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内藤VS亀田戦から学ぶ 「万能ノウハウ、魔法のノウハウはない!」ということ

内藤VS亀田戦が世の中を騒がせています。亀田選手の反則についての批判、親父さんをはじめセコンド陣の反則指示疑惑についての批判等。





今回の試合を見て、プロのボクシングジャーナリストの方の発言が、とても興味を引きました。拳論!取材戦記 ボクシングを守った内藤〜WBC世界戦

序盤4回でほぼ勝負は見えていたし、あとは内藤が上手く倒せるかどうか、だけだった。内藤が倒せなかったのには理由がある。宮田会長も認めていることだが、フェイントの多用が裏目に出た。大毅が内藤のフェイントに引っかからなかったのだ。実は、内藤が大毅を称えたのもこの点があったからだった。「フェイントに簡単に引っかかる選手もいるのにね」(内藤)



 しかし、そこに専門誌のライター氏が鋭く内藤に質問した。「大毅は内藤選手の目を見て戦ってました?」分かるだろうか? ボクサーは目の勝負でもある。相手の視線で次に来るパンチが読める。徳山昌守は、この目を使ったフェイントが得意だったのだが、当然観衆に伝わりにくいため彼の技巧は過小評価を受けた。大毅がもし内藤の目を見ていたら、フェイントに引っかかっただろう。答えはノー。その瞬間、関係者の間から笑いが起きた。「内藤さん、大毅はフェイントに気づいてなかったんですよ」つまり、フェイントを先読みして引っかからなかったのではなく、大毅は内藤のパンチを読む手法すら身に着けていなかったということ。内藤は一言「・・・あ、なるほど」会見場は笑いに包まれた。大毅はフェイントも必要なかったレベルだったのか。ただ、宮田会長は「フェイントは内藤のスタイルだから大目に見てください」とフォローした。

ボクシング界のトップランカーにも常識があるのでしょう。そこまで上り詰めるまでに絶対に身につけておくべきテクニック、習慣があるということ。それが「相手の目」を見て戦うという事なのでしょう。相手が殴る前に、「相手の目」を見て、相手の攻撃を事前に予測する。だからトップランカークラスの強烈なパンチへの対応ができるという事なのでしょう。





更にその上のレベルのチャンピオンクラスになると、「相手の目」を見て攻撃の予測をするという習慣を逆利用して、フェイントをかけていくという技術を身につけていく。その技術が内藤選手の武器だということ。たぶん、物凄く、難しいテクニックなんでしょうね。右を見ながら、左を打つ。相手のあごを見ながらボディを打つ。弱いパンチならともかく、腰の据わった強烈なパンチを打つなんて。





世界タイトルも奪った、この神業。たぶん、内藤選手もこのワザを身につけた時、究極のワザ、魔法のワザを身につけたと思ったのではないでしょうか?しかし、亀田選手に通じなかった。試合中も、なぜこのワザが通じないかが分からなかったという事でしょう。亀田選手が凄いテクニシャンという理由で通じなかったという事ではない。亀田選手がトップランカーの常識である「相手の目」を見て戦うという習慣が身に付いていなかった為に、このワザが効果を発揮しなかった。





「相手の目」を見ない人には通じないという事をスッカリ忘れていて、このワザを繰り返したのが、ノックアウト勝ちまでいかなかった原因なのかもしれません。このワザがどんな人にも効く万能のワザだと思ってしまったのでしょう。「トップランカーで目を見て戦わないヤツなどいない」という固定概念がそうさせたのでしょう。インタビューで記者からの質問ではじめてそれに気づき、苦笑いをしてしまったのではないでしょうか?

今回、この神業が通じなかったという事が私達への一つの教訓になるのではないでしょうか?世界最高峰の技術でさえも、全ての人に通じるワケではない。「右を見て、左を打つテクニック」は、「相手が右を見たら、右を殴りにくる」という事が分かっている人、戦う相手の目を見る習慣がある人にしか通じない。



私達は、万能ノウハウ、これを身につけておけば、どんな状況でもうまくいく魔法のノウハウを求めます。「そのようなものがどこかにあるのではないか?」というユメを見てしまいます。この事例から学べるのは、「どんなに凄いノウハウでも、相手次第、状況次第で効果は変わってくる」という事。固定概念を持つことの危険。





私達は万能ノウハウ、魔法のノウハウの幻想を捨てる必要があるのではないでしょうか?そんな魔法はないという事を前提に、「どんなシチュエーション、どんな人が対象であれば効果的なノウハウなのか?ハックなのか?」を一つずつ学ぶことが重要だという事を改めて、気づかせて貰いました。魔法のワザ、万能のワザという考え方に囚われず、固定概念を捨てる事の重要性を教えてくれる、今回の試合でした。

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