モチベーションは楽しさ創造から

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「心配性」という事も一つの才能!天才に学ぶ「不安感」の上手な使い方



ビートたけしさんの会社、オフィス北野の社長の森さんが書いた本「天才をプロデュース」についてのブックレビューに3割のNOで、『天才をプロデュース?』 〜北野武のつくり方、教えます (超ビジネス書レビュー):NBonline(日経ビジネス オンライン) がある。

森さんはビートたけさんしの仕事の仕方をこう表現しているそうだ。

 一緒に夜中まで飲んで、たけしさんの家に泊まりこむことがあった。森さんを寝かせたあと、たけしさんはシャワーで酔いをさまし、机に向かって書きつけていた。ネタ帖らしい。飲み歩いてはそのたび机に向かうたけしさんを見て、森さんは自己嫌悪に陥った。

なるほど、すごい人は人知れず努力をするものか。と、勤勉のススメとして受け止めることもできるが、感心しながらも、森さんの受けとめ方は少しちがっている。たけしさんが、天才について語ったこんな話から、彼は別の意味を拾いあげていく。 

ダイエーホークスの監督をしている王さんがジャイアンツ時代、畳が磨り減るほど真夜中でもバットを振っていたという有名な逸話がある。これをたけしさんは、天才は努力の結果と解釈しない。「そうしていないと落ち着かないからバットを振るんであって、本人は努力だなんて思ってない」。 



ビートたけしさんも、王さんも、「超」のつく心配性なんだろう。

たけしさんなど、傍目から見ると、笑いがとれない事など想像できない。しかし、爆笑王である彼自身のココロは違うのだろう。「受けないかもしれないという不安」をネタ帳を書き続けることで、ココロを落ち着かせているのだろう。



王さんも同じなのだろう。「ホームランが明日から打てなくなるかもしれないという不安」から眠れない。バットを振り続ける事で、不安を振り払いココロを落ち着けるしか方法が見つからないのだろう。





たぶん彼らの心配、不安のエネルギーは、とんでもなく大きいエネルギーなのだろう。我々からは想像できない程の大きな不安感、危機感があるのだろう。その巨大な不安にさいなまれている本人は、徹夜してバットを振ることも、ネタ帳を書いている事も努力しているつもりはサラサラないに違いない。



不安だから、ココロを落ち着ける為に、バットを振り続けたり、お笑いの台本を書いているのだろう。バットを振り続ける事で、「これだけやったのだから・・。できる限りのことはやった」という事で、不安がなくなってきて落ち着くことができるのだろう。



二人の話は、マイナスの感情をホントに上手に利用している例ではないだろうか?。不安や恐怖、危機感を誤魔化さないで、冷静に真っ正面から受け止める。それをモチベーションの為の爆発的なエネルギーにして、行動を起こしているのです。(他の人であればすごい努力と感じる行動を)





人一倍、不安を感じる彼らは、いつも不安感や危機感にかき立てられている。そして不安を取り除く為に、少しでも不安を抑えるための行動(素振り、ネタ帳を書く)をする。本人は不安を抑えるための行動にしかすぎないが、実際は一般人の何倍も努力をしているということになっている。それが、人より数倍の結果を出すことにつながっているのでしょう。




ポイントは、努力を努力と感じていないという事。

努力という苦労でさえも、強い不安という不快な感情がある際は、「不安を減らす」という快感をもたらすものになる。

「快」の感情は、その行動を強化していきます。その「快」が「不快感を減らすという快」であってもです。





彼らから学べるのは、「ムリに不安感や恐怖感をプラス思考になどに切り替える事ではなく、不安を正面から受取り、それをエネルギーにし、不安を鎮める為の精一杯の行動をしていく」というモチベーションテクニック。





彼らは、ムリにプラス思考で考えていこうなどという事はしていないのではないだろう。自分の感情を素直に受け取る。そして、その感情を素直に利用していく。これは、使い方によっては、危険なモチベーション方法であるかもしれない。危機感を目一杯感じる事で、その危機感を減らす為の努力に快を感じるというやり方は・・





しかし、一つのモチベーションの上手なやり方だろう。覚えていて、きっと損はないと思う。上手な使い方をしていかなければ、ノイローゼになってしまう可能性があると思うので、使い方は慎重に行う必要はあるとは思いますが・・





「快」の感情と、危機感や不安感という「不快」の感情。この2つを素直に受け入れて、両方の感情エネルギーを上手に自分のモチベーションアップに繋げていきたいですね。



私もそうなのですが、不安症な人は、ムリにプラス思考をしようとしても、なかなかプラス方向にモノを考える事ができないものです。逆に、不安な事を誤魔化して、プラス方向に考えようとすればするほど、ドツボにはまっていきます。





この天才の話を聞いて、私は思いました。マイナス感情を大事にしよう。あえて、不安を押さえ込もうという努力はやめにしようと。


不安感を「良かった、努力をしていく為の爆発的なエネルギーが手に入った。不安感も一つの資産だ。心配症はその資産を生まれつきたくさん持っているんだ。

目一杯、その不安感をコントロールして、楽しんでやるぞ!

不安がないと納得できるまで、妥協せず行動し続けるぞ!

不安を大きな行動を起こすためのエネルギー精一杯利用させてもらい、楽しむぞ!

と考えてみようと思います。

マイナス感情の方が、プラス感情よりも短期的には、人を動かす大きなモチベーションエネルギーがあります。プラス感情という「かぜ」だけでなく、マイナス感情という「かぜ」も上手に使いこなして、目的地までヨットを操っていきたいものですね。それができれば、モチベーション力は更に強化されていくのでしょう。

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