モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

狭義のかけがえのない人、本物のかけがえのない人、

ITプロの「かけがえのない人を作ってはいけない」というエントリを読みました、


 リチャード・コッチ氏(『人生を変える80対20の法則』の著者)に言わせれば、「10人の開発プロジェクトがあれば、わずか2人で全体量の80%を開発している」となる。少し言い過ぎのように思えるが、当たっている気がすると思うプロジェクトマネジャー(PM)は少なくないだろう。


 この2:8の法則の「2」に該当する優秀な技術者の中で、さらに「かけがえのない人」を作ってしまうと、時としてプロジェクトの破綻を招いてしまうことがある。

確かにプロジェクトとしては、全体を理解し、スキルも高く、リーダーシップもあるような「かけがえのない人」を作ってしまうと、その人が欠けたときに、プロジェクトは崩壊します。だから、かけがえのない人を作るべきだ!かけがえのない人が欠けてもいいシステムという主張はもっともな事だと思うのですが、もっと高いレベルの視点で、この問題を考えてみると、どうでしょう?







小さなプロジェクトマネジメントという視点では「かけがえのない人」を作らず、それを補うシステムにしていくべきだとは思うのです。その為にマニュアル化をすませ、他の人ができるようにノウハウ移転を行っていく。これは小さなプロジェクトマネージャーの視点では、正解だと思うのです。しかし、これをもっと高い視点(経営の視点)で捉えると、ホントに、この考え方で運営されていいのか?と言えば少し違うと思います。この考え方は、20の人が80の成果を生み出すアンバランスさのリスクばかりを考えた施策のように思えるからです。この事は大切だと思うのですが、もっと大切なのは20の人を増やしていくことだと思うのです。





狭義の意味での「かけがえのない人」とは、「その業務プロセスに精通している人」という事でしょう。しかし、そのような人は、「その業務(そのプロジェクトだけ)でかけがえのない人」でしかすぎません。このような人は、マニュアルチックな機械的な仕事ばかりさせても時間が経てば育つのでしょうが、組織全体から見て、本物の「かけがえのない人」かどうかと言えば?マークがつくと思います。

本物の「かけがえのない人」とは、

  1. チームの目標を作り出すことができ
  2. 目標達成の為の問題発見ができ
  3. 解決に向けた、斬新なアイデアを提供でき
  4. イデア実現に向けた役割分担とスケジュールについての合意をメンバーから取り付け
  5. 目標達成しようぜ!とチームを盛り上げ
  6. イヤな仕事、難しい仕事を率先して自分から率先して引き受け
  7. 困難に出会って挫折しそうな仲間を元気づけていく

そんな人だと思うのです。





こんな「本物のかけがえのない人」の数が、企業の成長と収益性を決めていくと思うのです。今、そのような人が100人中20人いたら、これを25人、30人と増やしていくことが大切だと思うのです。





残念ながら、このような本物のかけがえのない人は、「かけがえのない人が欠けたときどうするか?」という事ばかりを考えても生まれてこないように思うのです。マニュアルやシステム等では生まれてこないと思うのです。





どうすれば本物の「かけがえのない人」が生まれてくるのか?は、プロ野球やサッカー選手のニュースターが登場する瞬間を見ていれば分かると思います。彼らが生まれてくるのは、レギュラー選手の欠場から生まれてくるのです。即ち、「かけがえのない人が抜けた時」に、彼らは生まれてくる。





かけがえのない人が欠けることを恐れずに、

かけがえのない人が欠けたときをチャンスとして捉え、

そのチャンスを若い人にドンドン与え、(どんどんチャンスを与えるからという事で、円滑に動いている間にしっかりと若い人に準備させ)

「失敗してもいいから、自分の頭で考えて見ろ」とバックが後押しをしてくれて

はじめて、かけがえのない人が生まれてくるのではないでしょうか?





「かけがいのない人」が欠けた時のプロジェクト破綻ばかりを恐れて、官僚主義的にリスクヘッジのシステムばかりをやっていても、プロジェクトの失敗は減っても、画期的なプロジェクト成功は生まれてこないと思うのです。ホントに今私達に必要なのは、バイタリティのある本物の「かけがいのない人」。80対20の法則で言えば、20をどう増やすかにチャレンジすべき。





「かけがえのない人」が今やっている仕事を、思い切って若い人達に行わせ、失敗覚悟で自分の頭で考えてチャレンジさせる。

かけがえのない人が欠けたときの対策を考えるより、今、このほうが私は大切なような気がするのですが…




PS
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iPhoneワクワク仕事術 ?イヤな仕事も楽しく変わる仕組みのつくりかた

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