるのか?」を探す時期
- 成長期
- 若手から中堅にかかってくると、その可能性を「自分ならではの引き出し、得意という引き出し」へと確立していく。(俊輔選手で言えばフリーキック、正確なパスなど)
まずは一つ「人よりダントツ秀でたもの」を何か確立していく時期。
- 若手から中堅にかかってくると、その可能性を「自分ならではの引き出し、得意という引き出し」へと確立していく。(俊輔選手で言えばフリーキック、正確なパスなど)
- 成熟期
- 中堅からベテランになると、今まで苦手だと感じていたものにチャレンジして、「新しい引き出し」を確立していく。得意分野に満足せずに、「引き出しを増やし続ける」ことに注力をすべき時期。
- 衰退期
- ベテランになると、今まで作ってきた引き出しの中で、時代の流れ、体力の衰えなどで、得意分野のいくつかが使えなくなってくる。「使えなくなった引き出し」に固執してしまうと、失敗してしまう。
「使えなくなってきた引き出し」を捨てながら、あるいはダミーにしながら、「使える引き出しを組み合わせることができるという引き出し」で勝負していく
- ベテランになると、今まで作ってきた引き出しの中で、時代の流れ、体力の衰えなどで、得意分野のいくつかが使えなくなってくる。「使えなくなった引き出し」に固執してしまうと、失敗してしまう。
人生のフェーズにおいて、努力の方向、勝負の方向が違ってくるという事を、俊輔選手のインタビューで考えさせられました。
あなたは、今、どのフェーズですか?