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企業の社風を知る為にも、自分を知る為にも知っておくべき心理学(2)


就活する為の企業分析ということで、「将来性」「安定性」、「待遇」「楽しく仕事ができるか?」

「やり甲斐を感じることのできる会社か?」「成長支援力」を見極めるための視点を紹介してきました。





今日は、昨日に引き続き「社風」(企業風土)を見極めるための視点を紹介していきます。

この記事は

昨日の「企業の社風を知る為にも、自分を知る為にも知っておくべき心理学 」の続きです。

読まれていない方は、まずこちらをお読み頂いて、この先をお読みください。







弊社では「やる気決算書」という弊社独自の手法で、多くの組織を

「社員のセルフモチベーション力」「上司の部下のやる気を引き出す力」「社風」の3つの視点で

「やる気を引き出す力が組織にどれだけあるのか?」を分析してきました。

自分に向いた社風で働いているのか?社風にどれだけ満足しているか?は、

「働く人のやる気」に大きく影響することが分かっています。







では、簡単にどんな社風なのか?を見極めるためにどうすればいいのでしょうか?

素人の方にオススメなのが、昨日の人格適応論を使う方法です。

人には、昨日に紹介したように性格が存在します。

人の集合体である組織にも、性格が存在するのです。それが社風だと考えて頂くと分かりやすい。





では昨日紹介した、人格適応論の6つのパターンを企業風土に当てはめるとどうなるか?を紹介します。





  1. コンシェルジュ型社風
    人の和を大切にする社風。お客様に喜ばれる、社員に喜ばれることを第1に考える社風。
    ほのぼのとした雰囲気。チームワークを重視し、個人で仕事をするというより、組織全体で仕事をしていくイメージ。
    社内レクレーションや飲み会等も積極的に行われており、上下、横のコミニケーションも豊富。
    職場での会話も豊富。個人目標よりも、チーム目標を互いに助け合いながら達成していく事を求められる。
    互いに気を遣うことが重視されるので、「上司が残業していたら、みんな帰らない」等の悪い気遣いも発生はする。
    人の和が乱れるのを恐れるために、給料体系なども年功序列型に近い給料体系をとる。
    責任の所在がハッキリせず、厳しさに欠けるところがあるので、順調な時はいいが、変化に弱いところがある。


  2. 発明家型社風
    イデアを大切にする社風。楽しくパワフルに働くことを大切にする社風。
    明るく、元気に、自主性を重んじ、自由闊達に意見をいいあうイメージ。
    コンシェルジュ型と比べ、互いへの気遣いは少なく、各人が自分がやりたいことをやる。
    オモシロ人事制度や、オモシロ表彰など、その会社独自の工夫が行われている。
    レクレーションや飲み会等も全員参加型ではなく、気の合った者同士で行われる為コミニケーションに偏りもある。
    規律が緩めの組織。行きすぎると、ノンモラルな組織になってしまうところがある。
    自由を大切にしてくれるが、そのため結果責任は厳しく問われる人事体系、給料体系をとる。



  3. 革命家型社風
    平凡な事を良しとせず、大きすぎる程の夢に向かって、リスクを恐れずにチャレンジしていく社風。イケイケドンドンのイメージ。
    社員同士、冗談を言い合ったりして笑い声も多いが、無駄な気遣い、遠慮はない。
    形式的なレクレーションや飲み会などは少なく、実質の伴うコミニケーションを重視。
    みんなで業績を上げるというよりも、一人一人が頑張っていくプロとして実績を上げていくことを重視。
    優秀な成績を上げた人をヒーローとして特別表彰するような制度があり、逆に成績を上げれない人は肩身が非常に狭い。
    無駄な会議、打合せなどを嫌い、どう行動するか?を求められる。
    努力は認めてくれない。求められるのは「結果」「業績」である。人事・給与体系もこれを重視したものになる。
    リスクを恐れず、常に高い目標をチャレンジする意欲を求められ、素早く行動し結果を出す事を厳しく求められる。


  4. 哲学者型社風
    地味なことでも、決められた事をコツコツと、黙々と実行していく社風。
    大きな事へのチャレンジよりも、目先の事を安定的にしっかりと行っていくことを大切にする。
    職場での会話も少なく、自分の仕事に各人が没頭している。
    一人一人の時間、プライベートを大切にし、それにクチも出さない(関心もない)ので、レクレーションや飲み会も少ない。
    TOPダウン型の明確な指示命令のもと、それに従い愚直に行動していく。会議での発言も少ない。
    決められた目標は、どんな困難があっても、一歩一歩諦めずに達成していこうという雰囲気がある。
    コミニケーションは活発ではないが、困っている仲間がいれば、手助けしようというチームワークはある。
    変動するような業績給などはなく、年功序列的な人事・給与体系をとる。
    マニュアル、チェックリスト等がしっかりと整備されており、それをコツコツと行っていくことが求められる。


