ぶれないスタイルを持つべきか?部下に合わせるべきか?
日経ストラデジーの12月号に「叱って育てる、褒めて伸ばす 指導スタイルを決める」という特集があった。
「上司がモチベーションUPのスタイルを決めることが大切」というテーマで
「部下に合わせて褒め戸しかりを使い分ける事も時には大切だが、上司に一貫した姿勢がなく行き当たりばったりの対応していては部下は混乱し、不公平感も募る。」
だから、「自分は褒めるタイプのリーダーになるのか?叱るタイプのリーダーになるのか?」という指導スタイルを決めろといった内容でした。
叱って育てるリーダーの事例、褒めて伸ばす事例もいくつか紹介されていました。
この特集、いろいろ考えさせられる内容でした。
叱られるのが大嫌いな私は「叱るばかりのリーダー」なんて絶対に嫌。
この特集を読んだリーダーで「俺は叱るばかりのリーダー」になろうと決意して、叱ってばかりの上司の下で私がサラリーマンとして働かないといけないという状況になったら、正直、すぐに退職したくなるだろうな。
読者の中にはそんな私とは逆に、そんなリーダーの下で働きたいという人もいると思います。
この記事を読んでの最初の印象。
指導スタイルって、リーダーが勝手に決めてうまくいくほど甘いものじゃないのではないか?ってことです。
与えられた人材というコマを考えた時に、私みたいなタイプばかりがコマとして揃っていれば「褒めるを中心にしたリーダー」を演じる必要があるでしょう。
逆に単刀直入に叱って指導されたいと思っているタイプばかりがコマとして揃っているのであれば「叱るを中心にしたリーダー」を演じる必要があるでしょう。
部下のタイプに合わせて、いろんなタイプを演じることができるのがリーダーの器だ。
そんなこの記事に批判的な視点もあると思います。
一方、部下育成で苦労しているリーダーが多い現実から考えると、この主張もまんざらオカシナものではないかもしれないという視点捉えることもできます。
たしかに「俺のスタイルはこうなんだから、お前らは俺に合わせろ!」というのは難しいと思います。
しかし、上司のスタイルに合わせて、部下を集めていくという考え方を取り入れることができる職場であれば、このやり方は最も効率的ではないか?上司が、あまり部下育成で気苦労をしなくていいからです。
「褒めるを中心にしたリーダー」の下には「褒められて伸びる人」ばかりを配置していけばうまくいくでしょう。
「叱るを中心にしたリーダー」の下には「叱られて伸びる人」を配置していけばうまくいくのでしょう。
上司の個性・スタイルと部下の個性がピッタリくるような人ばかりを配置できる職場であれば、この主張はとても素晴らしいと思います。しかし、上司の個性・スタイルと全く異なる個性を持った部下がいる職場だと、この理論は破綻してしまいます。
皆さんの職場はどうでしょう?
皆さんの個性、スタイルとあった部下が揃っているでしょうか?
皆さんの個性とあったスタイルの上司の下で働いているでしょうか?
- リーダーの、部下の個性への対応力で組織を引っ張るか?
- リーダーの個性に合わせた「採用・配置」を工夫する事で組織を引っ張るか?
この2つの選択肢を考える前に、前提としては
「上司である自分の個性と、部下の個性を正しく把握する事」が必要になってくるのでしょうが…
ホントは、同じ褒めるにしても部下の個性タイプによって褒め方も違うし、叱るも同様。モチベーションUPのやり方も「叱る」「褒める」だけでなく、いろんなやり方があるので本誌の記事のように2つに二分してスタイルを決めていくのも、正直どうかとは思いますが…
いずれにしろ、考えさせられるテーマでした。
個性を、人格適応論を使って分析するシステムとして、私達はUPシステムというものを開発しました。
UPシステムの概要はこちらに詳細をまとめていますのでご覧ください。