未来を予測する為に、大事な4つの視点
戦略の基本は、未来の予測です。今後変化すると思われる、「環境変化」に対して、どう適応していくのか?どう、変化の波に乗っていくのかという事が戦略には欠かす事ができない視点です。いくさ、素晴らしい差別化の方向性を考えついたとしても、世の中の流れに逆行するようであれば、それは上策とは言えない。また、自分には太刀打ちできないような競合が、どんどんその方向性に参入してくるようであれば、その方向性は上策とは言えません。
時流、潮流にいかに乗るかが大切になってきます。では時流、潮流にどう乗ればいいかを考えると、これはかなり難しい。まず難しいのが「時流、潮流」という未来の予測が難しいのです。今、とても時代の流れが速い時代。
たぶん去年の今頃に、サブプライムが崩壊した後にこれほどの世界的な金融恐慌が訪れることを予測していた人は少ないのではないでしょうか?ほとんどの経済学者やエコノミストと呼ばれる人の予測はオオハズレでした。それほど、今後の予測は難しい。
皆さんの業界の今後の未来をどう予測されていますか?各人、その未来にての勝者になる為の戦略を作っていく必要が出てくると思うのです。
その未来を予測する為のヒントになる本が、湯川鶴章さんが書かれた「次世代 マーケティングプラットフォーム」という本。PODCASTのIT潮流でもおなじみですね。ITやマーケティング関係者にとっては、湯川さんが予測する「IT業界やマーケティング業界の具体的な未来」が描かれているので参考になると思います。しかし、それ以上に、この本で参考になったのが、湯川さんの「未来の予測の仕方」です。これは、ITやマーケティング等を行われている方以外にも参考になると思います。
次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの
- 作者: 湯川鶴章
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2008/09/27
- メディア: 単行本
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- 究極の未来の方向性を見極め、それに対して現在地点を確認する
- 過去と現在地を結び、それから直線上に、未来を描くのが一般的かもしれません。
湯川さんの考え方は、逆。
まず、究極の未来を描く。そして、それに対して、技術等が現在どこまで進んでいるかを確認する。そして、数年後の未来を予測するという考え方。これは面白い考え方ではないでしょうか?
- 過去と現在地を結び、それから直線上に、未来を描くのが一般的かもしれません。
- 究極の未来とは、多くの人が望んでいる「理想の未来」
- この本では広告の未来を2つの立場で紹介。
広告主の立場における「理想の広告」とは、「費用対効果、ROI(投資収益率)の高い広告」ということ。できる限り少額の予算で、的確なターゲットに、できるだけ広くメッセージが届き、利益に貢献できる広告。
消費者の立場における「理想の広告」とは、「自分にとって役に立ち、欲望を満たしてくれる情報。なおかつ邪魔にならないようなもの」
私は消費者としては、
・ベストタイミングで
・欲しいモノに関して或いは「今まで知らなかったけど、知ったら欲しくなるモノ」に関して
・他の競合商品とも比較できて
・実際のホントの利用者の声を聞けて
・商品を使った知らない使い方まで教えてくれて
・邪魔にならないような方法で情報提供してくれて
・欲しくなったらカンタン・すぐに買えるように工夫された
広告が理想ですかね。
- この本では広告の未来を2つの立場で紹介。
- 技術革新は周縁部分で起こる。周縁部分が広がる事で、市場は広がる。それがコア部分の縮小の始まりとなる。
- 大型コンピュータがコンピュータ業界のコアだった時代。それを小さくしたパソコンが出てきた。最初は、誰もが「あんなのオモチャだ。誰があんなの使うの!」と言っていた。しかし、1960年代から1970年代にかけて、大型もPC共に順調に成長していくことになる。しかし、1983年にPC市場が大型市場を抜くことになる。それ以来、PCは更に普及をしていく事になり、全体コンピュータ市場もそれに伴い拡大していく事になる。
そして、大型コンピュータはなくなりはしないが、縮小傾向をたどるようになっていく。
今のコアで周りの「周縁」で起こっている事に、「変化の兆し」が存在する。みなさんの環境における「周縁」とは何でしょうか?そして「周縁部分」が拡大していく時に、どういう戦略をとっていくのか?どう戦うのか?が重要になる。ヤフーやグーグルにメインを取られそうになっている、新聞社のサイトのようになってはアウトです。l早く気づくことが大事。
この話に追加するとすると、私達は否認の罠に陥っていないか?で述べた、「中核部分」(製品の主要目的)と、「拡張部分」(追加機能や特性)という考え方を合わせていくといいかもしれません。
- 大型コンピュータがコンピュータ業界のコアだった時代。それを小さくしたパソコンが出てきた。最初は、誰もが「あんなのオモチャだ。誰があんなの使うの!」と言っていた。しかし、1960年代から1970年代にかけて、大型もPC共に順調に成長していくことになる。しかし、1983年にPC市場が大型市場を抜くことになる。それ以来、PCは更に普及をしていく事になり、全体コンピュータ市場もそれに伴い拡大していく事になる。
- 大きな変革が起こると、競争ルールが変わる
- 中世から近代にかけて、銃が普及した。それまでは、武士が鍛錬をしていった武術がどれだけ鍛えられている武士がどれだけおり、その規律が保たれているかがルールであった。
しかし、銃という「技術変革」があると、ルールが変わった。武術について十分な鍛錬をされていない農民でも、銃の扱いをマスターさせる事で、武士を凌ぐことができるようになったのである。他にも、産業革命の結果、「服作りの職人」は「女子供」に負けることになった等、変革の後、競争ルールが変わった事例はたくさんある。
ビル ゲイツが言うところの「経済のリワイアリング(配線組み替え)の時代」。売り手と買い手が一つの配線で繋がっていた時代から、あらゆるものが情報化された時代においては、あらゆるメディア、販売チャンネルを通じて複数に繋がる時代に変わっている。(ビジネスのやり方が大きく変わる時代)
これらの変革に伴い、あなたの身の回りの競争ルールは、どう変わっていくのか?これを見極める事が大事なのでしょう。
- 中世から近代にかけて、銃が普及した。それまでは、武士が鍛錬をしていった武術がどれだけ鍛えられている武士がどれだけおり、その規律が保たれているかがルールであった。