  5. 官僚型社風
    合理性を重視し、無駄を排除し、必要なことを完璧にやり遂げていこうとする社風。
    業績に対しても非常にシビアであり、目標に対して、キッチリと計画を作り上げ、それを徹底していく。
    目標に対し、最短距離で何をすればいいか?を考え、妥協せずにそれを実行していく事を求められる。
    会社内では無駄話もほとんどなく、必要な連絡事項等を中心としたコミニケーション中心。
    会議等での発言は、直感的な発言は許されず、事実に基づく論理的な発言が中心に交わされる。
    効率や能率を重視。ルールや決められた事は完璧にこなすことを求められる。
    業績やどんな行動をしたかをデータとして捕捉し、それによいr給料や昇進を決めていくという、明確な人事制度がある。
    「完璧に目標や計画を実行する」ことを価値感とし、その実現に向け、キッチリと厳しく管理される。


  6. 任侠型社風
    会社の理念や志、思い、こだわり、TOPの人生観を全社員に徹底し、社員もそれに熱く共感している社風。
    言われた事だけをするのではなく、「理念遂行のために自分はどうやればいいか?」を考えて行動する事を求められる。
    堅実さを大切にし、用心深く物事を調べ、行動することを求められる。
    職場においては無駄話をする雰囲気は泣く、真面目な話が多い。
    飲み会等の場でも、「もっと理念遂行していくためにはどうしていけばいいか?」が熱く語り合われている。
    従来のやり方に固執する、保守的傾向も強い。
    業績数値の達成だけでなく、理念に沿った行動をしたか?考えて行動をしているか?も評価項目に入った人事・給与体系をとる。


就活の最初の段階で、各社の社風を分析するには、この6つでざっくりと分析すると、簡単だと思います。

例えば

ユニクロなら?

ソフトバンクなら?

Googleなら?

京セラなら?

どれに該当すると思いますか?みなさんの知っている会社なら、どこに当てはまるか想像がつくのではないでしょうか?





しかし、「最終的にどの会社を選ぶか?」といった場合の社風を見る場合であれば、

この6つの適応タイプのどれに当てはまるかを考えるだけでは不十分。





性格と同じように、この6つの適応タイプは企業の中にも全て存在するからです。

6つの適応タイプの強弱が、真の社風と言えるからです。





例えば、次のような図の強弱の社風だったらどうなるでしょうか?






このような会社なら

発明家と任侠が高いということは、

自分達の志理念を追究することに熱い思いを持った集団であり、その実現のために、明るく、元気に自由闊達にアイデアを言い合う社風。

単なる真面目一辺倒ではなく、楽しくそれを実現していこうという思いも強い。



官僚と革命家が平均並ということは

それなりに無駄を嫌い完璧さを求める部分もあり、積極性を重んじ実績重視の社風でもある。



哲学者とコンシェルジュが低いということは、

コツコツと努力する事が苦手で、諦めが早い部分があり、社員のプライベートには関心がなくドライな雰囲気で、自主性に任せたコミニケーションの社風。





この会社の社風をまとめると

「自分達の志理念を追究することに熱い思いを持った集団であり、その実現のために、明るく、元気に自由闊達にアイデアを言い合う社風。

しかし、理念実現に向けて、コツコツと努力する事が苦手で、アイデアを実にする前に諦めてしまうことも多い。

会社の雰囲気は、単なる真面目一辺倒ではなく、楽しくそれを実現していくための工夫も数多くされているが、

社員のプライベートにまで相談に乗ることなどはあまりない、細やかな気配りの欠けたドライな人間関係が基本。

無駄を嫌い、積極性を重んじ、実績重視の社風でもある。」

ということになります。



企業訪問、OB訪問をするなどして、その会社の社風に触れ合った後、直感でも構いません。

その会社の6つのバランスがどのようになっているか?を、以下の図にグラフ化してみてください。


直感とは言え実際に訪問し五感で集めた情報ですから、一般的な情報よりも、正確な分析になっているはずです。







人間は完璧な性格の人などいません。長所もあれば、短所もあります。

組織も同じです。完璧な社風などありません。社風により長所、短所があるのです。





大切なのは、自分の性格にあった社風を選ぶ事です。

そうしなければ、社風に溶け込めずに、孤立したり、能力が発揮できなかったりしてしまいます。

早期に退職する人の多くは、自分に合わない社風の会社を選んでしまったからではないでしょうか?







だから、自分の個性とピッタリとは当てはまらずとも、自分の性格と似た社風を選んでください。

(自分の性格については、昨日のエントリを読んで頂ければと思います。)



そのような意味でも、会社分析だけでなく、しっかりとした自己分析も大切になってきます。

自己分析の方法については、今週また別の記事で紹介していこうと思います。









人格適応論も使っている性格分析

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