モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

クチコミの見える化

ブログの話をすると、経営者の多くの方々は「ネットショップ」とか「ITの話」とすぐに考える人がいまだに多い。しかしそんな難しい話ではなく、企業側から見たブログとは「クチコミの見える化」であり、どんな小さな企業でさえも取り組むべき話だと思う。


例えば、ブログがない時代のクチコミであれば、美味しいカレー屋さんに私が出会ったとしても、クチコミとしてそのカレー屋の紹介をするのは友人だけにしかしない。それも友人との会話でカレーが話題に上ったときだけ。他の周りの人からは、私が美味しいカレーに出会ったことも、感動して他の友人に紹介している事も全く見えない。


私がそれほどそのカレー屋さんを気に入っているという事が、「カレー屋さん自体」が見えれば、お礼状の一枚くらい渡したくなるところだろうが、従来のクチコミの世界では、「誰が、何を気に入ってくれていて、どれくらいの紹介をしてくれているのか?」が分からなかったので、マーケティングの世界では、クチコミの重要性は分かっていたが、扱いにくい分野であった。マス広告と同じくらい、どの企業もクチコミマーケティングを行っていきたかったのであるが手法があまりなかった。


マーケティングでクチコミを仕組みとして使おうという部分では、教室やイベントで体験をして頂きそれをクチコミで広げて貰うというやり方やスポーツジムの紹介制度のようなものくらい。自分の友人を紹介してくれたら、友人もあなたにも5000円キャッシュバックとかいう仕組みだ。後、マルチ的なやり方。あなたの友人にクチコミをしてくれて、その人が買ったら1000円、その友人が更にその友人に紹介してくれたらあなたに500円のマージンを払いますというようなもの。


クチコミそのものが目に見えない為に、「クチコミの結果」としての「売上貢献」に対してお礼をする程度の仕組みしかなかった。確かに「クチコミ結果の売上」については「見える化」ができるが、それでは本来の意味でのクチコミにはならない。


クチコミは、「自分の利益の為の情報提供」という事では本来ないからだ。本来のクチコミとは「善意の情報の分かち合い」である。「喜びの共有」である。自分が知った素晴らしい感動を単純に知人に紹介したいという事なのだが、紹介キャンペーンにしてもマルチにしても弱いのは「自分の利益の為の情報提供」という事が全面にでてしまってしまい、本来のクチコミパワーを出す事ができていなかった。


しかし、ブログでの情報発信はどうだろう。一部のアフリエィターの方々は、従来のクチコミマーケティングのWEB版焼き直しの形だと思うが、たいていのブログの場合、「善意の情報の分かち合い」である。ホントに自分がいいものをブログに書いているだけで、見返りを特に期待しているワケではない。


このクチコミを広げてくれているブロガー達は、目に見える。(検索エンジンで探すことができる)そして、どのような評価をしてくれているか、そしてどのくらいの影響力があるのかも見える。クチコミの見える化ができるのである。見える化が図る事ができれば、予算がとりやすくなる。どれだけの投資対効果が見込まれるかが予測可能になるからだ。クチコミが顧客数や客単価と同じように管理対象領域になってきたのである。ようやくクチコミを戦略的に展開できるインフラが整ってきたのだと思う。


今までブログやHPに関心がなかったような企業、例えばラーメン屋さんや床屋さんのような人達でも無関心ではいられない時代だろう。



これからの企業はこの「クチコミをしてくれている人達」のモチベーションアップを図っていき、どう増やしていくのかというマーケティング施策の中心に置く必要があると思う。これは、単純に自社がブログを書くというだけではない。自社の事をクチコミとして書いてくれているブロガー達とどう付き合っていくかという事を含めて考えていく必要があるのだろう。


昨日お伺いした黒豚コラーゲンという商品を販売されている三浦さんから佐賀県武雄市長のブログを紹介して頂いた。武雄市長のブログが中心になって、武雄市の様々な事を紹介しているブログを集めていこうというコンセプトで進められているとの事。確かに面白い。これらが集まると、武雄市のクチコミ一覧となるのだろう。


観光する側も、よく情報が分からない町を観光するより、クチコミ情報がよくわかり、面白いなぁと感じるようなスポットがたくさんある町に観光に行きたいと思う。その情報がガイドブックやお役所が作ったような加工情報でなく、住民や観光客の生の声であればなおさらだろう。


どの企業も、顧客のモチベーションアップの為に、クチコミの見える化をブログを利用してどう図るかを真剣に研究していく必要がある。クチコミの真の利用ができるようになれば、販売の為の努力を減らすことができ、後は商品の充実に力を注げばいいだけになるのだから!